Cerevoは自転車に装着して走行データを測定し、スマホと連携できるスマート・サイクルデバイス「RIDE-1(ライド・ワン)」を発売した。
同社直販サイトで販売されており、価格は2万4,800円(税別)。12月19日以降に順次出荷を開始する。
複数のセンサーで走行データを測定
RIDE-1は、Cerevoが手掛けるスポーツ用品向けのデバイス「XON(エックスオン)」シリーズの自転車向け製品。9軸、温度、気圧、照度センサーやGPSに対応しており、走行中のルートや速度のほか、自転車の傾きや斜度などのデータを測定できる。
データを取得するだけの従来型サイクルコンピューターとは異なり、スマホやCerevoが提供する専用のクラウドサービス「XON Cloud」と連携することで、走行データをリアルタイムに共有できるのが特徴だ。
測定したデータはリアルタイムで閲覧できる
スマホとの連携にはBluetoothを使用。測定したデータはリアルタイムでスマホに表示できる。無線LAN機能も備えており、RIDE-1単体でも記録したデータをクラウドにアップロードすることも可能だ。アップロードしたデータは、パソコンやスマホのブラウザ、スマホアプリで閲覧できる。
スマホのLTE/3G回線を利用して、走行データをクラウド経由でリアルタイムに共有する機能にも対応。この機能を活用することで、遠隔地からリアルタイムで走行データをモニタリングできる。
現在、走行している場所を家族や友人に伝えたり、伴走するサポートカーなどから、ライダーの現在地や速度、心拍数などの情報を確認したりすることが可能だ。
また、複数の「RIDE-1」をグループ登録して、複数人の走行データを参照する「グループ機能」も備えている。チームで走行する際に、仲間がどのぐらいの距離感で走っているのか、誰が遅れ気味なのかなども確認できる。
「ANT+」対応機器とも連携できる
フィットネス機器の通信規格として普及し、自転車向けの電子機器の多くに採用されている「ANT+(アントプラス)」にも対応。
ANT+に対応した他社製センサー(心拍数センサーやスピードセンサーなど)で取得した情報をRIDE-1に取り込み、それらをクラウド上で記録・閲覧できる機能を備えている。
屋外で使うことが大前提なので、雨天時でも利用できるようIPX5の防水をサポート。バッテリーには内蔵型の充電池を採用し、一度の充電で約15時間利用できる。睡眠時間を考慮すれば、ほぼ丸1日利用できる駆動時間を実現している。
RIDE-1はボトルホルダーを設置する箇所に取り付ける。ボトルホルダーの右側にせり出すかたちになるので、ボトルホルダーはそのまま利用できる。
外形データやステーなどの3D CADデータはオープンソースとして提供予定。RIDE-1が取り付けられない自転車に乗っている場合は、これらのデータを使って自分の自転車のフレームに合う形状に設計し直して、3Dプリンターなどで出力させることも可能だ。
あらゆるスポーツのデータを記録する時代に
「自転車に乗っていることをもっと可視化したい」(岩佐社長)――RIDE-1を開発する狙いをこう語るCerevoの岩佐琢磨社長は、そこに至るまでの経緯をアクションカメラ「GoPro」を例に挙げて解説する。
「GoProが普及する以前は、車に車載カメラを乗せたり、バンパーなどにカメラを取り付けて映像を撮影し、それを誰かと共有したりすることは物好きな人しかしなかったが、小型で防水・防塵に対応するGoProが登場したことで、車やバイク、自転車に乗っているときの映像を簡単に撮って共有できるようになった」(岩佐社長)。
とはいえ、映像を記録して共有するだけでは新鮮味に欠ける。「われわれはセンサーを使って、映像ではないデータを集めてリアルタイムで見られるようにしようと考えた」(岩佐社長)。
「これまでは、さまざまなスポーツのデータを大量に捨てていた。今後はどんなスポーツもどんどんデータが残る時代になる。スポーツを楽しむ人が蓄積したデータを振り返って思い出に浸ったり、スキルアップに使ったりしてほしい」 (岩佐社長)。
「RIDE-1」のスペック
- センサー:9軸センサー(加速度・角速度・地磁気)、温度、気圧、照度
- 無線LAN:IEEE 802.11b/g/n
- Bluetooth:4.1(BLE)
- ANT+:搭載
- GPS:搭載
- 駆動時間:約15時間
- バッテリー充電時間:約3時間
- 防水:IPX5
- 対応アプリ:iOS 9以上(Android対応予定)
- 充電:Micro USB経由
- 付属品:Micro USBケーブル、バイクマウント(S/M)、マウント固定用ネジ(2本)
- 本体サイズ:W145×D32×H23mm
- 重量:約75g
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう