数多ある怪獣映画の中で燦然と輝く先駆的作品と言えば、1933年に製作された「キング・コング」であることに疑う余地はない。
その後に続くリメイク作品は、ほぼすべて、文明に翻弄される“キング・オブ・モンスター”の怒りと哀しみを描いてきた。
では、今、この時代にコングを蘇らせるとしたら、どんな設定が相応しいのか? 思いを巡らせたハリウッドが、またも怪物の降誕を告げる。それが「キングコング 髑髏島の巨神」だ!!
ベトナム戦争が終結した年に謎の島が出現?
最新作の舞台は1973年。ベトナム戦争が終結したその年に、ベトナムで戦った軍人、学者、カメラマンからなる調査隊が、NASAが開発した地球資源探査衛星、コンドサットによって発見された太平洋上の孤島、スカル・アイランド=髑髏島にヘリコプターで着陸するところから、おぞましい物語は始まる。
悪天候の中、島に着陸した調査隊が目の当たりにしたのは、あちこちに散らばる骸骨や、岸壁に残された巨大な手跡。やがて、彼らの前に巨大な影、コングがそびえ立った!
フレーム・アニメによるコング映像
これまでも、各時代の最新鋭技術が投入され、ビジュアル化されて来たコングだが、最新版は過去のどのコングとも微妙に異なるルックで観客を魅了する。
ハリウッド屈指の視覚効果工房、インダストリアル・ライト&アンド・マジックが制作に1年半以上を費やし、実体化したのは、昨今主流になっている特定の俳優によるパフォーマンス・キャプチャーではなく、伝統的なフレーム・アニメーションに基づくコング像。ILMはまず基本となる骨格をアニメ化した後、さらに筋肉の動きや、皮膚の動きに連動してそばだつ体毛の流れをシュミレートしていった。
その怒号は実在しないデシベルレベル
結果、最新コングは長く孤島でのサバイバルに耐えてきたモンスター独特の屈強な広背筋や大臀筋を保持していて、恐らく、史上最もマッチョな怪獣として、逞しく、そして自由にスクリーン上を躍動する。
また、本作のメガホンを託された新鋭監督、ジョーダン・ボート=ロバーツは、音響編集&デザインの第一人者、アル・ネルソンにコングの身も氷るような悲痛な唸り声や雄叫びを作り出すよう指示。
それを受けたネルソンと彼のチームは、フロリダ州オーランドにあるディズニーのアニマル・キングダムで収録したライオンの雄叫びを、北カリフォルニアのスカイウォーカー・サウンドに持ち込み、5.1チャンネルシステムを通して再生。こうして、自然界には存在しないデシベルレベルの怒号が実現した。
コングの唸り声をどこよりもリアルに体感したいなら、映画公開日の3月25日から4月7日まで、東京・有楽町の丸の内ピカデリー3限定で開催される「丸の内ピカデリー爆音映画祭」がお薦めだ。同館では、ライブコンサート向けの大規模、高品質の音響機器をセッティングし、劇場全体を髑髏島に変えて怪獣マニアの来館に備えている。
そして戦いはキングコングVSゴジラへ!!
主演はオスカー女優、ブリー・ラーソン(左)とトム・ヒドルストン(右)。 髑髏島にはコングの他にも、体調4〜30メートル弱の巨大ヘビ、スカル・クローラーを始め、巨大クモのパンブー・スパイダー、体調13メートルのスカル・バッファロー、巨大クラーケン、リバー・デビル、最大15メートルまで成長する進化形ナナフシ、ウォーキング・ウッドなど、強者たちがコングと絡み合う。
製作と配給を担当するのは「GODZILLA ゴジラ」(14)でコラボしたレジェンダリー・エンターテインメントと東宝、そしてワーナー・ブラザースで、本作「髑髏島」は3社が展開するメディアフランチャイズ"モンスターユニバース"の第2作目。
2019年には3作目の「GODZILLA:KING OF MONSTERS」さらに、オリンピックイヤーの2020年には本命対決「GODZILLA VS. KONG」が控えている!!
【作品情報】
「キングコング:髑髏島の巨神」
2017年3月25日(土)、丸の内ピカデリー・新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
©︎2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED
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