NTTレゾナントが運営する大手ポータルサイト「goo」が、SIMフリースマホの「g07」(ぐーまるなな)を発表した。
使い勝手は抜群? なDSDSスマホ
g07はDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)と呼ばれる機能が特徴で、1台に2枚のSIMカードを挿し、2回線同時に待受けることができる。NTTレゾナントでは、「大手キャリアのSIMと格安SIMの2枚挿して運用することを提案していく」(ポータルサービス部門長・鈴木基久氏)。価格も1万9,800円と安価に抑えた。
DSDSを特徴に据えたのは、「夏ごろから検索ワードとして急に盛り上がってきた」ことが背景にある。gooでは、検索ワードを「世相を反映する鏡として注目している」といい、開発に着手した。
7月にはモトローラが日本で初めて、3GとLTEの同時待受けが可能な「Moto G4 Plus」を発売した。これによって、DSDSというワードがコスト意識の高いユーザーから注目を集めた。そのニーズを反映し、開発したのがg07というわけだ。
2枚のSIMカードで同時に待受けできる「g07」。 2枚のSIMカードを挿すことができれば、大手キャリアの契約を生かしたまま、MVNOのデータ通信を利用することが可能になる。
敷居の高い番号ポータビリティをする必要なく、大手キャリアの通話定額を利用しながら、データ通信料だけをMVNOで節約できる。ほかにも、海外で国内と現地、両方のSIMカードを使ったり、MVNO2回線を組み合わせたりと、さまざまな使い方が考えられる。
SIMカードの設定がしやすいよう、専用アプリも搭載した。 g07の1万9,800円という価格は競合他社の製品と比べても安いが、これは「利益を乗せていない」ため。gooの主力事業はポータルサイトの運営で、端末には各種アプリをプリインストールしている。
スマホはgooにとって「フィジカル(物理的なメディア)」という位置づけ。「サービスに加入いただければ、メディア収入や広告収入が入る。それを値引き原資にしている」というのが、原価ギリギリで端末を提供できる理由だ。
先に挙げたように、データ通信だけをMVNOにすれば、「2年で6万円いくばくかの節約になる」。その浮いたコストの一部でg07を買ってもらいたいというのが、goo側の狙いとなる。
端末は1万9,800円と安く、コスパが高い。 gooでは、「gooのスマホ」として、g07までに6台のスマホを発売してきた。ラインナップの幅は広く、一括7,800円で販売するg06のように、コストを徹底的に追求した端末もあれば、g04のようにおサイフケータイまで使える端末もある。
端末メーカーもそれぞれ異なり、たとえばg01やg02、g03は中国ZTE製。一方で、g04は国産のシャープ製だ。グループ会社でMVNOシェア1位のOCNモバイルONEと連携しているのも、gooのスマホの強みと言えるだろう。
すでにSIMフリースマホメーカーとして知名度のついてきたファーウェイやASUSがこの仕組みに乗るメリットは少ないかもしれないが、日本でポータルサイトとして知名度のあるgooが取り扱うことで、ブランド力のないメーカーにはチャンスが生まれる。
ユーザーにとっては、珍しいスマホが買える上に、端末のコスパも高くメリットがある。SIMフリースマホを選ぶうえで、注目しておいて損はない1社と言えるだろう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう