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ルノー「カングー」がファンの心を掴む理由は、スタイルに合わせて形を変える“遊びの空間”にあった!

増谷茂樹

2017/01/05(最終更新日:2017/01/05)


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 ルノーの「カングー」といえば、広大なユーティリティスペースを誇り、輸入車の中でも独自の立ち位置を築いているモデル。

 フランス郵便局の配送車をルーツに持つ商用車だが、国産の商用車とは一線を画する優れた乗り心地と、フランス生まれらしいデザイン性の高さでファミリーユーザーからも高い人気を得ている。

自分のスタイルに合わせて形を変える“遊びの空間”

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 2002年に初代モデルが日本に導入された「カングー」は2009年にフルモデルチェンジが行われ、現行モデルが2代目。その間にも細かくマイナーチェンジやスペシャルモデルの追加が行われており、今回試乗したのは「カングー ZEN EDC」と呼ばれるグレードだ。搭載されるエンジンは1.2Lのターボで、それをデュアルクラッチの6速ATミッションと組み合わせる。
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 現地では“遊びの空間”を意味する“LUDOSPACE(ルドスパス)”と呼ばれる「カングー」。その名の通りの広いユーティリティスペースには観音開きのバックドアからアクセスする。リアシートをいかした状態でも十分な広さがあるが、シートを前方に倒すとフラットなスペースが出現。
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 リアからの見た目の通り、床だけでなく開口部も四角いため、大きな荷物も積みやすい。さらに助手席まで前方に倒せば、長さ2.4mの長尺物まで積めてしまうあたりが商用車の面目躍如といったところだ。
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 試しに自転車2台とキャンプ道具などを積み込んでみたが、ホイールサイズの大きなロードバイクとMTBがタイヤを外すことなく乗せられ、その間にキャンプ道具を積んでもまだスペースに余裕がある感じ。

 これだけの空間があれば、趣味や仕事、家族構成などに合わせて様々な使い方ができそう。ライフスタイルに合わせて姿を変えてくれる空間が「カングー」の最大の魅力と言える。
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 ちょっとした小物を収納しておけるラゲッジスペースが豊富なのも、このクルマの特徴。運転席とリアシートの上にはオーバーヘッドコンソールが装備されており、子連れの家庭ならオモチャなどを収納可能だ。
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 幅が1,830mmと広いため、リアシートには大人3人が楽に腰掛けられ、足元やヘッドスペースも十分な余裕がある。

商用車ながら高い走行性能も魅力

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 これだけの室内空間を誇りながら、運転して楽しい走行性能を確保しているのも人気のポイント。ドライバーズシートに腰を下ろすと、一般的なミニバンやSUVとは異なる乗用車的な視線の高さ。重心が低いため、コーナーなどでも安定した走りが味わえる。

 足回りは決して硬いわけではないが、しなやかに動くため、カーブを曲がってもフラフラと落ち着かない感覚は皆無。むしろ、よく動くサスペンションが4つのタイヤをしっかりと路面に押し付けてくれている印象で、ワインディング・ロードも意外なほど楽しめる。

 1,750回転という低回転域で最大トルクを発揮してくれるダウンサイジングターボエンジンは加速性能が優れているので、決して小さくない車体を意のままにスピードに乗せられる。デュアルクラッチのEDCミッションのダイレクトな変速も気持ちいい。
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 販売台数に占めるマニュアルミッション車の比率が高いのも「カングー」のユニークなところ。今回、マニュアル車にも乗ることができたが、シフトフィーリングこそスポーツカーのような気持ち良さはないものの、ダイレクトな加速感はAT車よりも上だ。低速トルクの太いエンジンは、街中でギアを3速に入れっぱなしにするようなずぼらな運転も可能だが、きっちり上まで回して乗ってもそれはそれで楽しめる。

 家族を連れてのオートキャンプなども余裕で楽しめるユーティリティスペースを持ちながら、ドライブする楽しさも併せ持つ不思議な個性を持った「カングー」。国産車はおろか、輸入車を見ても同様の使い方をできるクルマは思いのほか少ない。ライバル不在と言える現状が、「カングー」の人気を支えているのかもしれない。

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