アウディのスポーツモデルを意味する「RS」シリーズの中でもグランツーリスモ(GT)の役割を担う「RS 5 クーペ」の新型が登場。
ベースとなる「A5 クーペ」から全幅が拡大され、迫力を増したボディにゼロから開発された新型ツインターボエンジンを与えられている。足回りも一新されたこのモデルの実力とは?
力強い印象のアウディ「RS 5 クーペ」
同社のクーペモデルといえば「TT」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、この「RS 5 クーペ」はより長距離のスポーツドライビングも視野に入れたGTモデルという位置付け。
ボディは「A5 クーペ」をベースとしているが、ホイールアーチは「quattroブリスター」と呼ばれる幅の拡大されたものを装備しており、ボディ幅は15mm広く、より迫力の増したスタイルとなっている。
フロントのエアインテークもRSシリーズの特徴であるハニカム構造とされ、より強い存在感を放つ顔つきだ。
ほかにもRS専用のディフューザーや楕円テールパイプのエクゾーストシステム、スポイラーなどさり気なくスポーティさを強調する装備が与えられ、リアから見てもその運動性能の高さを予感させるスタイルとなっている。
エンジンは新開発の2.9L V型6気筒TFSIツインターボで、450PSを発揮。トルクは先代モデルより170Nmも増強された600Nmを1900~5,000rpmという幅広い回転域で発生させる。これによって、加速力を示す0-100km/hのタイムは3.9秒を実現。最高速度は280km/hに達する。
それでいて、燃費効率も向上させているのが、このパワーユニットのスゴイところ。ターボチャージャーとともにシリンダーバンクの中央に配置された直噴システムと、圧縮行程を短縮し膨張行程を拡大して燃焼効率を高めたエンジンがそのポイントだ。これにより、燃費は先代モデルから17%も向上している。
新設計のエンジンが発生したパワーは、スポーティな走行用にチューニングされた8速ティプトロニックトランスミッションにより、フルタイム4WDシステムに伝えられる。
サスペンションには前後とも5リンク式を採用することでスポーティなハンドリングを実現するとともに、快適性も大幅に向上させている。
洗練されたGT仕様のインテリア
インテリアもスポーティかつハイグレードなGTらしい装い。シート地はファインナッパレザーで、ダイヤモンドパターンのステッチが施され、ステアリングホイールもRS用のマルチファンクションとされている。
シート、ステアリングホイール、ドアシルトリム、セレクターレバーなどにはRSのロゴが刻まれ、よりオーナーの気分を駆り立てる。
近年のアウディの特徴でもあるメーター部に液晶モニタを搭載したバーチャルコックピットもRS専用に設定されたもので、タイヤの空気圧やエンジンのトルク、Gフォースといった情報を表示。
シフトアップのタイミングで点灯するシフトライト機能も搭載している。
車両情報やナビゲーション、それに音楽再生などエンタテインメント機能を統合したインフォテイメントシステムも最新鋭のもので、オプションのMMIナビゲーションプラスを選択すると「Audi Connect」のモジュールが付属し、LTE回線で常時ネット接続が可能となる。
自然な発話でのボイスコントロールやフリーテキストサーチなどの機能が使えるほか、クルマがWi-Fiスポットとして機能し、手持ちのモバイル機器を接続することも可能だ。
ヘッドアップディスプレイや、合計30ものドライバー・アシスト機能を搭載し、将来的にはこれらのシステムが連携することで自動運転も視野に入れているという先進機能を満載したマシン。
価格は8万900ユーロで、ヨーロッパでの納車開始は、2017年6月からとアナウンスされている。
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