お酒の飲みすぎにより悪くする臓器の代表的なものとしては、肝臓が一番最初にイメージされるだろう。しかし、日々飲酒をする機会や量が多い人は、肝臓疾患にだけ気を付けていればいいのだろうか?
これから迎える忘年会シーズン、過度の飲酒によってダメージを受ける臓器と、一緒に食べる「おつまみ」によって引き起こされると言われる、大病を回避する方法を探っていこう。
アルコールが吸収されるまでのリスク
by Infomastern お酒を楽しむ際、飲んだお酒は口から喉を通り、食道を通過して胃や小腸の上部で吸収される。ここまでの過程で登場する臓器だけでも当然、高濃度・多量のアルコールにさらされている訳だ。
過剰飲酒してしまうことによって、ガンのリスクが大幅に上がり、多量のアルコールは胃粘膜のバランスを乱してしまう。
加えて、胃の運動の低下による逆流性食道炎などの病気を引き起こしたり、小腸のアルコール濃度が上がることによる急性アルコール中毒などの重大な病気につながる恐れもあるのだ。
アルコールの過剰摂取により悪影響を蓄積させる臓器
出典:www.sodahead.com 飲みすぎによるリスクは、アルコールが吸収されるまでの過程だけにとどまらない。吸収されたアルコールは、肝臓だけではなく様々な場所で分解される。アルコールを分解する過程で大きな役割を果たす肝臓は、過剰な飲酒によって肝臓がんだけでなく脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変などの肝臓病を発症するリスクを高める。
飲酒のお供として常連である「揚げ物」など脂肪分の多いおつまみも、肝臓に負担をかけて、上記の病気を発症するきっかけとなりうる。「沈黙の臓器」ともいわれる肝臓の病気を早期に自覚することは難しく、死に至る危険もあるのだ。
また、すい臓などもアルコールの過剰摂取の影響を強く受ける臓器。過剰な飲酒は急性すい炎、慢性すい炎などの病気を引き起こし、それらの病気は死の危険が非常に高いとされているすい臓がんにもつながる可能性がある。
飲酒をしながら大病のリスクを回避するには
ここまで「飲みすぎ」が臓器一つ一つに及ぼす害について紹介してきた。お酒を楽しみつつ、これらのリスクを回避するための対策としては、飲酒の分量の調整だけでなく、お酒の飲み方などを工夫することが挙げられるだろう。
「軽いつまみ」を交えてゆっくりとしたペースで飲む
過剰な飲酒による病気のリスクをいたずらに上げないためには、アルコールの血中濃度を急上昇させないことが大切だ。前述のとおりアルコールは胃と小腸で吸収されるが、空腹で胃が空っぽな状態だと胃でアルコールを十分に吸収できず、多くを小腸が吸収することとなる。小腸はアルコールの吸収速度が早いので、空腹状態で飲酒するとアルコールの血中濃度が上がり、急激に酔いが回ってしまう。
これを回避するためには、飲酒の際には空腹な状態でアルコールを摂取しないように、ゆっくりとしたペースで飲むことが大切である。
「ガッツリしたつまみ」はNG
お酒の席ではどうしても、油ものなどのおつまみを注文しがちだが、当然こういったものは健康を考えるならなるべく避けるべきだろう。生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、肝臓への大きな負担となるからだ。
度数の高い蒸留酒にも注意する
ウイスキーやウォッカなどの蒸留酒は「糖質が低い」などの理由で、健康に配慮した選択として近頃人気だが、これらはアルコール度数が高いので飲み過ぎはは要注意。
ストレートやオンザロックなど、度数が高いままで飲む場合は食道や胃を痛めたり、アルコールの血中濃度を急激に上げてしまう恐れもある。
水割り、ハイボールなど、なるべくアルコール度数を下げた状態で飲む、度数が高いまま飲むならチェイサーなども利用しつつ、ゆっくり飲むなどの対策をとることが大切である。
やはり酒量・休肝日は大切
最も奨励されているのはお酒の種類ごとの適正摂取量を守ることと、必ず休肝日をつくることだろう。身体に害を及ぼすほどの量は飲まず、適度に肝臓を休ませることでリスクを回避する、という周知の対策をできる限りやっていくことが最も確実であるといえる。
ここまで「飲みすぎ」が引き起こす害・リスクへの対策について紹介してきた。お酒・アルコールと身体の関係をよく理解した上で、飲酒を生活の一部として楽しみたいものだ。
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