1泊2日で岡山県倉敷市に行ってきた。今回の旅の目的は倉敷美観地区、児島ジーンズストリート、古民家での宿泊の3つ。
初めての倉敷で目的以外にも発見した魅力が多くあった。そこで本記事では、筆者が感じた倉敷の魅力を紹介したいと思う。
都内からの距離がちょうどよい!
倉敷美観地区で撮影。歴史を感じる白壁の建物に魅了される。 東京から倉敷市は飛行機で約2時間20分、新幹線で約3時間20分と1泊2日で訪れるには最適な距離である。
倉敷市は江戸時代に天領(江戸幕府直轄の領地)で物資が集まる街として栄えていた。倉敷の中心ともいえる倉敷美観地区に流れる倉敷川には多くの船が渡航し、川沿いには白壁土蔵造りの建物が見られる。
古き街並みで感じた「旅時間」:倉敷美観地区
倉敷美観地区で撮影。趣ある建物に囲まれて流れる旅時間は美観地区ならでは! 目的の一つであった倉敷美観地区(以下、美観地区)は、前述の通り天領の名残や江戸時代の雰囲気を感じることができた。
美観地区を歩いて気づいたことは、普段歩くスピードよりかなり「ゆっくり」歩いていたこと。
街並みの綺麗さ、美観地区ならではのゆったりとした雰囲気、歴史を感じる建物に囲まれると自然と歩くスピードもゆっくりになり、普段の生活で感じることのない旅先ならではの安閑とした「旅時間」を感じることができた。
カメラ片手に歩きたくなる町並み
倉敷美観地区にて撮影。 2月というと大学生は春休みの時期で、街を歩いていると多くの若者が見られた。
倉敷にはインスタで映えそうな写真、まさに「インスタジェニック」を多く撮ることが出来るスポットが多くあった。
どこを写真に収めても「絵になる」というのが多くの人を魅了する理由だと感じさせられた。
旅の醍醐味「食べ歩き」もGOOD
出典:www.okayama-kanko.jp また、美観地区にはカフェや岡山名物きびだんご、コロッケコンクールで金賞を受賞したコロッケ、デニムソフトと呼ばれる藍色のアイスなど食べ歩きのしやすい食べ物が多くあり、旅の醍醐味である「食べ歩き」も楽しむことができる。
ジャパニーズ・ジーンズの聖地:児島ジーンズストリート
児島ジーンズストリートにて撮影。巨大ジーンズがジーンズストリートの目印。 2つ目の目的地である「児島ジーンズストリート(以下、ジーンズストリート)」。倉敷駅からは電車とバスで約1時間。
児島は明治時代から繊維産業が有名あり、1960年代に国内最初のジーンズ生産を行った場所で、いわば「日本ジーンズの聖地」である。
「Made in Japan」が世界から愛されているのと同様に、「岡山ジーンズ」も世界から注目されていて、「JAPAN BLUE JEANS」などジーンズストリートの中にも海外に店舗をもつショップもある。
児島は、世界中のジーニストから「憧れの場所」とされているのだ。
お目当ては「リゾットジーンズ」
実際に購入したジーンズ。一回も洗っていないジーンズは生地がバリバリで硬い。 今回、ジーンズストリートには「リゾットジーンズ」を買いに来た。リゾットジーンズは、生デニムやノンウォッシュとも呼ばれており、生地に洗いがかかっておらず、糊がついているジーンズのこと。
リゾットジーンズは、生地に洗いがかかっていないため、最初はかなり履きづらい。履きづらいリゾットジーンズの魅力は、リゾットジーンズならではの色落ちなど、経年変化を楽しむことができる点である。リゾットジーンズは「育てるジーンズ」とも言え、多くのジーンズ好きを魅了している。
結局、児島ジーンズというお店でリゾットジーンズを購入し、履きづらさに悪戦苦闘しつつも、絶賛ヘビーローテーションしている。
「ネイビー好き」にはもってこいだった!
