

3年後の東京五輪パラリンピックに向けて国内の飲食店などを全面禁煙にする、禁煙強化案が発表され飲食業界を始め各方面から波紋を呼んでいる。
今回は強化案の概要や懸念される声を取り上げるのと共に、主要国のタバコ・禁煙に対する取り組みを紹介する。
今回は強化案の概要や懸念される声を取り上げるのと共に、主要国のタバコ・禁煙に対する取り組みを紹介する。
厚労省が提案する受動喫煙対策案

受動喫煙防止対策の強化を提言
厚生労働省は、これまでのオリンピック開催国(ロンドンやリオデジャネイロ)と同様に公の場所での禁煙を徹底する考えだ。
東京五輪パラリンピック、さらには2019年にラグビーワールドカップの開催を控えている今、世界的な禁煙強化の流れも踏まえての結果だろう。
日本の受動喫煙防止モデルは、イギリスのようなスモークフリー社会だという。飲食店を始め、各種交通機関・公共施設は、全面禁煙もしくは禁煙室の設置を余儀なくされる。
違反した場合は、罰則を適用すると提言している。しかしこれを受け飲食業界内などで波紋を呼んでいる。
業界内からは難色を示す声も
今年1月12日の集会には全国の飲食店関係者ら、およそ500人が集まり反対の声を訴えた。
飲食店関係者は、禁煙にした店舗の売り上げが大きく落ちた事例があるとし、このことから「下手をすれば倒産するのでは」と一律の規制に難色を示している。
しかしこのような声が出ている中で、早くも大手チェーンのマクドナルドやロイヤルホストなど全面禁煙を開始している企業があるのも事実。加えて、日本の全ての飲食店が一斉に全面禁煙にすれば問題ないのではないかとも感じる。
一部が完全禁煙、一部では喫煙可能となってしまえば、業界内に不和が生まれることは必死。厚労省は足並みを揃えさせるためにも業界団体との慎重な調整作業が必要になる。
主要各国の禁煙対策

今回日本で物議を醸している禁煙強化案。実現は困難と思われるかもしれないが世界的に見てみると、現実味のある提案ということが分かる。
アメリカなどでは、1990年代に早くも州によっては全面禁煙が実施されるようになり、主要国でも現在イギリスやフランスなど全面禁煙になっている国は数多く存在している。
今回の禁煙強化案は、世界的な流れを鑑みれば当然のようにも受け取れる。そこで厚労省によって作成された2012年時点の主要8カ国受動喫煙防止案の施行状況を下記に紹介する。

グラフからも読み取れるように、海外では日本以上に禁煙化が進んでいることが分かる。
さらに今年に入ってからロシアで新たに禁煙対策案が浮上した。9日付けのロシアのイズベスチヤ紙によれば、2015年以降に出生したロシア国民に対し、成人後もタバコを買えないようにする販売禁止措置が提案された。
これが仮に成立すれば、世界各国でさらなる規制強化を助長することとなるだろう。
今回は、今話題の禁煙強化案を世界各国の施行状況も踏まえながら紹介した。もし仮に全面禁煙に踏み切るのであれば、大手企業、中小零細企業関係なく、足並みを揃えて行う必要がありそうだ。
喫煙者からすれば複雑な胸中だろう。吸う人も吸わない人も心地良い世の中にするためにも厚労省の今後の対応に注目だ。
喫煙者からすれば複雑な胸中だろう。吸う人も吸わない人も心地良い世の中にするためにも厚労省の今後の対応に注目だ。
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