自分の生活に欠かせないもののひとつに「コーヒー」と答えるビジネスパーソンは、かなり多いのではないだろうか。
その中でも、プレミアムポーションコーヒーのパイオニアとして世界市場をリードする「ネスプレッソ」を取り扱う、ネスレネスプレッソ代表取締役社長であるアレクサンダー・シュネガー氏に、同社のビジネス戦略と企業理念を聞いた。
アレクサンダー・シュネガー|
Alexander Schoenegger
ネスレネスプレッソ代表取締役社長
24時間好きな場所でワンボタンで美味しいコーヒーを
——現在、ネスレネスプレッソ様が取り組まれている活動の内容をお教えください。
シュネガー:ネスプレッソは、コーヒーの木の栽培からお客様のカップにコーヒーが注がれるまで、コーヒーバリューチェーンをめぐるすべてのステップに関与しています。ネスプレッソは、農園で収穫した生豆の中から、当社が求める品質とアロマの特徴を備えたコーヒー豆だけを選別し、世界中のお客様にお届けしています。
また、ネスプレッソでは一貫して、調達するコーヒー豆の特徴・産地・栽培法、さらにはその豆が製品となりお客様のカップに注がれたときにお届けできる味わいと体験の中身を熟知しておきたいと考えており、ネスプレッソビジネスは3本の柱「コーヒー」、「コーヒーメーカー」「サービス」で成り立っています。
例えば、ネスプレッソのカプセルコーヒー“グラン・クリュ”の原料として調達されるコーヒー豆は、世界のコーヒー豆生産量の約1~2パーセントにあたる、高品質な希少なコーヒー豆です。
世界を旅するネスプレッソのコーヒーエキスパートたちがテロワールといわれる標高、気候、土壌の厳しい条件を満たした、ごくわずかな地域でのみ収穫されるものを厳選しています。また最大19気圧のポンプを搭載したネスプレッソのコーヒーメーカーは、シンプルな操作で“グラン・クリュ”の持つ真の個性を引き出すように設計されています。
そして、ネスプレッソでは、国内21店舗のブティックを通じてネスプレッソブランドをお客様にご紹介し、五感で満喫する独自のネスプレッソ体験をお届けしています。フリーダイヤルは、24時間・年中無休でコーヒースペシャリストがお電話でサポートしていますし、公式ウェブサイトでは、お客様のお好きなタイミングで、どこからでもネスプレッソの世界感をお楽しみいただけます。
もちろん、コーヒーやコーヒーメーカー、コーヒーアクセサリーのご注文を24時間お受けするシステムも完備。ネスプレッソスマートフォンアプリでは、24時間お好きな時に、お好きな場所からボタンを押すだけでオーダーが可能です。
現在ではネスプレッソが提供するコーヒーは、一般家庭はもちろんのこと、高級レストランやホテル、カフェ、ファッションブランド、オフィスなど、様々な場面で人々に愛飲されています。
日々の贅沢体験を「自宅」でできる強み
——ネスプレッソのビジネスが他のコーヒーブランドと違う点をお教えください。
シュネガー:それは「ダイレクトビジネスであること」「すべてのお客様と直接の接点を持っていること」ですね。日本で働くネスプレッソ全従業員の80%は、ブティックやテイスティングコーナー、コールセンター、インターネットを問わず何らかの形で、ネスプレッソコーヒーを飲んでくださるお客様と日々コンタクトしています。
——今回発表された新商品「セレクション ヴィンテージ2014」や数量限定コーヒーを出す意義とは何でしょうか?
