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フランスシェアNo.2「Wiko」が日本参入! 低価格SIMフリースマホは市場を席巻するか?

石野純也

2017/02/15(最終更新日:2017/02/15)


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 フランスに本拠地を構えるSIMフリーメーカーのWiko(ウイコウ)が、日本に参入する。

 2月25日からネットショップや家電量販店などで、ローエンド端末の「Tommy」を発売。年内には、「もう2、3機種発売する」(Wiko Japan代表取締役社長、前田浩史氏)と、ラインナップを拡大していく方針だ。

ローエンドスマホ「Tommy」を2月25日に発売

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 Wikoは、中国メーカーが出資し、フランスでデザインやマーケティングを行う振興メーカー。大手メーカーと比べると“格安”とも言える価格を打ち出す一方で、端末にポップなカラーリングを施すなど、デザイン性を高め、欧州でシェアが急拡大している。

 おひざ元であるフランスでは、シェア2位をキープ。これは、1位のサムスン電子に次ぐ順位で、フランスではアップルをも超えている。
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地元フランスではシェア2位で、欧州内でのシェアは高い。

 一方で、ここ1、2年は、東南アジアを中心に、海外展開を加速させていた。それに伴い、販売台数も急成長を遂げ、2016年には1,000万台を突破している。

 このWikoが、満を持して日本に上陸したのは、格安スマホの台頭で、SIMフリースマホのパイが大きくなっているからだ。フランスでの成功事例を、変化し始めている日本市場に応用しているとも言えるだろう。

 また、前田氏によると、日本は「ラーニングバリューがある」という。LTEや5Gの技術、インフラでリードしているからこそ、メーカーとして学ぶべきものがあるというわけだ。

 ファーストプロダクトにTommyを選んだ理由は、これが日本市場に耐えうる製品であるためだ。Tommyは、「欧州のキャリアとの話し合いから生まれた」スマートフォン。キャリアモデルということは、当然、品質や通信などに対する要求は高くなる。

 ユーザーの品質に対する目が特に厳しい日本に投入する上で、もっとも手堅いモデルを選んだというわけだ。実際、Tommyはローエンドモデルながら、音声通話をLTE上で行うVoLTEにも対応する予定だという。
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ローエンドながら、VoLTEにも対応する予定だ。

 Wikoが得意とするローエンドモデルは、コストの都合もあってどうしてもスペックや搭載できる機能は限られがちだ。その意味では、デザインやアクセサリーなど、スマホ本体以外の領域で勝負が決まる。WikoがまずローエンドのTommyから投入したのも、この分野なら“勝てる”と踏んだからかもしれない。

 とは言え、日本では、市場の拡大を受け、すでに多くのSIMフリースマートフォンメーカーが参入済みだ。ファーウェイ、ASUS、FREETELなどの大手3社に加え、ZTE、TCL(alcatel)、レノボ(モトローラ)など、幅広い選択肢があり、ローエンドモデルのジャンルもやや飽和状態にある。デザインやマーケティングだけでどこまで差別化できるのかは、未知数だ。
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SIMフリー市場は拡大しているが、一方でメーカーも増えている。

 また、日本はハイエンドマーケットと言われ、機能での差別化も求められる。

 最近ではデュアルカメラを搭載したファーウェイの「P9」や、モジュールを取り外しできるモトローラの「Moto Z」などが注目を集めたが、ブランドを確立する上では、Wikoならではの独自技術も必要になってくるだろう。

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