「こんなんじゃダメだ」「成功させなければいけない」完璧を求めるあまり、「自分」をネガティブに捉える。真面目で勤勉な日本人に多いといわれている“完璧主義”。
完璧さを求めることは、悪いことではない。しかし、完璧さを過剰に求めることは自分自身を追い詰め、ネガティブ思考にする。
ネガティブ思考になりやすい……そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに、2つの対処法を紹介したい。
自分の内面を“表面化”してみる
先に注意しておきたいが、私は「完璧主義」「ネガティブ」を否定したい訳ではない。
石橋を叩いて渡るような完璧主義者がいないとこなせない仕事、ネガティブな人だけが持っている視点や疑問点など、ポジティブな人しかいない世界は恐らくうまく機能しないだろう。
ここで紹介するのは、自分を追い詰めすぎないための対処法。ネガティブな自分を呪わない方法だ。
頭の中“不安”が9割タイプの対処法
- 抱えている不安を表面化させる
大人数の前でプレゼンテーションするのが苦手。「失敗したらどうしよう」「いつもみたいに噛んじゃったらどうしよう」「手足が震えたらどうしよう」……脳内を「どうしよう」がジャックすると、思考停止してしまう。
そんな時は「最悪な状況フロー」を書き出してみよう。「プレゼンでうまく喋ることができなかった→上司に怒られる→会社内での評価が下がる→クビになる」。
論理が飛躍しすぎじゃない? そんなところまで最悪な状況を書き出してみると、「さすがにここまで悪化しない」と、少しだけ明るい気持ちになる。
- 発想の転換をして、うまくいかなった先にあることを書き出す
ネガティブ思考になりがちな人は、“発想の転換”をあまりしない。うまくいかなかった時のことばかりを考えて、うまくいかなった「けど」こんな良いことがあるかも! その発想に至らずに、スタックしてしまう。
そこから抜け出すために、うまくいかなかった先にあるかもしれない“良いこと”を書き出してみよう。
プレゼンで失敗したけど……「良い経験になった」「誰も気にしない」、ちょっとプラスの方向で考えてみたことを書き出す。それを繰り返すうちに、スタック現象に陥ることが少なくなっていくだろう。
「ダメな自分」と自己否定するタイプの対処法
- 過去の実績・評価を書き出す
人間、ダメなところの1つはあるもの。目立って見える人たちが、ダメなところを隠すのが上手いだけで「ダメな自分=悪い」なんてことは一切ない。
自己否定が始まり、仕事へのやる気がなくなったときは「自分が評価されたこと・頑張ったこと」を書き出してみよう。「あの時の資料、頑張って作ったな」「今まで関わってこなかった会社と繋がった」「〜をして上司に褒められた」。
些細なことでも、自分にポジティブな評価などを可視化してみると「頑張ってたんだな」と自分を少しでも認めてあげることができる。
- 他人に批判されたら「自分の一部だけ」批判されたと何度も心の中で呟く
完璧主義が原因でネガティブになりやすい人は、他人の否定的な言葉や批判で「自分の全てを批判された」と思ってしまうことが多い。
他人の批判でネガティブ思考になったら、心の中で「自分の中の一部分をちょっと指摘されただけ」と何度か呟いてみる。そう言い聞かせることで、少しだけ気持ちが軽くなる。
ネガティブ思考に悩んでいるビジネスパーソンは少なくない。最初に書いたように、ネガティブ思考だからこそできることがある。ポジティブな人がいれば、ネガティブな人がいて当たり前。こっちの方が絶対に良い、という正解はないのだ。
完璧主義で自分を否定したり、不安になりすぎてスタックしたりしてしまったとき、「自分が悪い」と思い詰めないようにしよう。慎重で繊細なその性格は、誰かを助けて、誰かの役に立っているかもしれない。
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