今年も花粉の季節がやってくる。日本人の4人に1人が花粉症だといわれている現在、毎年のように悩まされる読者も多いことだろう。今年はピーク時に備え、しっかり対策をしたいところ。
ということで紹介するのは、花粉をほぼ完全にシャットアウトできるという「ダチョウ抗体マスク」。開発者のダチョウへの愛が生んだこの商品は、ほぼ完全に花粉をシャットアウトするという。
感染抑制率は驚きの99.9%
出典: Amazon.co.jp 花粉症に悩んでいる人ならば、外出する際はマスクが必需品になっているという人も多い。だが、そのマスクがどれだけの予防になっているかということは、正直よくわからない。
世界一大きい鳥の「意外な特性」で99%の感染抑制率を実現
感染抑制率99%以上を謳うダチョウ抗体マスクの鍵となるのは名前の通り、ダチョウの抗体だ。実はダチョウの抗体は、ウイルスやバクテリアなどの病原体を不活性化する力が非常に強い。
そんなダチョウの抗体をマスクのフィルターに染み込ませることで、高い感染抑制率を可能にするのだ。
厳しい実験によって、花粉だけでなく、季節性インフルエンザや鳥インフルエンザに対しても99%以上の感染抑制率が実証済み。
ダチョウの抗体の強みは他にも、大量生産できるところにある。使用する抗体は、インフルエンザウイルスなどを注射したダチョウの卵から取り出す。その際に抽出できる抗体は何億個にも及ぶ。
さらに熱にも強いため、これまで困難とされてきた日用品への活用も可能である。
ダチョウ抗体マスクは公式ホームページで購入可能。25枚入りで4,500円(税抜)、50枚入りで7,500円(税抜)と少し高めの価格設定だが、花粉症や感染症に抜群の効果を期待している方なら是非試してほしい。
最強のマスクを生んだのは「ダチョウへの愛」
ダチョウをマスクに活用するという思いもよらぬ視点から製品を開発したのは、京都府立大学大学院 、生命環境科学研究科の塚本康浩教授。塚本教授はダチョウの抗体研究の第一人者でもあり、幼い頃から鳥に強い関心を持っていたという。
愛するダチョウを観察して発見した驚異の生命力
塚本教授は小さい頃からの鳥好き。小学生からスズメやインコ、ニワトリなどあらゆる鳥を飼い始めた。そんな中、ダチョウに出会ったのは小学1年生のとき。一番のお気に入りの鳥になったという。
転機は小学6年生のとき、飼っていた文鳥を自分の不始末で死なせてしまったこと。この出来事がきっかけで獣医を志すようになり、大阪府立大学農学部獣医学科に進学。
ニワトリの研究に没頭していた塚本教授は、成果をあげると自分の好きな鳥、ダチョウを研究しようと思い立つ。当初はダチョウの行動学を研究していたが、驚異的な免疫力に気づき、本格的にダチョウの抗体研究を開始した。
2005年にダチョウの卵から抗体を抽出することに成功し、2008年に抗体の大量生産体制を整えた。
抗体の応用の幅は無限大
ダチョウの抗体の応用は、花粉症やインフルエンザの予防だけにとどまらない。2014年にはエボラ出血熱を不活性化する抗体を大量生産することに成功。
エボラ出血熱は2013年以降、西アフリカを中心に流行した感染症で、致死率は50-90%と最も危険な感染症の一つだ。塚本教授のチームは、エボラウイルスを抗原としてダチョウに投与し、卵から抗体を抽出することを実現。
この抗体を利用したスプレーがシンガポールや香港など海外の空港で販売されている。
ダチョウの抗体が応用できる幅は計り知れない。様々な感染症に迅速なスピードで対応できることを期待されている。
今までにない高い効果を期待できるダチョウ抗体マスク。今後、花粉症やインフルエンザだけでなく、様々な感染症に対応したダチョウの抗体が作られるのかもしれない。
花粉症に悩まされている読者は、ダチョウへの愛が生んだ「最強のマスク」を試してみてはいかがだろうか。
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