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「ディベートが優秀な人はビジネスもできますか?」ホリエモンが考えるディベートの真髄とは

野口直希

2017/02/18(最終更新日:2017/02/18)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「ホリエモン流ディベート論!?」〜vol.769〜』では、ホリエモンが考えるビジネスの有用性と、ビジネスとの関係を語った。
 
 今回取り上げたのは、「ディベートをやっているのですが、自分が考えられないような精緻な論理を考えられるような強い人が、自分の将来に関しては普通にどこかに就職できればいいと考えていることに驚きます。その能力(ディベートの情報集めや論理の構築)を自分の将来設計に活かせばいいと思うのです。堀江さんは自分の論理力に自信がおありですか?  私は言葉の論理には限界があると思うのですが、会社の経営には人を論破するようなことは必要なのでしょうか?」という質問。

ホリエモン「ディベートで大切なのは、相手の立場になって物事を考えること」

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 ホリエモンは、「まあ、ディベートは論破することが大事なわけじゃなくて、色々な立場の人たちの意見を複合的に知ることができることが大事。そういう能力はあった方がいいよね」と回答。

 ディベートの力と会社の経営力の関係を尋ねた今回の質問。質問者はディベートに強い人=緻密な論理力を持つ人だと考えているが、ホリエモンによればディベートで重要なのは単に相手を論破することではない。単に弁がたつだけでは、ディベートの恩恵を十分に享受できているとはいえないのだ。
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 ディベートの特徴は、自分の主張に関係なく賛成/反対の立場になって物事を考えなければならないこと。例えば普段から原発に反対する立場をとっている人でも、ディベートでは賛成側として意見を主張することが求められる。これによって自分と反対の立場の人の考えを知ることができるのが、ディベートの最大のメリットだとホリエモンはいう。

 特にSNS時代は自分に近いスタンスの情報収集ばかりが目につきやすくなり、相対的に自分に敵対するスタンスの情報は耳に入りにくくなった。そんな時勢に相手の立場で情報を収集し、ロジックを構築するよう迫られるディベートは、普段なかなか接することのない情報に触れるチャンスだ。そして、こうした相手の立場を考えられる能力は、きっとビジネスでも役立つとホリエモンはアドバイスする。

言葉で表現できたとしても、実行できるとは限らないのがビジネス

 一方で、ディベートが得意な人が必ずしもビジネス面でも優秀だとは限らない。今回のゲストで株の投資がスマホで簡単にできるアプリ「One Tap BUY」を運営している株式会社One Tap BUYの代表取締役CEO 林和人氏は、ディベート上の論理と現実は異なる部分があることに注意を促している。
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 言葉では明快に表現できていたとしても、それと同様の行動ができるかは話が別。まさに「言うは易く行うは難し」な面がビジネスには存在している。論理上では無理やりわかりやすい結論までこぎつけることができるが、現実世界ではそう簡単に白黒はっきりした結果を手に入れることはできないだろう。

 これは林氏が専門としている金融の世界でも同様だ。金融市場には株価や指標といった数字と現実が一致するという暗黙の前提が存在している。だからあらゆる取引が成立するのだが、実際には両者の間にはしばしばズレがある。

 このように考えると、質問者がいうような論理構成力の高さだけでは、必ずしもビジネスは成功しない。精緻なロジックは当然として、それがうまくいかない状況に対処する力が現実では元ホリエモンがいう「相手の立場になって考える」とは、ある意味ではこのズレを認識した上でどう行動するかを考えるための能力なのかもしれない。自分と全く違ったロジックで思考する人やロジックだけではどうにもならない現実に対処するのも、ビジネスの重要な一面なのだ。

 ホリエモンがビジネスとディベートの関係性を語った『堀江貴文のQ&A「ホリエモン流ディベート論!?」〜vol.769〜』。動画が見たい方はコチラからどうぞ!

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