京浜急行電鉄、シャープ、ビジョン、フューブライト・コミュニケーションズの4社は3月22日、多言語観光ガイドを行うロボットレンタルサービスを、訪日外国人観光客および日本人観光客向けに提供すると発表した。同サービスは4月25日より開始となる。
羽田空港でロボホンをレンタルできる
同サービスには、シャープ製のコミュニケーションロボット「ロボホン」が採用される。提供場所は、京急羽田空港国際線ターミナル駅2階にある「グローバルWiFi羽田空港カウンター」。受付時刻は6:30〜23:45までとなる。
一方、返却は「グローバルWiFi」の店舗カウンターでも可能。対応空港は、成田国際空港(J WiFi & Mobile)、羽田空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港だ。
会場では、京急電鉄の羽田空港国内線ターミナル駅 駅長 市川秀雄さん(上記写真)が登壇。「ロボホンを活用した新しい観光の形態が提供できればと楽しみにしている。旅行だけに限らず、ロボホンに触れてみたいという人にも、訪れてほしい」と語った。
余談だが、発表会に登壇したロボホンは、京急電鉄のユニホームを身にまとっていた。充電台は車両のシートになっているそうだ。
ロボホンは、日本語に加え、英語・中国語に対応。レンタル料金は24時間(1泊2日可)で1,500円(税抜、以下同)。48時間(2泊3日可)で3,000円、72時間(3泊4日可)で4,000円、以降12時間ごとに500円がプラスされる。また、Wi-Fiルーターのレンタル費用は別途かかる。
関連グッズなども展開予定
各社の役割については、京急電鉄がレンタル事業とロボホン本体および関連商品の販売を担う。シャープはロボホンの英語・中国語対応、基本アプリの多言語化対応。ビジョンはレンタル・販売の接客対応と運用。フューブライトは位置情報に合わせてスポット紹介するなど、新規アプリの開発に携わる。
多言語で提供されるアプリケーションとしては、位置情報に合わせておすすめスポットを紹介する「ロボてなし」のほか、写真撮影、プロジェクターでの写真・動画表示、ダンスや歌などが用意されているとのこと。
また、関連グッズとして、ロボホンのプラモデルや、オリジナルロボホンウェア、卓上ホルダなどが販売される。
日本人観光客の場合には、関連グッズのほか、ロボホン本体の購入も可能。2017年9月末までのキャンペーンで、レンタル後の購入に限り、「ココロプランベーシック」1年分と「キャリングケース」(合計2万3,000円相当)がプレゼントされる。
ビジョン 空港事業部 統轄の奥山亘さんは「WiFiとセット提供するのは日本初のこと。新たなロボット体験をさせていただく入り口になる。街中にロボホンを持った人が溢れかえることを期待したい」と語り、また日本人向けの販売については「まずレンタルで体験して、その後に検討してもらえるのは、新しい導線だと思う」と述べた。
フューズライト・コミュニケーションズ 代表取締役の居山俊治さんは、「日本でしかできないサービスを提供したいと考え、京急電鉄に対し、ロボホンのレンタルサービスを提案した」と述べた。
また「“ロボてなし”アプリは、一緒に旅をして楽しんでもらうコンセプトで開発したもの。スマホでは簡単に地域情報を検索できるが、ロボホンは決して便利さを追求するものではない。ロボットだからできるおもてなしを提供したい」と同サービスについて語った。
同アプリでは、特定の地域に入るとロボホンが「写真を撮ろう」「一緒にあっちへ行こう」などと提案するそうだ。同氏は「一緒に旅をして新たな発見とともに良い思い出を作っていただければと思う」と述べる。
また、シャープの景井美帆さん(IoT通信事業本部 コミュニケーションロボット事業部 課長)は、「英語・中国語対応を同時に行った理由は、今後法人向けの提供が重要になると思っているから。不特定多数のサービス提供ではなく、一人一人に対して寄り添いながら提供する方式は、持ち歩けるロボホンならではのサービスだと思っている。今後ロボホンと一緒に過ごした海外の観光客が、“またロボホンに会いたい”と思って再訪してくれれば嬉しい」との旨を語った。
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