ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「読書は面倒!?」〜vol.770〜』では、ホリエモンが最近普及してきた本の要約サービスと読書の関係を話した。
今回取り上げたのは、「本を読むのって面倒くさくないですか? テレビ番組が5分で終わる内容を60分に引き伸ばしているように、無駄に長い本も多いと思います。そこで、本の内容をスライド5枚に要約するサービスはどうかなと思いました(文章での要約サイトはありますが、スライドの方がより時間短縮になるかと)。
スライド見て買わなくなる人もいそうですが、それを見たことがきっかけで買う人も増えると思います。質問は、どうやってマネタイズするかです。出版社やAmazonに売り込んで広告用に作るか、ブログでアフィリエイトやるか、あるいは有料読者サービスとして展開するか……など。ご意見いただければ幸いです」という質問。
ホリエモン「本を買う目的は、インテリぶるため!」
ホリエモンは、「すでに日本には『flier(フライヤー)』という本の要約サービスがあるけど、マネタイズはアフィリエイトやある一定以上の要約を読んだら課金するというモデルで、法人向け社員の福利厚生で売れているみたい。
本の場合はインテリぶりたいので、特に紙の本が売れるようだね。買っただけではアレなので、要約くらいは読んでおこう的な流れかと。さすがにスライド5枚は厳しいかもしれないけど……」と回答。
本の内容をスライド5枚で要約するサービスを作りたいという質問者。類似サービスのflierも人気があるため、十分需要はあるとホリエモンは推測する。
なぜ本の要約サービスが必要とされるのか? 多くの人はたとえ本を購入したとしても、中身をほとんど読まないからだ。ホリエモンは、本を購入する目的のほとんどは内容の理解ではなく単にインテリぶるためだと考えている。そのためか、電子化が進む現代でも未だに電子書籍は今ひとつ普及が進んでいない。
今回のゲストで哲学ナビゲーターを名乗る原田まりる氏の著書『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』も、主要な哲学を要約・解説する本田が、ホリエモンはこれも電子書籍よりは紙で売れるだろうと推測。哲学のような難しそうなジャンルは、特にインテリっぽさをアピールできるからだ。
ホリエモン「結局、多くの人は本を読んでいないんだよね」
実は、海外にもflierと同内容の「getAbstract」というサービスがあり、幅広い国で人気を博している。このように世界規模で需要が高い本の要約サービスだが、ホリエモンも最初はflierに自著の要約許可を求められた時、自著の売り上げ低下を心配したそうだ。
ところが、flier社の説明を聞いて理解が一変。本の要約サービスをきっかけに書籍を購入する人もいる上に、そもそもすでに書籍を所持している人が要約サービスをチェックするのだ。つまり、書籍要約サービスは、本を購入したもののきちんと中身を読まない人がとりあえず要約だけでも知っておくために利用されている。
「結局、多くの人は本を積ん読しているだけで、実際に読んでいないんだよね」とホリエモン。例えば、200万部のベストセラーになった又吉直樹氏の『火花』も、実際に通読したのは30〜40万人程度だろうとホリエモンは推測する。それ以外の人はカッコつけるために書籍を購入するものの実際に中身を通読せず、話題に乗り遅れないために要約サービスで大体の中身だけ把握しているというのだ。
だから、flierに要約されたら本が売れなくなるというホリエモンの心配は杞憂に終わったのだという。結局本を購入する目的の多くは証拠としてSNSに表紙をアップするためであり、多くの人は内容を読み込んではいないというのがホリエモンの持論。そのため、スライド5枚という圧縮率が妥当かは別として、質問者が考えるような本の要約サービスはまだま需要がありそう。効率的な知識の吸収が求められる現代では、情報をわかりやすく噛み砕くだけでも、十分ビジネスになりうるのだ。
ホリエモンが読書について語った『堀江貴文のQ&A「読書は面倒!?」〜vol.770〜』。動画が観たい方はコチラからどうぞ!
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