今年もまた、各地で新入社員入社式が行われた。ある企業は体育祭を行い、ある企業は英語のみで進行するなど個性的な入社式が注目を集めた。
ただ、時代によって形式は変わろうと、その企業の経営者のスピーチは欠かせないもの。これから同志となる新入社員に経営者が送る熱いメッセージは、すでに社会で働いている人の心をも打つものがある。
今回は急激に変化し続けるIT業界を引っ張る有名企業の入社式から、経営者のスピーチを抜粋してみた。
世界を変え続ける経営者たちの金言
by nobihayaソフトバンク代表取締役会長:孫正義
先日、フォーブス誌の長者番付で日本人1位に返り咲いたソフトバンクグループ代表取締役会長である孫正義氏から紹介。
10兆円規模にもなる「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立したことで注目を集めている孫氏は、新入社員390人に対して昨年に引き続き「桜」に比喩して自身の会社像を語った。
孫氏の心情が凝縮された入社式あいさつ。「強い願望を持って努力し続ける」ことは、毎年のように入社式で話されるポイントだ。
また、「人々を幸せにするため」というフレーズもよく孫氏の発言から伺うことができる。
ソフトバンクが創業して間もない頃、慢性肝炎のため一時社長職から退いたときに感じた「人に喜んでもらえることに貢献する」ことは、孫氏が今でも大事にしていることなのだろう。
KDDI代表取締役社長:田中孝司
続いては、ソフトバンクと同じく大手キャリアとして知られるKDDIの代表取締役社長である田中孝司氏のスピーチを紹介する。
IT企業ということもあり、ソフトバンクと同様に「IoT」や「AI」などによって起こるであろう情報革命について発言。情報革命の中で、どのような成長を遂げていくべきかということを中心に語った。
KDDIは事業面ではもちろん、働き方でも改革を進めている。労働の終了から次の労働開始まで、一定の休息付与を義務付ける「勤務間インターバル制度」を早期に導入した企業だ。
社会の流れに敏感に、その中でどうあるべきかを示したKDDIらしいスピーチであった。
NTTデータ代表取締役社長:岩本敏男氏
最後に紹介するのは、情報サービス事業では日本最大手のNTTデータ。最近でいうと、キリンや三菱重工とIoTの共同事業を発表するなど、IoTに積極的な姿勢を見せている。
岩本氏はイギリスのEU離脱、ブレグジットやトランプ大統領の当選など、大きな動きを見せている社会の中でどのように障害を乗り越えるかを語った。
そこで、新入社員に送った言葉は「真実一路」。社会人として最初の一歩を踏み出した新入社員に必要な心持ちだという。
与えられたものをこなすのではなく、自分で考え、自分で正しい道を切り開くというメッセージを込めた。
情報技術が急激に進歩し、世界が激変する時代。そんな時代に社会に飛び込んだ新入社員たちに、経営者たちは熱いメッセージを送った。
これらの訓示は新入社員だけでなく、社会で働く者にとっても考えさせられるものばかり。新年度、大物経営者の金言を胸にまた新たな気持ちで仕事に望んでみることが、あなたの仕事にいい影響を与えるかもしれない。
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