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5つのパートで徹底比較! 2016年最強スマホ決定戦

小竹佑児

2016/12/30(最終更新日:2016/12/30)


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 2016年も残すところあとわずか。今年もモバイル業界では、しのぎを削る競争が繰り広げられ、機能とデザインを極めたスマホが数多く登場した。主要なメーカーのフラッグシップモデルは順当に進化を遂げ、どのモデルを選んでも一定の満足感が得られる状況になっている。

 そうした中でも目立っていたのが、SIMロックがかかっていない、いわゆる“SIMフリースマホ”だ。ファーウェイやASUSなどのアジアメーカーが、格安SIMを提供する「MVNO」向けの製品として、手ごろな価格のSIMフリースマホを日本市場に多数投入した。「スマホにかかる初期費用や運用コストを抑えるには、SIMフリースマホのほうがいいの?」と、どの機種を選ぶべきか迷った人も多いだろう。

 そこで今回は、2016年を代表するスマホを4機種ピックアップし、「パフォーマンス」「ディスプレイ」「カメラ画素数」「多機能性」「コストパフォーマンス」の5つの観点で徹底比較。インフォグラフィックでわかりやすく視覚化することにより、各モデルの特徴を明確にした。

今回エントリーした4機種を紹介

iPhone 7 Plus(2016年9月16日発売)

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 5.5インチの大型ディスプレイを採用するアップル「iPhone」シリーズの最新モデル。

 広角と望遠のレンズを2つ備えるデュアルカメラを採用し、最大2倍の光学ズームと最大10倍のデジタルズーム撮影が可能。シリーズ史上初めて防水性能を備えたことや、アップルが提供する決済サービス「Apple Pay」に対応したことも話題を呼んだ。

Xperia XZ(2016年11月2日発売)

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 ソニーモバイルコミュニケーションズが手掛ける「Xperia」の最新モデルは、2300万画素のCMOSセンサーを補助する2つのセンサーを新たに搭載。

 暗いシーンでも高速AFが可能な「レーザーAFセンサー」と、撮影時の光源を認識し、自動で色味を調整する「RGBC-IRセンサー」が追加された。2年間使っても劣化しにくい長寿命バッテリー備えるのも特徴だ。

Galaxy S7 edge(2016年5月19日発売)

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 ディスプレイの両端がカーブした「デュアルエッジスクリーン」を採用するサムスンのハイエンドモデル。

 最薄部7.7mmのスリムなボディに3600mAhの大容量バッテリーを採用するほか、防水・防塵もサポートする。F値1.7の明るいレンズの搭載や、ピクセルサイズを大型化することにより、薄暗いシーンでも明るく撮れるカメラも注目を集めた。

HUAWEI Mate 9(2016年12月16日発売)

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 SIMフリーモデルを中心に破竹の勢いで日本市場に進出しているファーウェイの最新フラッグシップ。

 今回エントリーした4機種のなかでは最も大きい5.9インチのディスプレイを搭載する。ライカと共同開発した「ダブルレンズカメラ」も進化。1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーで従来よりも高精細な写真が撮れる。

Part.1:パフォーマンスが秀逸なモデルは?

 まずは、各モデルのパフォーマンスを検証しよう。重たい作業をしてもサクサクと動作するかを推測するには、CPUの性能をチェックするのが有効だ。ここでは、スマホの処理能力を測定できるベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」を使用し、4機種の実力を検証した。
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※「AnTuTu Benchmark」で3回連続して計測を行い、その平均値を掲載。

 結果が最も良かったのは、「iPhone 7 Plus」だ。同モデルは、アップルが独自に開発したCPU「A10 Fusionチップ」を採用。他の3機種を凌駕する「163721」という高得点を叩き出した。

 Android勢のトップは「Mate 9」。ファーウェイが独自に開発した高性能CPU「Kirin 960」(オクタコア)を搭載しており、iPhone 7 Plusに次ぐ、「130627」という好記録を残した。

 なお、「オクタコア」とは、CPUの中核部分である「コア」が8つあることを示している。コアが1つのものは「シングルコア」、2つのものは「デュアルコア」、4つのものは「クアッドコア」、6つのものは「ヘキサコア」と呼ばれる。最新のハイエンドモデルは、オクタコアCPUを採用する傾向にある。

Part.2:ディスプレイが美しいモデルは?

 スマホはいまや日常生活に欠かせないツールだ。ちょっとした空き時間は、常にスマホの画面を見つめてなんらかの操作をしているという人も多いだろう。

 そこで重要になってくるのが、ディスプレイのスペックだ。スマホの画面を目にする機会が多いのであれば美しい表示にこだわりたい。

 ディスプレイは、「解像度」が高いほど表示が鮮明になる。今年はハイエンドモデルの多くが、「フルHD(1920×1080ピクセル)」のディスプレイを採用する傾向にあるので、より高精細な表示を求めるのであれば、”フルHD以上”の機種を選ぼう。

 次に、確認しておきたいのが「ppi」だ。これは1インチあたりピクセル数を示す数値。これが高いほど、1インチ四方のなかにピクセルが詰まっていることを意味し、より密度感の濃い表示になる。
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 今回の4機種のなかで、最も高精細なディスプレイを備えているのは「Galaxy S7 edge」だ。他の3機種はフルHDのディスプレイを採用するが、それを超える「クアッドHD(2560×1440ピクセル)」のディスプレイを搭載している。また、ppiも「534」で4機種のなかで唯一、500の大台を突破した。

Part.3:カメラが優秀なモデルは?