出典:www.instagram.com ジーンズは色としてインディゴが多い。そのため、ジーンズストリートで手に入るアイテムは基本的にインディゴ、ネイビー、藍色といった色合いが多い。
ネイビー好きの私にはもってこいのアイテムが多かった。特にBLUE WALLというお店が魅力的で、価格帯も比較的リーズナブルであった。
人気のアイテムがSMOCKと呼ばれる作業着風のトップス。ゆるいシルエットとインディゴの風合いがマッチして、いい味を出している。ジーンズが目的ということを忘れ思わず購入してしまい、リゾットジーンズともにヘビロテ中である。
旅の疲れはご当地グルメで回復
まさに「ご当地」グルメ:デミカツ
名代とんかつ かっぱにて撮影。デミグラスソースの程よい甘みとカツのサクサク感がナイスマッチ! 旅の疲れを取り、旅を楽しむ活力をくれるのがご当地グルメ。そんな岡山のご当地グルメ「デミカツ」を紹介していこうと思う。
かつ丼は卵でとじているものが一般的である。しかし、岡山のかつ丼はデミグラスソースでとじられていて、デミグラスソースの「デミ」をとってデミカツと呼ばれている。
そんなデミカツを求めて、美観地区から徒歩10分ほどの倉敷えびす通商店街にある「名代とんかつ かっぱ」を訪ねた。
デミカツはデミグラスソースの程よい甘みのある香りと共に登場。普段ハンバーグでしか味わうことのないデミグラスソースは、ご飯との相性がバツグン。たっぷりデミグラスソースがかかっているのに、とんかつのサクサク感が残っている。
たくさんの人をやみつきにする食べ物だと感じ、また食べに来たいと思わせる。まさに「ご当地」グルメだと感じさせられた。
聞くところによると、デミカツはお店によって「デミカツ丼」という丼モノとして扱ったりしているお店もあるらしく、味も異なるらしい。岡山にまた来て、違うお店で食べたいと思う限りである。
名代とんかつ かっぱ (倉敷/とんかつ)
名代とんかつ かっぱ (倉敷/とんかつ)★★★☆☆3.58 ■予算(夜):¥1,000~¥1,999
地ビール「独歩」と岡山の果実酒
どちらもサクッと飲めるお酒で、お酒の苦手な人も軽く飲める。 せっかく岡山まで来たのだからご当地のお酒が飲みたいと思っていた。そこで美観地区の酒屋に入り、「独歩」という岡山の地ビールと岡山県産の桃を使った発泡酒である「ピーチピルス」を購入した。
独歩はビール独特の苦みを感じさせず、ビールが苦手な人でも飲みやすいビールであるという印象。330mlのビンをあっという間に飲み干してしまった。
ピーチピルスは、岡山県産の桃を使った発泡酒。桃太郎の生まれ故郷だけあり、桃に触れておかなくては、という焦りから買ってみた。
ピーチピルスはカクテルのように甘すぎず、酎ハイほどキレすぎていない程よい甘さのお酒で、これまたサクッと飲めてしまうお酒であった。
どちらの銘柄もくせがなく、飲みやすさはバツグンのお酒であった。普段あまりお酒を飲まない人も抵抗なく飲めるお酒で、「都内にもあれば…」と思わされるご当地酒であった。
古民家に泊まろう!
有鄰庵で撮影。築100年の歴史を感じさせる木の重厚感。どんな一泊になるかワクワクする構え。 旅を振り返ってみると一番印象深かったのが古民家での宿泊であった。倉敷という歴史ある街なのだから、ホテルより古民家に泊まりたいという思いがあった。そこで宿泊したのが築100年の古民家を使い、ゲストハウスを営業している有鄰庵。
有鄰庵は、11時〜18時まではカフェをやっており、夜はゲストハウスになる2つの顔を持つゲストハウス。ドミトリーは一泊3,780円(12月〜2月は暖房費としてプラス100円)で止まることができる。
有鄰庵で特徴的なのは18:30から「くるま座」と呼ばれる宿泊者の顔合わせが行われること。実際に、くるま座に参加すると観光で訪れたドイツ人、バイクで旅をしている農家の男性、ゼミの仲間できている大学生4人組、受験を終え一人旅中の高校3年生など様々な人との出会いがあった。その出会いがかなり印象的で刺激的だった。
雑穀の力で美人になれる!:美人うどん
実際に食べた美人うどんを撮影。コシのあるうどんは鍋の締めにもってこい! 有鄰庵では「おかめしっ!ゆうりんマンデー」というイベントがある。これは、月曜日は宿泊者の中で希望した人でご当地ご飯を作って食べようというイベント。私が泊まった日は「美人うどん」を締めとした鍋を食べた。(その日は1,000円で鍋から締めまで食べることができた。)
美人うどんは、雑穀が練りこんであるうどん。雑穀の力で肌がキレイになるということから美人うどんと呼ばれている。
宿泊する人と有鄰庵のスタッフで鍋を囲んでいると、今日会った人とは思えないぐらい会話も弾む。旅をしていると、人に出会うことの楽しさに気づける。
食後もみんなでお酒を飲みながら会話をし続け、楽しい一晩になった。
朝から岡山ご当地グルメの「卵かけ御飯」
実際に食べた卵かけ御飯を撮影。黄ニラしょうゆが卵との相性バツグン! 有鄰庵では朝ごはんに卵かけ御飯を提供している。有鄰庵の卵かけ御飯はこだわりが強い。岡山の高級食材の黄ニラを使った有鄰庵オリジナルの黄ニラしょうゆ、岡山県産のお米、卵を使っているというこだわりぶり。
この卵かけ御飯は朝ごはんなのに何杯でもいける美味しさで、普段食べている卵かけ御飯とは別物と考えるべきものであった。
朝からこんなに美味しいものを食べている岡山県民は元気に仕事に行けるのだろうなと舌で感じた。
綺麗な町並みあり、ジーンズの聖地での買い物あり、出会いあり、美味しいグルメありの倉敷。今回、初めての岡山県であったが倉敷の良さにぞっこんになってしまった。
多くの訪日外国人が訪れる東京、京都、富士山。ディープな日本を知らない外国人には、「倉敷は穴場だぞ」と勧めたくなるような旅であった。
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