「春節」(旧正月:今年は1月27日〜2月2日)といえば爆買いというイメージが強いが、近年では訪日中国人の楽しみ方が変わってきたらしい。
今回は、定番の温泉をはじめとして、買い物だけではない中国人たちの日本の楽しみ方を追っていきたい。
不動の人気“温泉旅館”
日本政府観光局/JNTOによると、日本を訪れる中国人が期待していること5位に「温泉入浴」がある。実際に温泉を訪れた人も61.4%と温泉入浴は中国人の中で定番となっているようだ。日本を訪れた人の入浴平均37.9%を大幅に超える数値であり、中国人の旅行方法として最も多いツアーでも組み込むのが通常パターンとされる。
外国人観光客の入浴方法をめぐり地元住民や他の日本人観光客との間で起こった問題を受け、旅館側でも対策が成されてきた。英語・中国語・韓国語での入浴説明は勿論、外国人観光客向けの旅館も現れたのだ。
「THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA」は外国人観光客をターゲットとした旅館であり、館内で日本全国の文化を体験することができることをテーマとしている。
畳や障子の部屋は通常の旅館と変わらぬ用意がされているが、体験型をテーマにしているので旅館では食事中に敷いてもらう布団を自分達で敷くこともできる。綿あめや金魚すくいなどの遊戯コーナーも充実しており、泊まれるテーマパークといった具合だ。
東京・お台場をはじめとして全国にある「大江戸温泉グループ」も2015年02月12日に米大手投資ファンドのベインキャピタルに買収されたことで、外国人誘致型へと大規模なシフトチェンジを行った。
負債を含め500億円で買収する価値があると見込まれたのは、2020年に開催を控えた東京オリンピックなど訪日外国人が増えることが考慮されたからだろう。
古来から現代まで“日本文化”にふれる
訪日中国人は7・8月にかけてが最も多く、55万人を突破し60万人近い人がやってくる。目的としてはこの時期に行われる日本の「祭」が挙げられ、買い物だけではなく文化を理解したい気持ちが表れている。
外国人に人気の祭りは、青森県のねぶた祭り・京都府の祇園祭・博多どんたく・北海道の雪まつりだ。うち2つは夏季に行われることに加え、この時期は各地で祭りが開催され温泉地などでも小規模な祭りを計画する。提灯がぶらさがり浴衣に身を包んだ人々の中を神輿が揺れながら運ばれる様子は圧巻であり、日本に来たという強い印象を受けるのだろう。
また、スキーも人気がある。温泉とスキーができる山のある観光地は特に人気であり、旅行会社は一石二鳥だと説明をするらしい。
クールジャパンとして知られるようになってからは聖地巡礼も話題を呼んでおり、4.8%の観光客が楽しんでいる。うつろいでいく日本の文化を外国人観光客も最大限に楽しんでいるようだ。
意外な目的“メディカルチェック”
訪日の意外な目的としてメディカルチェック/健康診断や美容整形がある。健康診断をメインにしたメディカル・ツーリズムは富裕層に人気があり、美容整形は美意識の高い同じく富裕層の女性に人気があるようだ。
日本は美容整形専門クリニックのグループもあり、中国よりも安価で安全な整形手術が受けられる。日本の整形技術は世界でも高く評価されており、医療と共に支持され訪日の目的のひとつとなっているようだ。
訪日中国人の目的には様々なものがある。伝統文化からポップカルチャーに医療まで、沢山の楽しみ方がある日本は世界から見ても魅力的な国にうつるのだろう。是非日本の魅力にとりつかれリピーターになって欲しい、と筆者は願っている。
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