 スマホのカメラは、メーカー各社が最も力を注いで強化している機能のひとつだ。今年は、画素数の多さを求めるだけでなく、2つのレンズを備えることで、デジタル一眼レフ顔負けの多彩な表現ができる機種が増えている。

 また、レンズの明るさにこだわる機種も増加。レンズの明るさは「F値」で示され、この数値が低いほど明るい(レンズを通る光が多い)ことを意味する。薄暗いシーンでも簡単に明るい写真を撮影したい場合は、F値が小さいモデルのほうが有利といえる。
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 カメラはどのモデルも最高クラスの性能を備えており、優劣を決めるのが非常に難しいが、今回はライカと共同開発した第2世代の「ダブルレンズカメラ」を搭載する「HUAWEI Mate 9」のメインカメラを評価したい。

 カラー(1200万画素)とモノクロ(2000万画素)の2つの画像センサーを駆使することで、色鮮やかな描写ができるほか、光学式手ブレ補正にも対応するなど、カメラにこだわりがある人も満足できる仕様になっている。クリアな夜景写真が撮れる機能や、美しく背景をぼかせる機能など、スマホカメラの枠を超えた多彩な表現に挑戦することもできる。

 インカメラは1320万画素の高画素を誇る「Xperia XZ」に軍配が上がる。22mmの広角レンズを採用しているので、大人数でセルフィーをしても全員を簡単に構図に収めることができる。手のひらを向けるだけでシャッターが切れる「ハンドシャッター」に対応するのもポイントだ。

 F値が最も小さいのは、「Galaxy S7 edge」だ。画素数だけを見ると、見劣りするような印象を受けるが、このモデルはピクセルサイズを大型化しているのがポイント。これにより受光面積が拡大し、より多くの光を取り込める。夜間や薄暗い室内などでの撮影で大活躍してくれるだろう。数値からは判別しにくいが、その実力は他のモデルに引けを取らない。

Part.4:多彩な機能に対応するモデルは?

 ハードウェアのスペックだけでなく、多彩な機能に対応しているかもチェックしておきたい。海外メーカーのモデルは、防水・防塵やおサイフケータイ、フルセグ/ワンセグといった、日本メーカーが得意とする機能に対応していないことがある。自分が必要とする機能に対応しているかどうか確認しよう。

 また、ロック解除を簡略化したいのであれば、指でボタンに触れるだけでスマートにロックを解除できる指紋センサー対応モデルがおすすめだ。
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 4機種のなかでは、「Xperia XZ」と「Galaxy S7 edge」が、最も豊富な機能に対応する。防水・防塵やおサイフケータイをはじめ、フルセグ/ワンセグの視聴も可能だ。文句なしの“オールインワン”モデルといえるだろう。

 「iPhone 7 Plus」はシリーズ史上初めて、防水・防塵に対応し、独自の決済サービス「Apple Pay」に対応したが、フルセグ/ワンセグには非対応だ。「HUAWEI Mate 9」は、CPUやカメラなどのスペックは高いが、現状ではまだ“日本仕様”ではない。

Part.5:コストパフォーマンスに優れたモデルは?

 なにかと出費がかさむこの時期、スマホにかかる費用はできるだけ抑えたいと思う人もいるだろう。今回は最後に、各モデルの端末代を比較し、コストパフォーマンスに優れたモデルはどれかを明らかにしよう。

 なお、「iPhone 7 Plus」はSIMフリー版の価格、「Xperia XZ」、「Galaxy S7 edge」はドコモ版の実売価格(一括)、「HUAWEI Mate 9」はメーカーの直販価格を記載している。
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 最安は「HUAWEI Mate 9」で、6万5,664円。最も高い「iPhone 7 Plus」の256GBモデル(11万6,424円)と比べると、約5万円も割安だ。防水・防塵、おサイフケータイ、フルセグ/ワンセグなどの機能には非対応だが、逆にこれらの機能がなくてもよいなら、十分にお買い得なモデルといえるだろう。

「iPhone 7 Plus」は最安の32GBモデルでも9万2,664円と、他の3機種より割高。iPhoneブランドにこだわりがなかったり、機能的な死角がないモデルを求めていたりするのであれば、iPhone 7 Plusよりも割安な「Xperia XZ」や「Galaxy S7 edge」を選ぶのも手だ。

 ここまで2016年を代表する4機種を、5つの項目で比較してきた。スペックの数値や各種機能への対応状況などをもとに、各モデルの実力を判定したが、これはあくまでも表面的な評価にすぎない。どのモデルにも数値に現れにくい魅力があり、機能的な差はほとんどないというのが率直な感想だ。

 ただ一点、明確に異なるのは端末の価格だ。アジアメーカーのSIMフリースマホが割安で、iPhoneやGalaxy、Xperiaなどの定番ブランドは、それらと比べるとやや割高な傾向がある。どのモデルを購入するか迷ったら、機能性を検討したうえで「スマホにどのぐらいお金をかけられるか」を考慮するといいだろう。

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