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海外進出にはEmojiが不可欠? 日本から生まれた「SNS時代の国際語」を使いこなす

Tessei Kameyama

2016/11/29(最終更新日:2016/11/29)


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 「ビジネスマンが絵文字を使う時代がやってきた」と聞いて驚く人は少なくないだろう。もちろん、ビジネスメールや報告書などに使うわけではない。言語の違いを気にせず使える文字として、社内のコミュニケーションや世界規模での広告などで「Emoji」は日常的に使われているのだ。国際語となったEmojiを詳しく見ていこう。

絵文字がEmojiになるまで

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 絵を文字として使う文化はヒエログリフや漢字などの象形文字にまでさかのぼることができるが、絵文字には明確な発音や文法がないという点でこれらの文字とは異なる。現代の絵文字の原形はポケベルにあると言えるだろう。

携帯端末と絵文字の普及

 電話の呼び出しという単純な機能しか搭載していなかったポケベルは、1995年頃には文字を送信できるようになっており、送信可能な文字の一つに絵文字があった。これが携帯端末における絵文字の原形である。

 その後携帯電話が普及すると各事業者がEメールで使える絵文字を採用し始めた。当時の技術では画像表示には時間がかかり、これを回避するためにあらかじめイラストを文字として登録したのだ。しかし、統一規格がなかったため、他社の絵文字を正確に表示できない状態が長く続いた。

Googleが国際化に乗り出す

 そんな折、Googleの開発者が日本の絵文字文化に感銘を受けたことで、2006年にGmail上で携帯各社の絵文字を表示できるシステムが考案され、2007年にはUnicodeに絵文字を収録しようという提案がAppleと共同で行われた。その結果、2010年に制定されたUnicode6.0には企業のロゴなどを除いた多くの絵文字が収録されることに。

 Unicodeに定められるより前からも、海外の一部のSNSなどで絵文字が使われることはあったが、それらは装飾や賑やかし以上の意味を持ち合わせてはいなかった。しかし、Unicodeに収録されてからはスマートフォンの普及や多様なSNSの隆盛も合わさって、諸外国でも一般的に使われるようになったのだ。Unicode収録の際に文化的背景にも考慮されて改めてデザインされたことも普及の一因となった。

 このように、規格が統一されたことで絵文字は「Emoji」として世界に広まっていった。また、規格が統一されたことで携帯会社間での表示問題も解消されていく。

多様なEmojiフォントが出現

 Emojiが統一規格に定められたことは、メーカー独自のEmojiを妨げているようにも感じられるかもしれない。しかし実際には、規格が統一されたことで、Emojiをフォントのように差し替えることができるようになったのだ。ここからはWebサイトやアプリなどに組み込んで利用できる、多様なデザインのEmojiを紹介していこう。

Noto Color Emoji

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出典:www.google.com
 「Noto」とはGoogleが開発しているオープンソースのフォントファミリーだ。文字を表示できないときに表れる豆腐(□)をWeb上から排除するために作られたので、「no more tofu」を略してNotoと名付けられた。

 そのNotoフォントの絵文字が「Noto Color Emoji」だ。「no more tofu」を謳うだけあって、デザインのクオリティもUnicodeの対応範囲もトップクラスだ。また、環境がカラーに対応していなくても「Noto Emoji」というモノクロ版のEmojiが利用できる。

 利用ライセンスは「SIL Open Font License」で、気軽にソフトウェアへの同梱が可能となっている。

Twemoji

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出典:twitter.github.io
 Twitter上では独自の豊富なEmojiが利用できるが、それらがオープンソース化されたのが「Twemoji」だ。カラフルでフラットなデザインが特徴で、サンプルサイトでは使いたいEmojiをクリックすることでコピー&ペーストが簡単にできる。

 デザイン自体はクリエイティブコモンズー表示(CC-BY)で利用可能だ。また、ソースコードはMITライセンスで公開されている。

Emojiが活躍する場面


 UnicodeでEmojiが定められるようになって以降は各種のOSでの対応が急速に進み、今ではデバイスやサービスの種類を問わずEmojiが使えるようになっている。その中でも、特に有効なEmojiの活用方法について紹介しよう。

広告で利用する

 日本国内ではSNSアプリのスタンプ機能などに押されている感は否めないが、海外ではEmojiはまだまだ若者の間で人気。そのため、メールマガジンでEmojiを利用することで、高い広告効果が期待できるのだ。

 多様な価値観、時間の制約、動画サービスの隆盛など、文章だけでは伝わりにくい環境が現代社会だ。Emojiであれば文章の欠点を補い、短いメールでもしっかりと意図を伝え、若者の注目を集めることができる。

コミュニケーションツールに搭載

 ユーザーに対してだけでなく、社内の連絡でもEmojiは有効だ。挨拶やリアクションを一文字で表すことができ、眺めただけでも意味が理解できるので、より円滑にコミュニケーションをとることができる。

 「Slack(スラック)」はその代表例だろう。Emojiを簡単に挿入できるボタンが備わっており、他者の発言にもEmojiで反応可能。さらには、ユーザー定義のオリジナルEmojiを作ることもできるのだ。


 自社製品を海外へアピールする際に、言葉のニュアンスで悩むことは少なくないだろう。Emojiであれば、Unicode化の際に多文化で意味の齟齬や差別表現が少なくなるように作られている。英語の表現で悩むよりEmojiを使ってアピールするのはいかがだろうか?

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