スイスで開催されているジュネーブショー2017の会場でランボルギーニの待望の新型「ウラカン・ペルフォルマンテ」が世界初公開された。
ドイツのニュルブルクリンクサーキット・北コースにて量産車としては世界最速となる6分52秒01を記録した俊足マシンの実力に迫る。
高いパフォーマンスのキーは可変空力システム
「ウラカン」はV型10気筒エンジンを搭載するランボルギーニのセカンドグレードに当たるシリーズ。上位にはV12エンジンを搭載する「アヴェンタドール」が存在するが、今回記録されたラップタイムを見てもわかるように。
また「パフォーマンス」を意味する車名にも現れているように高い走行性能を持っている。
そのポイントとなっているのが、「翼」を意味するエアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)と呼ばれる可変エアロダイナミクスシステムだ。
これは、電子制御式のフラップによってフロントとリアのスポイラー周辺の空気の流れをコントロールすることで、最適な空力性能を実現するシステム。
高速で走行するレーシングカーなどは、ブレーキングやコーナーリングの際には車体を路面に押し付ける力(ダウンフォース)が必要となるが、ダウンフォースを得ようとすると空気抵抗は増えるため、直線部分などで最高速を上げるためには足かせとなる。
ALAは、コーナーリング時にはフラップを閉じて既存の「ウラカン・クーペ」に比べて750%増という最大ダウンフォースを発揮。逆に、最高速を得たいシーンではフラップが開いて空気抵抗を削減する仕組みだ。
さらに、リアウィングに空気を導くインナーチャンネルは左右独立して動作可能。コーナーリング中に荷重が不足する内側のホイールに優先的にダウンフォースを発生させることができる。
この「エアロ・ベクタリング」と呼ばれる機能により、コーナーリング時の安定性を増すとともにステアリングの操舵角を減らすこともできるという。
エンジンや車体のパフォーマンスも向上
搭載されるエンジンは、同社が開発したV10エンジンの中では最もパワフルな640PSを発揮。トルクは600Nmというハイスペックで、0-100km/hの加速は2.9秒、0-200km/hは8.9秒というパフォーマンスを実現している。
同社の創立30周年記念モデルの「ディアブロSE」などのスペシャルモデルに採用されたブロンズの新マニホールドが特徴で、吸排気系を最適化。既存モデルに比べて30PSのパワーアップを果たしている。
エクステリアはいたるところに同社が独自開発した軽量素材のフォージドコンポジットを採用。
前後のスポイラーやディフューザーはもちろん、ボンネットまでこの素材を用いることで約40kgの軽量化に成功している。
フロントのエアインテークやスプリッターは獲物に飛びかかろうとする蛇の牙をイメージさせる攻撃的なデザイン。
グリルを廃してスポーティさを強調したフロントバンパーとともに外観上の特徴となっている。
高い運動性能と質感を合わせ持った「ウラカン・ペルフォルマンテ」は2017年夏頃から納車開始の予定。気になる日本での価格は3,163万8,800円と発表されている。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう