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欧州レベルの走行性能を確立! 新型「ヴィッツ」の走りを試乗で体感

増谷茂樹

2017/02/15(最終更新日:2017/02/15)


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 これまで世界で700万台超の累計販売台数を記録しているトヨタ自動車の基幹モデルが「ヴィッツ」。その「ヴィッツ」がマイナーチェンジを受け、ハイブリッドモデルが追加された。

 デザインも大きな変更をし、ボディの高剛性化や足回りの改良などマイナーチェンジの枠を超えたパフォーマンス向上を果たしたモデルに試乗することができたので、その実力のほどをお伝えしよう。

燃費34.4km/Lのハイブリッド車を追加

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 新型「ヴィッツ」最大のトピックはハイブリッドモデルが追加されたこと。システムとしては同社の「アクア」と基本的に同じ1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたものだが、燃焼効率の向上や、発電時のエネルギー損失低減を図ったことで燃費は34.4km/Lを実現。
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 この数値は「アクア」の同レベルの車重となるグレードと比べても0.6km/L向上している。最高出力はエンジンが74PS、モーターが61PSでシステム合計としては100PSを発揮する。
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 ガソリンエンジンは1.3Lと1.0Lの2種類のユニットが用意され、最高出力はそれぞれ99PSと69PS。燃費はアイドリングストップ機構を装着した1.3Lモデルで25km/Lとなっている。
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 外観も大きく変更され、フロントフェイスは近年のトヨタ車に多いライト下に大きく広がる開口部を設けたデザインとされ、ワイド感と力強さを強調。リアもテールゲートにコンビネーションランプを装備するレイアウトとなり、前後ライトもLED化された。

ボディ剛性を向上させ走りの性能をアップ

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 もう1点、注力されているのが走行性能の向上だ。サスペンションのショックアブソーバーが改良されているほか、ボディ剛性を高めるためのスポット溶接の増し打ちや、補強材であるガセットやブレースの板厚をアップ。

 こうした剛性が向上することで、コーナーリング時にボディがヨレることが少なくなるので、よりサスペンションの性能を引き出すことにもつながる。これによってより“意のままに動く”走行性能を実現させた。

 また、細かい部分では前後のタイヤハウス内の空気の流れをスムースにすることで、空力性能も向上させている。特にリアはタイヤハウスから空気を抜くための経路を設け、タイヤに干渉する乱流を低減。これはWRC(世界ラリー選手権)に参戦するマシンなどにも採用されている機構だ。

走行性能の向上を実感

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 まず最初に試乗したのは1.3Lのガソリンエンジン車。決して“速い”モデルではないが、ボディがしっかりしていることは1つめの交差点を曲がった時点で感じられる。

 試乗車には走行レーンから逸脱しそうになると警告音が鳴るLKA(レーンキーピングアシスト)が装着されていたが、狭い曲がりくねった道を走った際も警告音が鳴ることはなく、思い通りに操れる走行性能を実感できた。
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 ハイブリッドモデルはリアシート下にバッテリーなどのユニットを搭載しているため、ガソリン車に比べて約100kg重く、走っていてもその重量を感じる。

 ただ、リアのバネレートを最適化するなどハイブリッド専用の足回りにセッティングされているため、ガソリン車よりも落ち着いた挙動に感じられた。走り出しの静粛性なども含めて、街中での乗り心地はハイブリッドモデルのほうが上だろう。
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 両車に共通するのはハンドルを切った分だけ曲がる、アクセルを踏んだ分だけ加速するというドライバーの意図通りに動く走行性能。

 簡単なことのようだが、こうした走りを実現するためにはボディの剛性や足回りのセッティングなど細かい部分の煮詰めが不可欠だ。
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 「ヴィッツ」は「ヤリス」の名称で海外でも販売されており、欧州では最も売れているトヨタ車となる。

 今回のマイナーチェンジも欧州市場からの要請が特に大きかったとのこと。一昔前の国産車は欧州車に比べてボディの剛性などの面で劣っているといわれることも少なくなかったが、今回の試乗でそれは過去のものに感じられた。
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 トヨタは今シーズンより18年ぶりにWRCに参戦を開始したが、参戦マシンに選ばれたのは「ヤリス」。これまでに2戦を消化し、1戦目のラリー・モンテカルロでは2位に、2戦目のラリー・スウェーデンでは早くも優勝を遂げている。

 WRC参戦マシンは市販車とは別物のレベルに仕上がっているとはいえ、ベース車両としての性能の確かさを証明しているといえる。

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