Twitterが悪質なユーザーへの対策として新たに3つの対策機能を実装する。その手軽さゆえか、心無いユーザーや悪意あるユーザーが後を絶たず、度々対応に追われてきたTwitter。今回新たにどんな手段を講じたのか。
新たな3つの悪質ユーザー対策
出典:blog.twitter.com嫌がらせアカウント作成の阻止
誹謗・中傷や嫌がらせなど、利用規約に違反したアカウントが停止や永久凍結を受けることは言うに及ばない。詳細なシステムの説明はされていないが、アカウントの凍結を受けたユーザーが新たにアカウントを作るようなケースを特定・識別できるようにし、未然に防止する。
セーフサーチ
ツイート検索の結果から、ブロックしたアカウントのツイートや「センシティブなコンテンツ」を除外して表示する機能だ。敢えてこういったツイートを探したい場合は見ることも可能となる。
嫌がらせ・質の低いツイートの表示抑制
嫌がらせや関連度の低いようなリプライを識別し、隠れた状態で下にまとめてしまうサービスだ。
関連度の高い有用なツイートは見えやすい位置に配置される。セーフサーチ同様、非表示にされたツイートを見たい場合は見ることができる。
この機能は今後数週間のうちに実装されるとのことだ。
嫌がらせへの対処と快適さ:悪質ユーザー対策のこれまで
これまでもその書き込みの手軽さゆえに悪質なユーザーがはびこってきたTwitterは、そのたびに対応を重ねてきた。
Twitterでの嫌がらせが社会問題に
ここ数年で話題となった事件といえば、俳優のロビン・ウィリアムズの娘ゼルダに対する嫌がらせ。2014年8月に他界したロビンだったが、その後娘ゼルダのTwitterに複数の悪質な嫌がらせメッセージや画像が送られたのだ。
こうした倫理・道徳を欠いた卑劣な事件が社会問題となったのを受け、2014年12月、2015年3月と相次いで「Twitterルール」の改定が行われた。
写っている本人の同意のない写真や動画投稿の禁止が追加され、いわゆるリベンジポルノ対策として話題を呼んだ。
アカウント停止:更なる処置
by Uncalno 2015年4月には違反に対する取り締まりが強化され、ユーザーの報告に基づいてTwitterが悪質なアカウントを停止する権限をもった。
また「コンテンツフィルター」と呼ばれる、嫌がらせと判断したツイートをタイムラインに表示させなくする機能のテストも開始。
2015年12月には、人種・性的マイノリティへのヘイトや、テロ告知などの脅迫ツイートと、アカウントの停止や永久凍結をもって制する禁止事項がより詳細化した。
凍結がある程度効果的であることが明らかになったこのタイミングで、悪質なユーザーによる複数アカウントの運用の禁止も盛り込まれたのだ。
こうしてみると、「嫌がらせを行うアカウントの阻止」などは、禁止事項の形で以前から試みてきたことがわかる。今回の対策では、嫌がらせを行ったユーザーを特定し、アカウントの開設ができなくするという、より実力行使的な形となった。
より快適なSNS環境に
また2014年5月導入の「ミュート機能」や2016年8月の「クオリティフィルター機能」(自動生成されたツイートや何度も繰り返されているツイートなど、アルゴリズムによって低クオリティと判断したものを表示しなくなる機能)のような、ユーザーにとっての使いやすさ・快適さといった観点からの改善もなされてきた。
攻撃的かどうかだけではなく、多くのユーザーにとって不快かどうかという判断基準も重要視されているようだ。
世界に3億人のユーザー数を誇るTwitterは、短文投稿型SNS、匿名での投稿が可能という性格からか、後先を省みない無神経・無責任な発言の温床になりがちだ。炎上が日常茶飯事となっている日本国内にだけ目を向けても肌で感じられる。
システム云々以前に、このツールとどのようにうまく付き合っていくか、ユーザーとして考える必要がある。
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