シュネガー:ネスプレッソでは、コーヒーエキスパートたちが、スーダンやインドネシア、エチオピアなど世界中を廻り探し出した、厳選したコーヒー豆のみを使用しています。
今回発表された新商品「セレクション ヴィンテージ 2014」。ネスプレッソでは毎年、世界中のコーヒー愛飲家の皆様にクリエイティブで革新的な“至福のコーヒー体験”をお届けするため、世界中から探し求めた希少なコーヒー豆を使用した、数量限定のカプセルコーヒーを発売しています。
今年の第一弾として発売した新商品「セレクション ヴィンテージ 2014」の魅力をお伝えさせていただくと、ネスプレッソのコーヒーエキスパートが実り豊かなコロンビアの高地で栽培されたコーヒー豆を厳選し、2014年に収穫したアラビカ種のコーヒー豆のみを100%使用したコーヒーです。
3年間熟成させたコーヒー豆を使用したエイジド・コーヒーは、木を想わせる香りと、ベリー系のフルーティで華やかな香りが織りなす複雑な味わいに仕上がっています。また上質なチーズや肉、ビネガーと同様に、高度な専門技術で熟成することで、贅沢かつまろやかでビロードのようになめらかな口あたりが特徴のコーヒーです。
——自社のブランディングや競合他社との差別化などはどうされていますか?
シュネガー:ネスプレッソは日々の贅沢体験、自宅で楽しめる「至福の時間」を提供していると自信を持って言えることですかね。
すべては「至福なコーヒー体験」を提供するために
——コーヒーを通して、ユーザーにどのようなモノを届けたいのでしょうか。
シュネガー:ネスプレッソは、自宅にいながらにしてバリスタのようなコーヒーを簡単に淹れられる事ができます。
また、24種類のグラン・クリュからお好みやシーンに応じて、お選びいただけます。コーヒーメーカーは、単にエスプレッソを抽出するだけでなく、カプチーノやラテマキアートなどのコーヒーレシピをお作りいただけるコーヒーメーカーなども取り揃えています。
——社長にとって仕事の「恩人」と言える方はいらしゃいますか。またその人との出会い、恩人と思われる理由をお聞かせください。
シュネガー:特定のメンターというわけではないのですが、様々な業界のビジネスパートナーと定期的に意見を交わしています。こうした方々の、自分とは違う考え方やものの見方が参考になることが多いです。
例えば、BMWジャパンのペーター・クロンシュナーブルCEOやANAインターコンチネンタルのマーカス・プラッツァー・エリア総支配人のお客様中心の考え方、お客様にあらゆる面で完璧な体験をしていただこうとする姿勢は参考になります。ネスプレッソも同じことを目指しています。
——ビジネスを行う上で、何かしらのプロジェクトが失敗、もしくはうまく行っていない状態の場合、社長はどのようにメンタルを保ち、改善していきますか?
シュネガー:改善のために一番大事なのはチームメンバーからのフィードバックです。ブティックで働くコーヒーエキスパートたち、品質管理マネージャー、物流のスペシャリスト、そしてお客様など、私たちが日々接している方たちの意見から改善や革新的なアイデアが生まれることもあります。ネスプレッソではこうしたコメントやご意見を毎日収集して、意思決定や今後の方向性を考える際に活かしています。
——シュネガー社長にとって「仕事」とはどのようなものでしょうか。
シュネガー:私にとって仕事とは、お客様に「至福のコーヒー体験を届けること」を使命としています。
——今後のネスレネスプレッソのビジネス戦略をお聞かせください。
シュネガー:ネスプレッソは日本で30年以上のビジネスを展開しており、日本全国で21店舗のブティックがあります。今後ともそのビジネスを伸張してまいります。
昨年11月には、ネスプレッソ本国がヨーロッパを中心に世界各国で展開している体験型イベント「アトリエ・ネスプレッソ」を東京で開催するにあたり、世界で活躍する、NARISAWAの成澤シェフ、エーグル・ドゥースの寺井シェフ、TETSUYA’Sの和久田シェフとコラボレーションによる一期一会のメニューを特別な空間でいただく機会を提供しました。
また繰り返しになりますが、ネスプレッソは至福のコーヒー体験を届けることを使命としており、お好みやライフスタイルに合わせて、アレンジしてお楽しみいただきける24種類のグラン・クリュ、今回発売させていただく数量限定のコーヒー、またネスプレッソブティック表参道2階のコーヒーエクスペリエンスセンターを通じて、今後も素晴らしいコーヒー体験を皆様に提供していきたいと思っています。
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