2016年12月12日、京都の清水寺で世相を表す「今年の漢字」が発表され、「金」に決定した。リオオリンピックでの金メダルラッシュ、東京オリンピックの経費に関する問題、初のマイナス金利導入などが理由とされる。
一方で、2016年11月3日、月刊情報誌「日経トレンディ」が「2016年ヒット商品ベスト30」を発表した。本記事ではその中からランキングの多数を占めた「スマートフォン関連商品」に焦点を当て、今年の流行を振り返っていきたい。
1位:ポケモンGO
出典:www.pokemongo.jp 影響は株式市場にまで拡がり、任天堂や、その他ポケモンに関連する企業の株価が上昇した。また、11月には東日本大震災の被災地となった福島県、宮城県、岩手県の沿岸部で復興支援などを目的としたキャンペーンが行われるなど、地方振興への貢献も期待されている。
一方で、ユーザーが画面に夢中になってしまったために立ち入り禁止区域に侵入したり、自動車の運転中にプレイして交通事故を起こしたりといった問題が相次いで発生している。「ポケモンGO」のヒットは、スマートフォンに関するマナーを改めて浮き彫りにしたようだ。
4位:Instagram
出典:www.instagram.com 画像共有をメインにしたSNSアプリの「Instagram(インスタグラム)」は4位にランクインした。2010年10月にサービスを開始し、2012年4月にはFacebook社に10億ドル(約810億円)で買収されたことが大きなニュースとなった。
複数の写真加工用のフィルターがデフォルトで入っており、撮影した写真を容易に編集、投稿することができる。芸能人もさることながら、企業もプロモーション活動でインスタグラムを使用するようになった。
メインのユーザーは20代~30代前半の女性であり、ファッションやトレンドに敏感な女性がインスタグラムのユーザーに多いと推測される。各企業がマーケティングに活用する流れが加速すれば、今後も人気は増していきそうだ。
5位:メルカリ
出典:www.mercari.com フリマアプリの「メルカリ」は5位にランクイン。フリーマーケットのような個人間の売買を仲介するサービスで、会員登録料・月会費・カード手数料が無料。
“エスクロー方式”と呼ばれるシステムにより、個人間で直接お金のやり取りが発生しない。2013年7月の配信・サービス開始から順調にダウンロード数を増やし続け、日米合計で6,000万ダウンロードを突破。また、月間の流通額は100億円超にもなる。
Forbes JAPANが開催する「日本の起業家ランキング2017」では、株式会社メルカリで代表を務める山田進太郎氏が3年連続1位を受賞、殿堂入りを果たしており、彼の今後の活動も注目される。
15位:VR(virtual reality)
出典:www.amazon.co.jp 2016年はVR元年と言われるが、実際に世に出ている商品がまだ少ないためか、ヒット商品のランキングでは15位であった。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが今年10月に「PlayStation VR」を発売し、現在は定価での入手が難しい状況になっている。
スマートフォンを利用し、専用のアプリでVR用の動画をみることができるタイプもあり、こちらは比較的値段も安く、気軽に仮想現実を体験することができる。
VRはゲームのみならず、職業訓練や研究開発など、様々な分野での活用が見込まれており、今後の展開が最も期待される技術の一つであるといっても過言ではないだろう。
28位:ロボホン
出典:robohon.com シャープが今年5月に発売したヒューマノイド型ロボット「ロボホン」が28位にランクインした。世界初の「モバイル型ロボット電話」であり、電話やメール、カメラといった携帯電話の基本機能や、専用アプリケーションで提供される各種サービスを対話しながら使用できる。
様々なアプリが追加されることで「進化」する「ロボホン」は、非常に伸びしろの大きい存在であるといえる。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されるなど、明るい話題の少ないシャープだが、今回のランクインで家電大手の底力を示すことができたのではないだろうか。
「2016年ヒット商品ベスト30」の中で、スマートフォンに関連する商品は5つランクインした。しかもその内の3つがトップ5に入っており、スマホの影響力の大きさがうかがえる。また、SNS上で話題に挙がることがヒットの条件であるとすれば、ヒットする商品には必ずスマホが関わっている、ということもいえそうだ。
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