国内スマホ市場において、2016年のキーワードを挙げるとすれば「ダブルレンズ」は外せない。中でも注目は、HUAWEI(ファーウェイ)が同年6月に発売した「P9」だろう。
ライカと共同開発したダブルレンズを搭載し、撮影後にピントを調整できる機能が使える。同機は口コミを元に、SIMフリー市場でじわじわと人気を得た。
同社が昨年12月に発売した5.9インチモデル「Mate 9」は実質的にP9の後継機に相当する。ライカブランドのダブルレンズを搭載。光学手ブレ補正もサポートし、P9の弱点であった動画撮影のクオリティも改善している。2017年注目の機種であることは間違いない。
今回はMate 9のカメラに焦点を当て、実際にどんな写真を撮影できるのか、検証してみた。注目機能は「ワイドアパーチャ」と「インパクト」フィルタの2つだ。
ボカシが自在な「ワイドアパーチャ」機能
HUAWEIのスマホのカメラと言えば、「ワイドアパーチャ」機能が象徴的だ。これは撮影後に写真の焦点やボカシを変更できる機能。この機能をオンにしておけば、一眼カメラで撮影したような、味のある写真を撮れる。
使い方は2ステップある。まずは、カメラアプリを起動し、「絞り」のようなマークをタップして「ワイドアパーチャ」をオンにする。この状態で撮影を行おう。
続いて、「ギャラリー」アプリで写真を表示し、同じくワイドアパーチャのアイコンをタップ。画面をタップしてピントの位置を指定し、上下にスワイプして被写界深度を調整する。
値はF0.95~F16まで調整可能。小さくすれば背景がぼけ、大きくすれば背景もハッキリと映る。
ワイドアパーチャ機能を使った作例
ただし、ワイドアパーチャはソフトウェア的な処理であるため、境界が微妙な場合には、失敗するケースもある。下記写真を見ると、ボカシに違和感を感じるだろう。
ワイドアパーチャが上手く機能しなかった例
モノクロな世界観が楽しめる「インパクト」フィルタ
実は、Mate 9のカメラはフィルタも面白い。撮影時リアルタイムに効果を適用できる。中でも筆者のおすすめは「インパクト」フィルタ。手軽にモノクロの世界観が出せるため、素人でも味のある写真が撮りやすい。狙い目は夕刻以降や薄暗い場所だ。
一点、ワイドアパーチャとフィルタ機能は同時に使えないので注意しよう。
インパクトフィルタを使った作例
Mate 9のカメラは、片方が2,000万画素のモノクロセンサー、もう片方が1,200万画素のRGBセンサーとなっている。前者が繊細なディティールを捉え、後者が色彩をキャプチャーする仕組みだ。また、高性能なCPU(Antutu Benchmarkスコアは約130,000)を搭載するので、処理の重い動画編集をサクサクこなせる。
Mate 9の実勢価格は6万円前後。「格安スマホ」と呼ぶには相応しくない、高性能なSIMフリースマホだ。格安SIMで長く運用する前提ならば、ぜひ検討したい一台である。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう