近しい人が亡くなった場合、誰しも悲しみの思いにかられると同時に、香典や弔電など社会人としてやらなければならないことがたくさん出てきます。
葬式に参列するのはそう何度もあるわけではないので、マナーを詳しく知らない方や、忘れがちな方もいるのではないでしょうか。
いざという時が来た時に慌てないように、葬儀のマナーを確認しておきましょう。
- 通夜でも告別式でもどちらでもOK
- 香典の額は年齢や親密度で変わる
- どうしても参列できないときの対応
葬式に呼ばれたときの「いろは」
葬式に呼ばれると、どうしたらいいのか戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。
予期せぬ訃報に焦ってしまう前に、葬式で必要なマナーを知っておきましょう。
行くべきは通夜?告別式?それとも両方?どれに参加すべきなのか
通夜や告別式・葬儀など案内をもらったときには、どれに参加するべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
近年、通夜は一般的に「葬儀に出席できない人がその代わりに行くもの」とされています。
本来は、通夜は「遺族が故人の冥福を祈る儀式」であり、告別式・葬儀が「弔問客が故人と別れを告げる儀式」でした。本来の意味を考えると一般的な参列者は葬儀・告別式に参加するべきです。
しかし、葬儀・告別式は日中行われ参列するのが難しい場合が多いので、通夜に参列することも一般的になっています。
逆に葬儀・告別式だけに参列することも失礼ではないので、自身の都合に合わせてどちらに参加するか決めて問題ありません。
- 通夜の本来の意味は故人が親しかった人が別れを惜しむ儀式
- 通夜でも告別式・葬儀のどちらに参加してもOK
香典はいくら包めばいいのか
香典の額を決めるのを難しく感じる人も多いのではないでしょうか。少なすぎると相手に失礼になってしまい、多すぎると逆に恐縮させてしまうと不安になっている方もいるでしょう。
一般的には、血縁関係が濃く、自身の年齢が高いほど高く香典を包まなければいけません。また、地方によって習慣が違ったりと決まった基準はありません。
また、自分の身内が亡くなった場合、香典を出すべきか迷う人もいるのではないでしょうか。
配偶者が亡くなった場合は、自身が喪主であるかどうかに拘らず香典を受け取る側となるので、香典を出す必要はありません。
一方で両親や姉妹兄弟の場合は、自らが喪主を務めないのであれば香典を出さなければなりません。
また、親戚が亡くなった場合は、独身であれば親と同一に考えても問題ありませんが、ある程度の社会的地位がある場合は香典を出すのが一般的です。ほとんど付き合いのない親戚の場合は、親が一家を代表して香典を出すこともあるので、相手との関係性によって香典を出す出さないは変わってきます。
下記の表は「冠婚葬祭お金の相場」による香典の相場表です。
勤め先の上司や同僚、その家族が亡くなったときにも、香典は出さなければいけません。この場合も相手との関係性によって、出すか出さないか、いくら包むのか変わってくるが、一応の目安を載せておきます。自分だけで判断できない場合は、同じく参列する予定の同僚や上司に聞いてみてもいいでしょう。
4は「死」、9は「苦」といった言葉を連想させてしまうので避けましょう。前述した通り、これらの額はあくまで目安なので、以前の香典のやりとりや相手との関係性によっていくら包むべきか考えましょう。
- 年齢や相手の立場で金額は変わってくるので目安を参考に
- 最終的には以前の香典のやりとりや相手との関係性によって決まる
通夜や告別式など、葬儀に参加する際の服装のマナー
葬式での服装もまた重要です。
和装が減り洋装が増えたことや、通夜と告別式・葬儀では微妙にルールが違うことがあるなど、葬式での服装のマナーも変わり続けています。
基本的には、喪服を着用するのが一般的です。
喪服はビジネスシーンで使われているブラックスーツと違い光沢が出ないよう仕上げられているので、喪服用のスーツを購入しておくことをおすすめします。
通夜で喪服を着ていると、死を予兆していたようで失礼だとされてきましたが、現在は通夜のみ参加する人が増えたためその境目は微妙になってきています。やむを得ない場合は平服でも構いませんが、準備ができるときは通夜でも喪服がいいでしょう。
他にも服装で注意すべき点がいくつかあります。
殺生を連想させる毛皮が使われたコートなどは厳禁。結婚指輪以外のアクセサリーも原則避けておいた方がよいでしょう。
- 喪服とブラックスーツは生地の作りが違うので注意
- やむを得ない場合は平服でも大丈夫
- 毛皮やアクセサリーは避けよう
通夜や告別式など、葬儀に参列できないときにするべきこと
どんなに親しかった故人の葬儀に、参加したい気持ちはあっても、仕事などの都合上でどうしても参列できない場合もあるのではないでしょうか。
どうしても外せない仕事の予定があったり、非常に遠方だったりとやむを得ない事情があるときは、先方に失礼のないよう適切な対応を行いましょう。
欠席の連絡をして、弔電を送る
参列できないことがわかっているのであれば、まずは、欠席の連絡をしましょう。遺族も諸々の準備で慌ただしいので、簡潔に弔意と参列できない理由を伝えることが好ましいです。
欠席の連絡を入れたら、次は弔電(ちょうでん)を送りましょう。遅くとも告別式の1時間前には届くよう手配するようにしてください。送れなかった場合は、後日弔問に伺うことで弔意を伝えるのがマナーです。
弔電はNTT、郵便局、インターネットの弔電サービスで申し込むことができます。NTTだと、伝えたい内容を相談しながら申し込めるので、不慣れな方にはおすすめです。深夜など時間に融通がつかない場合は、24時間体制のインターネットサービスで弔電を送ることもできます。
香典を現金書留で郵送する
弔電を送る際は香典も郵送するようにしましょう。
その場合は香典袋を現金書留で送ることがマナーです。封筒に入るのし袋を選び、前述した香典の金額を参考に香典を入れて送りましょう。
弔問をする場合は、先方の都合を伺う
自身で直接お別れを伝えたい場合は、弔問をするのも一つの方法です。しかし、葬式の後は遺族も対応で忙しいので、都合のいい日時を聞いてから、伺いましょう。
また、弔問をする際は、香典をすでに送っていても花や菓子などの故人への供物を持っていくようにしましょう。
- 参列できない旨を伝えておく
- 弔電を送る
- 香典も郵送で送る
- 先方の都合に合わせて弔問する
部下の親族が亡くなったときに対応したいサポート
一般的な企業には慶弔休暇の申請等があり、通夜告別式の日程などは報告書に完備されています。部下の親族が亡くなった場合は、慶弔休暇のサポートを行えるといいでしょう。
また、部下の親族に対して、香典を準備することや、通夜、告別式・葬儀への参加をするケースもあるでしょう。
宗教によって、香典の題目や葬式の作法も違うので注意してください。最近では、家族葬を行うケースも増えており、確認事項が多くなりつつあります。「前と同じようにしよう」とすると、マナー違反になることもあるので、必ず確認を取るようにしてください。
盛大に行う場合には、弔電や供花の手配(取引先含めて)を行いましょう。また、間柄によっては、会場の受付等の手配などもあるでしょう。
一方、家族だけで行う場合は、参列や香典の辞退などがある可能性も含め、部下に確認し、社員に共有するようにしましょう。
ビジネスマンとして葬儀のマナーを知っておこう
- 通夜でも告別式でも都合のつく方に行く
- 香典の金額は、関係性や年齢によって変わるので例を参考にして入れる
- 参列できない場合は、弔電をしたり、香典を送ったりする
葬儀に参列する機会はそれほど多くなく、また、宗教や遺族の意向によっても対応するべき内容が異なることも多いものです。
訃報を聞いた際には焦ってしまいますが、故人への弔意を伝えつつ、遺族の方に失礼のないよう振舞ってください。
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