4月23日(現地時間)、フランス大統領選の第1回投票が行われた。
各メディアは中道、無所属で政治運動「アン・マルシュ(前進)」を率いるエマニュエル・マクロン氏と、極右政党「国民戦線」を率いるマリーヌ・ルペン氏が決選投票に駒を進めると報じている。
一騎打ちではマクロン氏が優位
フランス内務省によると、96%の開票段階でマクロン氏が23.9%、ルペン氏が21.4%。いずれの候補者も過半数の票を獲得することができなかったため、上位2人による決戦投票に持ち越しとなった。
決選投票までは両候補がいかに大統領にふさわしいか有権者にアピールすることになる。焦点となるのは、移民問題、EUとの関係といった2人の意見が大きく異なる点だ。
「左派でも右派でもない政治」を掲げるマクロン氏はEUの枠組みを堅持する方向性を示しているのに対し、ルペン氏はEU、移民に断固反対の姿勢をとっている。
決選投票では反ルペン票が集約か
決選投票では第1回投票で他の候補に票を入れた有権者がどう動くかで戦局が決まってくる。そう考えると、保守派の票を取り込むと見られるマクロン氏が当選する確率が高い。
第1回投票で敗北した共和党のフィヨン氏、社会党のアモン氏は第2回投票でマクロン氏に投票するよう支持者に呼びかけている。
過去数カ月の世論調査を見ると、反ルペンの保守層がマクロン氏の支持に回るデータが出ており、ルペン氏は苦戦を強いられそうだ。
第2回投票は5月7日。今回の大統領選はフランスだけでなく、数十年実験を続けてきたEUのあり方にも大きく関わってくる。昨年から続くポピュリズムの波はヨーロッパにどう表れるのか、今年一番の正念場だ。
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