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「人生を危険に晒せ!」を体現? ホリエモンと学ぶ、稀代の哲学者 ニーチェのあまりに数奇な人生

野口直希

2017/04/01(最終更新日:2017/04/01)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「小利口よりバカ!?」〜vol.776〜』では、ホリエモンがリスクを考えてばかりの正社員についての苦言から、哲学者 ニーチェの人生まで幅広い話題に言及。

  今回取り上げたのは、「会社員はなぜ、あんなに愚痴っぽいんでしょうか?  かといって起業を勧めると、『いや俺にはそんな頭がない。頭が悪いからむり。家族もいるし』と言い訳ばかりです」という質問。

ホリエモン「小利口な人はリスクばかり気にして、何もできないんだよね」

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 ホリエモンは、「小利口だから、将来リスクを気にするんだろうね」と回答。

 会社の愚痴ばかり言うくせにいざ起業を勧めたら及び腰になるサラリーマンに憤慨する質問者に対して、ホリエモンはそういう人は中途半端に頭がいい、つまりは小利口なのだと諭す。そうした人は待ち受けるリスクや過去の失敗経験を課題に考えてしまい、結果として何もできなくなってしまうのだ。

 そもそも、ホリエモンも指摘するように全くのゼロリスクなんてありえない。どんなに確実に見えることでも外部的な要因によって失敗する可能性はあるし、それこそ今この瞬間に大震災が起こって積み上げてきたものがなくなってしまう可能性だって存在している。

 端的にいってしまえば、微細なリスクを気にしてばかりいると、何も行動することができなくなってしまう。そういう意味では、ある程度バカだとリスクを顧みずに猛進できるため、起業などに踏み切ってすんなり成功してしまうことがあるのだ。
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 一方で、今回のゲストで哲学ナビゲーターを名乗り『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』などの著書を持つ原田まりる氏は、「自問自答が趣味」と潔く話す。

 昔から尾崎豊が好きだった原田氏は、色んなことを頭の中でこねくり回すのが仕方ないのだという。自問自答はステップアップや逆境から抜け出すために必要な手段というよりは、ひとつの趣味や好みとして考えるべきなのかもしれない。

哲学者 ニーチェは奇妙な同棲生活をしていた?

 賢い人はあらゆるリスクが見えすぎてしまうため、そうでない人より慎重になってしまうことがある。

 ホリエモンは、今回のゲストで哲学ナビゲーターを名乗り『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』などの著書を持つ原田まりる氏に、「哲学者なんかもそうなんじゃない?」と投げかけた。
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 これに対する原田氏の答えは両義的で、例えばニーチェのような実存主義者には一度決定したことに責任をとり、「人生を危険に晒せ」という旨の発言があったと回答している。

 このように聞くとニーチェも潔い人物のように思えるが、原田氏の著書でニーチェは「素人童貞(プロの女性としか性経験がない男性)」としてキャラ化されており、ホリエモンに「リスク取ってないじゃん」と指摘されている。

 とはいえ、ニーチェは告白をしなかった訳ではない。ニーチェは愛する女性に告白した結果、付き合うことはなかったがニーチェと彼女、そしてその友人男性の3人で同棲するという奇妙な関係になったのだという。

 実は、この女性は「世紀の魔性の女」との異名も持つザロメという女性で、彼女は他の男性にも求婚された結果、性関係がないままに婚姻関係を結び、詩人のリルケとの浮気を繰り返していた。

 最終的には精神分析家 フロイトに師事するという、当時から考えても到底普通とはいえない生涯を送っている。ニーチェやリルケを始めとする当時の知識人に多大な影響を与え、イタリアの作曲家 シノーポリが彼女を題材に『ルー・ザロメ』を作曲するなど、彼女が世に与えた影響は計り知れない。
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 このような原田氏の話を聞いて、「ニーチェにも人間味があって面白いね」と感心するホリエモンだが、一方で彼の恋愛については、「1人の女性にコミットしたのが失敗だったんじゃないかな」と発言。

 リスクを気にせず一度は他の女性とくっつけば、彼の魅力にザロメが惚れ直すかもしれないという意見だ。

 1人の哲学者を巡る奇妙な人生譚にもなってしまったが、ニーチェの人生もリスクを考えず猛進することがあれば変わった可能性はある。

 起業できずに愚痴を零し続けるサラリーマンよりもなんとなく行動で成功する起業家も存在するのだから、時には思い切りで突っ走れば思いがけない結果を招くこともあるのだ。

  ホリエモンが人生とリスクの関係について語った『堀江貴文のQ&A「小利口よりバカ!?」〜vol.776〜』。動画が観たい方はコチラからどうぞ!


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