ソウル中央地裁は17日未明、韓国サムスン電子の事実上のトップ・李在鎔(イ・ジェヨン)副会長に対する逮捕状を発付した。
昨年、朴槿恵(パク・クネ)氏の親友・崔順実(チェ・スンシル)被告に、430億ウォン(約43億円)の賄賂を贈った容疑がかけられている。
激しい「反財閥」の声:逮捕
by asienspiegel 李容疑者は、サムスングループ内の企業同士の合併や、グループ内での株式持ち合いに関する有利な取り計らいを政権に求めていた。その見返りとして、朴槿恵氏や崔順実被告に贈賄した容疑がかかっている。
棄却された李被告の逮捕状、一転して再請求受け入れ
昨年10月に表面化した朴槿恵氏とその親友・崔順実被告を中心とした一連の政治スキャンダルを調査している特別検察官は、先月も地裁に李被告の逮捕状を請求。逮捕状は1度棄却されたものの、今回の新たな証拠により決定が覆った。
先月の請求理由は「贈賄、横領、偽証」のみであった。今回は「財産国外逃避、犯罪収益隠匿」を加えた5つの容疑がかけられている。
今回判明したのは、当時の価格で数十億ウォンにものぼる馬「ウラジミール」を崔順実被告に贈与し、その痕跡を隠そうとしたことなどだ。
また、再請求の背景には、激しい反財閥の色を見せている世論の存在がある。先月の請求の棄却で世論に火がつき、ソウル市内では李容疑者の逮捕、拘束を要求するデモが相次いだ。
グループのトップ不在という異常事態。サムスングループは苦境を迎えそうだ。
朴槿恵氏の「収賄疑惑」解明に追い風
韓国最大の財閥・サムスングループの事実上トップの逮捕は、世界に衝撃を与えた。一連の政治スキャンダルで政界全体への不信感が高まっている中、サムスングループのような財閥への怒りの声も増している。
また、経済界の中でも今回の逮捕によって韓国経済全体が停滞する恐れを指摘する声は多い。スマホ事業立て直しの最中であるサムスンは、さらなる苦境でその力量が問われている。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう