本国フランスで販売台数No.1を記録した人気車種がルノー「ルーテシア」。
その「ルーテシア」がマイナーチェンジを果たし、国内でも2月9日から販売開始される。いち早く新型に試乗することができたので、その人気の理由を探ってみた。
1.2LターボとEDCで小気味良い加速を実現
「ルーテシア」Bセグメントと呼ばれるコンパクトカーに属する車種で、国産車でいえば「ヴィッツ」や「デミオ」などに当たる。
しかし、過去にはF1チームの「ウイリアムズ」の名を冠したスポーツバージョンをリリースし、現在もルノー・スポール(ルノーのレース手掛ける部門)を意味する「R.S.」というスポーティグレードを用意するなど、スポーティなイメージを売りにしているモデルだ。試乗でも、その素性の良さを感じさせる走行性能を味わうことができた。
搭載されるエンジンは1.2Lのターボ。最近流行りのダウンサイジングターボと呼ばれるエンジン。最高出力は118PSと特筆するほどパワフルではないが、気持ち良く高回転まで回る。ダウンサイジングターボエンジンにありがちな低回転のトルクはあるが上は回らないというネガは全くない。
組み合わせられるトランスミッションは特にヨーロッパで人気の高いデュアルクラッチAT(ルノーでは「EDC」と呼ぶ)。偶数ギア用と奇数ギア用の2枚のクラッチを用意することで素早く、動力のロスがない変速を可能にするシステムだ。6速のATだが変速レバーを左に倒すと、マニュアルモードで変速することもできる。
よく動くがしっかりと踏ん張る足回り
ATモードで街中を走っている分には、乗り味はいたって普通。足回りやシャーシがしっかりしていることは伝わってくるが、特に硬いと感じることはない。
フランス本国でよく売れているコンパクトカーだけあって、買い物などの足に使ってもストレスは皆無だ。
しかし、シフトをマニュアルモードに切り替えて、エンジンを上まで使って加速する走りに切り替えるとキャラクターが激変。
レッドゾーンの手前、6,000回転くらいまで気持ち良く回る。そこから少し強めにブレーキをかけ、コーナーに入るとサスペンションがギュッと縮んでタイヤが強力に路面に押し付けられている感覚が伝わってくる。そして外側のタイヤが踏ん張り、ステアリングを切った分だけスパッと向きが変わるのが面白い。
よくフランス車の足回りは“ネコ足”と呼ばれ、低速からよく動くが、速度が乗ってくると動きながらもしっかりと踏ん張る感覚は、確かにその例えがしっくりくる。
スピードは決して速くないが、操っている感覚はスポーツカーに近い。走りの素性の良さが感じられる。
ユーティリティにも余裕がある
今回のマイナーチェンジで変更されたのは主にデザイン。ヘッドライトがフルLED化され、スモールランプは「C」の字を描くシェイプとなった。バンパー形状も変更され、ワイド感を強調するデザインとなっている。
インテリアはダッシュボードが3色、シートが2色から選べる設定となり、試乗車はブラックだったが下の写真のような情熱的な印象に仕上げることもできる。
ユーティリティスペースには変更はないが、かなり余裕のある作り。深さがあって荷物が積みやすいだけでなく、いざとなったらリアシートを前方に倒すことができるので大きめの荷物も収納可能だ。
普段使いでは乗りやすく、ユーティリティ性にも優れている。それでいて、その気になればスポーティな走りも楽しめる懐の深さ。それがフランス本国でNo.1という支持を集めているポイントだろう。
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