「余の辞書に不可能という文字はない」という名言。3時間睡眠で有名なナポレオン・ボナパルトだが、近年の研究により彼は昼寝をしていたことが発覚した。軍事会議の合間や風呂、馬に乗り移動している時間を睡眠に充てていたのだ。
つまり、ナポレオンは厳密に言うと「3時間睡眠」ではない。「ショートスリーパー」と呼ばれる「睡眠を分割してとるタイプの人間」であったのだ。
人間の睡眠タイプは「ショートスリーパー(人口の5~8%、6時間未満)」「ロングスリーパー(人口の3~9%、9時間以上)」「バリュアブルスリーパー(人口の80%、6~9時間)」の3つに分けられる。
今回は、ショートスリーパーであったナポレオンを通じ、各睡眠タイプについて紹介したい。
ビジネスマンタイプ:「ショートスリーパー」
出典:gahag.net ショートスリーパーには、向上心溢れるビジネスマンタイプが多いといわれている。通常はレム睡眠/浅い眠りとノンレム睡眠/深い眠りが繰り返されるのだが、ショートスリーパーはレムノンレム睡眠のうちレム睡眠が短い。
また、ショートスリーパーは突然変異したDEC2遺伝子を生まれつき持っていると言われる。この遺伝子が脳での情報処理を短い時間で済せるため、通常の人よりも短い時間の睡眠で健康的な生活できるのだ(カリフォルニア大学の研究チームが2009年に発見)。
効率的に物事を済ますことができる反面、突然変異したDEC2遺伝子を生まれつき持っていない人が無理に睡眠時間を削っている場合もある。最近では、DEC2遺伝子を突然変異させる方法なども見られるが、無理な睡眠時間の削減は身体への負担が重く作業効率も下がるので控えた方が良いだろう。
ショートスリーパーなど言われる著名人には、明石家さんま、みのもんた、上戸彩、エジソンなどが挙げられる。
アーティストタイプ:「ロングスリーパー」
by S.H.CHOW ロングスリーパーには、独自の世界観を大切に物事をじっくりと考える芸術肌が多いと言われている。責任のある役職や社長・スポーツ選手に多いという。
そして、ロングスリーパーは眠っている間にも脳内で物事を考え続けている場合が多く、睡眠時間にも脳が休まっていないということができる。そのため、通常よりも長い睡眠が必要なのだ。
しかし、長く眠る人が総じてロングスリーパーというわけではない。ロングスリーパーとよく似たタイプの症状として「過眠症」というものがある。「過眠症」は10代~20代の女性に多い症状だが、男性も外的ストレスにより睡眠障害を起こすことがある。バリュアブルスリーパーがロングスリーパーに突然なるということはないので、最近長く眠っていると感じた場合は気分転換をしてみたり、医療機関を訪ねるのもよりよい生活をおくる上での方法だろう。
ロングスリーパーだと言われる著名人には、水木しげる、イチロー、白鵬、アインシュタインなどが挙げられる。
良バランスの長生きタイプ:「バリュアブルスリーパー」
出典:pixabay.com 世の中で一番多くの人は、ショートスリーパーでもロングスリーパーでもないバリュアブルスリーパーだと言われている。
加えて、ストレス社会・眠らない街とも称される現代社会は昼と夜が逆転した生活を送る人も多い。バリュアブルスリーパーだからこそ、睡眠の取り方に注意する必要があるだろう。簡単な方法として、睡眠時間は90の倍数で取るのが良いと言われている。快眠グッズを使うのも手だろう。
ナポレオンでさえ1日合計3時間以上眠っていたように、人間にとって睡眠時間は必要不可欠なものである。睡眠とは身体を休めるだけでなく脳内で情報を処理する時間なのだ。睡眠時間を削り活動時間を増やすと1日を長く感じるかもしれないが、結果として作業効率は下がる。
自分に合った睡眠時間をとり、身体を休め、脳内での情報処理をしっかりと行ってこそ行動的で上質な暮らしといえるだろう。
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