アクセサリーメーカーのトリニティが、SIMフリースマホ「NuAns NEO [Reloaded]」を発表した。
同社は、昨年、Windows 10 Mobileを搭載した「NuAns NEO」を発売。コアにカバーを取り付け、さまざまなパターンの着せ替えを楽しめる仕様や、あえて薄型競争から脱却し、厚みを持たせたことなどが話題を集めた。
当時はWindows 10 Mobileにも期待が寄せられており、NuAns NEOは、スマホをテレビなどの画面に出力してPCのように操作できる「Continuum」に国内初対応した製品でもあった。
その後継機となるのが、NuAns NEO [Reloaded]だ。発売は5月、価格はコア部分が税込み4万9,800円を予定する。
「NuAns NEO」の後継機として開発された「[Reloaded]」
後継機ながら、デザインは踏襲。「いいサイズで、デザインの評価も高い。ちょこちょこ変えるのではなく、変えないことが新しいのではないか」(代表取締役社長、星川哲視氏)というのがその理由だ。コアとケースを分離できる仕様はそのままで、NuAns NEO用に発売されたケースは、そのまま流用できる。
一方で、中身は、まさに“別物”。基板から新たに起こし直し、ディスプレイサイズも変わった。ディスプレイサイズは5インチから5.2インチへとサイズアップ。筐体のサイズを変えないために、狭額縁設計を入れ、横幅をキープした。
チップセットも最新のSnapdragon 625に変え、メモリを2GBから3GB、ストレージを16GBから32GBへとそれぞれグレードアップしている。また、IP54の防塵、防滴仕様も施した。
見た目は変えず、中身を刷新した。 さらに、大きな特徴であったWindows 10 Mobileをやめ、OSはスマホで一般的なAndroidになった。OSにはAndroid 7.1を採用し、月例のセキュリティパッチなどにも対応していく方針だ。UIは、NexusシリーズやAndroid Oneシリーズと同じで、“素のAndroid”をそのまま採用する。
星川氏が「別のニーズにとして、Androidがほしいというお客様がたくさんいた」と語っていたように、NuAns NEOの購入意向を示した人の実に95%がAndroidを希望していたという。
Windows 10 Mobileは、PCのWindows 10とアプリを共通化し、Continuumを目玉として据えるなど、新たなコンセプトを提案したOSではあったが、先行するAndroidに比べ、どうしてもアプリの数が少なく、機能も不足していた。
OSには、Android 7.1を採用する。 結果として、グローバルでのシェアも低迷。Android、iPhoneに次ぐ“第3のOS”としては、存在感を発揮できていなかった。持ち前のデザインや、ケースを変えられるコンセプトはそのままに、スペックを上げ、ユーザーからの期待が高かったAndroidに対応したというのが、NuAns NEO [Reloaded]の特徴と言えるだろう。Androidに対応したことで、狙える市場も大きくなりそうだ。
一方で、Androidは開発するメーカーも多く、競争が激化する。NuAnsは「Nuans」と「New Answer」のダブルミーニングを持つブランドであるだけに、Continuumのような、何か新しい提案も必要になる。
こうした期待に応えるべく、トリニティはNuAns NEO [Reloaded]を、おサイフケータイに対応させた。おサイフケータイはキャリアが販売するAndroidでは一般的な機能だが、SIMフリースマホではまだ珍しく、ASUSやファーウェイ、FREETELなどはシェアの大きなメーカーは未対応。ユーザー数が1,000万を超えており、一度使うと手放せない機能なだけに、対応を歓迎するユーザーも少なくなさそうだ。
おサイフケータイに対応。電子マネーなど、各種サービスを利用可能になる。 利用できるサービスは現時点では未定ながら、「基本的には、いわゆるおサイフケータイで使えるサービスは、すべて使えることを目指している」という。
ファーウェイなど、大手SIMフリースマホメーカーもおサイフケータイの開発は表明しているものの、発売時期や対応モデルは明確になっていない。5月発売のNuAns NEO [Reloaded]は、この点で他のSIMフリースマホを一歩リードしたと言えそうだ。
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