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労働者より株主が大儲けするのってズルくない? ホリエモン「ベンチャー投資のリスクを理解してる?」

野口直希

2016/12/23(最終更新日:2016/12/23)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「ストックオプションの仕組み!?」〜vol.765〜』では、労働者より株主が多く利益を手にする現在の会社制度に疑問を持つ質問者に、ホリエモンがベンチャー投資のリスクを説明。

 今回取り上げたのは、「従業員と初期投資家を比較した際のリターンの不公平感について質問させてください。現在の株式会社の一般的な成り立ちだと、初期に投資した投資家が多くのキャピタル・ゲインを得る一方で、従業員はインカムのみという場合が多いと思います。

 どうなるかわからない段階で投資するというリスクの見返りだというのは分かるのですが、従業員の方が圧倒的に時間を捧げているのに、成長に際して得られるメリットは限定的となるとどうしても不公平感があります。

 ストック・オプションや持株会などもありますが、初期の投資家の割合と比べると相当少額な印象を受けます。今後、より従業員に還元できるようなシステムが増えていくと良いなと思っており、自分で会社を作るときにはそういう組織にしたいと思うのですが、先例や予測などあれば教えて下さい」という質問。

ホリエモン「ストックオプションを出せばいいんじゃない?」

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  ホリエモンは、「そうしたいなら、ストックオプションを出せばいいだけでは?」と回答。

 時間や労力を費やしている従業員よりも初期に株を買った投資家の方が圧倒的に儲けてしまう現状の株式会社制度に疑問を持つ質問者。ホリエモンはストックオプションを発行すればいいと回答したが、これは従業員が会社の初期段階から株を購入しておける制度のこと。

 これなら、会社が成長するにつれて株の価値が上がるため従業員も株主と同じように利益を享受できる。従業員のモチベーション向上につながる制度だが、株は上場するまで売却できない点に注意。会社を上場させるまで利益を手にすることはできないし、1円も価値のない紙くずになってしまう可能性だってありうるのだ。
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 このように回答したが、ホリエモンは「今回の質問みたいなこと言う人はいるけど、きっと実際に会社経営したら絶対100%持株にする(=ストックオプションを発行しない)と思うよ」と話す。

 今回のゲストで株の投資がスマホで簡単にできるアプリ「One Tap BUY」を運営している株式会社One Tap BUYの代表取締役CEO 林和人氏も言うように、就労取得と株などのような不労所得はそもそも分けて考えなければならない。それぞれ抱えるリスクが全く異なるからだ。

ホリエモン「僕はベンチャー株しか持っていないよ」

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 ホリエモンも株式投資を行なっているが、上場株は全く買っていないらしい。その理由は端的に言って「割が悪いから」。ホリエモンからすれば「上場株に投資して会社の成長を待つよりも、自分で会社を作って成長させる方が楽」なのだそう。

 その延長線上でやっているのが、ベンチャー投資だと言うこともできるだろう。上場株は最高でも10倍程度にしか値上がることはないが、ベンチャー株だと数年後には100倍、1000倍になる可能性だってある。その分、陽の目を見ない可能性もあるが、ホリエモンは自身の経営センスで成功する会社を見極め、設立期に投資をしているというわけだ。

 他にも、先にも触れたがベンチャー投資には流動性がないという欠点がある。上場株は景気や会社の業績が少し変わったと思えばすぐさま売買できるが、ベンチャー株は誰かが引き取ってくれることはない。結果が出るまで数年かかるし、多くの場合はそもそも値段がつくことすらない。
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 こうしたリスクを取れるのは、ひとえに「自分でチャレンジする方が面白いから」とホリエモン。林氏もそうだが、ベンチャー社長の多くは他社の株を買わずに全財産を自分の会社に投資する。ホリエモンも「そういう社長じゃないと信用できないよね」と話す。会社と心中する覚悟で事業に打ち込むから経営者がいるからこそ、社会にインパクトを与えるような会社に成長できるのだ。

 このように就労所得と株での取得、さらに後者の中でも上場株とベンチャー株はどれもお金を得るための手段だがその内実は大きく異なる。華々しい姿ばかりがクローズアップされるベンチャー起業家、あるいはベンチャー投資家だが、その裏では想像も絶するリスクを引き受けているのだ。

  ホリエモンがベンチャー投資のリスクを語った『堀江貴文のQ&A「ストックオプションの仕組み!?」〜vol.765〜』。動画が見たい方はコチラからどうぞ!

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