by hine
これまでの日本の家電といえば、“1台で何でもできる多機能性”が求められがちだった。しかし、近年は特定の機能に特化した家電が話題を集めている。さらには、佇まいの美しさも求められており、機能とデザインの両立が欠かせない。数ある白物家電メーカーの中から、必ず押さえておきたいブランドを紹介しよう。
家電業界における白物家電の売り上げが好調
大手家電量販店のヤマダ電機、エディオン、ケーズホールディングスの2016年4~9月期の経常利益が、前年同期に比べて1~2割の伸びになった。最大の要因は白物家電の販売が好調だったことにより、過度な値引き競争が抑制された点にある。
日本電機工業会(JEMA)の発表(参照)によると、2016年度上期の国内家電出荷額は、前年同期比2.4%増の1兆2,149億円で、前年同期を上回っている。9月度および2016年度上期の国内家電の出荷総額は1,873億円で、前年同月比は106.2%。エアコン、冷蔵庫、冷蔵庫、洗濯機などの白物家電が好調を期している。データから見ても、家電業界が好調なことがわかるだろう。
プレミアムな体験が魅力の「バルミューダ」のキッチン家電
2015年の発売以来、キッチン家電で絶対的な地位を確立しているのが日本メーカーであるバルミューダの「BALMUDA The Toaster」。トースターでありながらメーカー直販2万4,732円という価格設定が話題を集めたが、実際には10万台以上を販売するヒット商品となった。
「トーストを科学する」ことを追求
機能性はもちろんのこと、そのデザイン性の高さもバルミューダならでは。ドイツの「iF・デザイン・アワード 2016」にて「iF・デザイン・アワード プロダクト部門」を受賞した。
使いやすさと美しさを両立した電気ケトルも登場
トースターに続く、バルミューダの次なるプロダクトとして電気ケトルが登場した。「BALMUDA The Pot」はコーヒー約3杯分(600ml)の湯が沸かせる電気ケトルで、メーカー直販価格は1万1,880円。湯切れや湯の流れをコントロールしやすいため、コーヒーのハンドドリップに最適。
さらに、2017年1月には「バルミューダから新しいごはんの提案」として、炊飯器を発表することをウェブサイト上で明らかにしている。
キッチン家電ブランドとして頭角を現す「デロンギ」
デロンギはイタリアを本拠地とする家電メーカー。日本ではオイルヒーターのブランドとして有名だったが、近年はキッチン家電ブランドとしても名を馳せている。
また、2013年からはドイツのメーカー・ブラウン社の日本向け調理聴く製品の販売、サポート業務も行う。
家庭用コーヒーマシンの国内需要は右肩上がり
日本における家庭用コーヒーマシンの需要は伸びており、2015年の販売台数は4年前の約1.3倍の240万台に達した。
デロンギはエスプレッソマシンをはじめとするコーヒーマシンにおいて世界的トップシェアを誇るメーカーでもある。2016年10月1日には、デロンギ・ジャパン初の直営店となる「デロンギ表参道」をオープン。
「デロンギ プリマドンナXS コンパクト全自動エスプレッソマシン ETAM36365MB」は、豆挽きから抽出、フォームドミルク作りからカプチーノやカフェラテまでボタン1つで楽しめる。メーカー直販価格は21万3,840円とかなり高額なものの、自宅で本格的なコーヒーを楽しみたいユーザーに人気だ。
デザイン性の高いキッチン家電のラインナップを拡充
デロンギのキッチン家電のなかでも、2016年3月から展開されている「ディスティンタコレクション」は注目のシリーズだ。スクウェアとサークルを組み合わせた「スクエアクル」デザインと、4色のマットなメタリックカラーが特徴となっている。
その他に「ドリップコーヒーメーカー ICMI011J-CP」(メーカー直販価格:2万1,384円)、「オーブン&トースター EOI406J-CP」(メーカー直販価格:1万5,984円)、「電気ケトル KBI1200J-CP」(メーカー直販1万584円)の3製品がラインナップされており、同じカラーの家電を組み合わせることでキッチン内の統一感を図れるのも魅力だ。
日本発のcadoは空気清浄機の性能とデザインで勝負
2015年にマイボイスコムが発表した空気清浄機に関するアンケート調査(参照)によると、家庭に空気清浄機がある人は4割強を超えている。
日本はもちろん、北米、欧州、中国に加え、インドや東南アジアでも空気清浄機の市場が拡大しつつあるいま、このジャンルで注目を浴びているのが、日本生まれのブランドの「cado(カドー)」だ。
操作性とデザインの美しさを両立した空気清浄機
2016年1月に月倍されたかcadoの空気清浄機「AP-C310」(メーカー直販価格:7万4,520円)は、強力なブーストファンを搭載したモデルだ。本モデルは30畳に対応し、センサーがホコリやニオイを感知すると、最適な風量に調整して空気洗浄を行う。シンプルでわかりやすいボタン配置は同社の他製品にも見られるこだわりで、強化ガラスを採用することで耐久性も実現している。
ほかにも円柱のデザインが目を引くモデルや、車内や狭いスペースでの利用に特化したモデルなど、製品ラインナップの種類は豊富だ。
なお、cadoの2015年12月期の売上高は11億円。2016年10月にはインドで販売を始め、年内にシンガポール、2017年に欧米でも発売する予定だ。海外販売の拡大により2017年12月期に30億円を目指している。
パナソニックは外部との“ものづくり”にも注力
1918年の創業から家電メーカーとして長い歴史を持つ「パナソニック」。同社は日本の感性とものづくりの原点を探り、新たな家電デザインを外部の視点を取り入れて研究する共創プロジェクト「Kyoto KADEN Lab.(京都家電ラボ)」を2015年11月からスタートしている。
2016年10月28日には、同社のプライアンス社デザインセンターが、京都の伝統工芸後継者によるクリエイティブユニット「GO ON」をプロジェクトパートナーに迎えて進めた“人の五感や記憶に響く新たな家電”のプロトタイプを発表。今回のプロジェクトコンセプトは「Texture」となっている。
「響筒kyo-zutsu」は、蓋の開閉に合わせて音が鳴り、音の振動を手のひらで感じることができるコンパクトスピーカー。明治8年創業の京都の茶筒の老舗「開化堂」とのコラボによる作品だ。
ほかにも、木製テーブルに埋め込まれたIHによってお茶に最適な60度の湯を沸かす朝日焼の茶器「銀釉」や、IHからの非接触給電で銀砂を冷やし、冷酒を楽しむ木桶「銀砂ノ酒器」など、個性的なプロトタイプが続々と登場している。
次々とヒット製品が生まれる白物家電市場。IoT化が進むいまこそ今後の動向をチェクしておこう。
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