今回取り上げたのは、「起業や会社の幹部として働く方が、能力のない上司などに頭を下げる必要もなく、かつやりがいがあって自分にはあってると感じるのですが、これを周りの人に話すと『今の貴方にそんな能力も知識もないでしょ? だからまずは企業で経験を積んでからでないとまず成功しない』と言われます。周りがそういう人ばかりだと現実を考えたら無理なのかなぁと思ってきてしまいます。この状況を打破する方法がありましたら教えてください」という質問。
ホリエモン「自分で選んだことなら、ブラック労働でも苦じゃなくなるんだよね」
ホリエモンは「できると思うなら、自分でやってみればいいんじゃない? 誰に何を言われようが、自分が正しいと思う道を行く方が後悔しないよ」と回答。
一般企業に就職するより起業の方が自分に向いていると思うものの、周囲にそれを打ち明けると「まずは就職して経験を積んでから」という助言ばかりもらい悩んでいる質問者。
これに対するホリエモンの回答は、「自分が正しいと思うことをやれば?」と単純明快だ。自分には起業が合っていると思うのなら、それを選んだ方が後悔も少なくなるので、とりあえず起業してみることを勧めている。
とはいえ、質問者は就職して上司に頭を下げることを嫌がっているが、起業すればそうした苦労をせずに済むというわけではもちろんない。
今回のゲストで哲学ナビゲーターを名乗り『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』などの著書を持つ原田まりる氏は、起業してから人を使うことが増えるはずなので、それに備えて就職して一度はいろんな人に触れてみるのもアリだと考えているし、ホリエモンチャンネルアシスタントの寺田有希氏も「起業しても営業先で頭を下げることはあるはずなので、結局悩みから解放されないのでは」と話している。
こうした意見を認めながらも、それでもホリエモンはとりあえず起業してみるのもアリだと考えている。その理由は、起業すると仕事が自分ごとになるから。たとえ作業内容が同じでも、それが人に言われて渋々やるか自分から進んでやるかで印象はかなり違う。会社で上司に頭を下げることが耐えられない人でも、自分の会社のためだったら営業先のわがままに従うのも厭わないことだってあるのだ。
ホリエモン「役者なんて、究極のブラック労働だよね」
「人に言われてやる作業は嫌だと思ってしまうけど、自分でやればブラック労働でも充実してると思えるんだよね」というホリエモン。
例えば、味にこだわるラーメン屋は時給換算するととても割りに合った仕事とはいえないが、店主はそんなことを気にせずにひたすら質を追求しているはずだ。
その最たる例が、寺田氏も頑張っている役者業。ホリエモンは「かなり売れている方の役者でも、日本はあまり給料をもらっていないよね」と話す。日本の役者はドラマに出演してもそこまで儲かるわけではなく、CM出演がカギになるのだそうだ。
こうした構造は、役者が個人でエージェントと契約する欧米諸国に対して、日本は所属事務所が力を持っていることがひとつの原因。
とはいえ、こうした状況でも役者志望者が後を絶たないのは、待遇に関係なく純粋に役者という仕事をやりたい人が多いから。これも、好きなことならブラック労働でも頑張ることができる例だといえるだろう。
単純に給料が良いか、作業内容が楽かどうかだけでは個々人にとっての最適な道は決めることができない。人によって得意不得意、許容できることは全く違うからだ。
ひとついえるとすれば、人は自分が選んだと思える道でなければ失敗した時にいつまでも後悔してしまうということ。正しいことなんて、実際にやってみなければわからない。ダメ元でもいいから、現時点で一番自分に合っていると思う道を歩んでみるのが、最良の選択なのかもしれない。
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