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“ハーレー”とは一線を画すスポーツ性! ドゥカティ「XDiavel S」に乗って感じたこと

増谷茂樹

2016/11/11(最終更新日:2016/11/11)


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 伝統的にサーキットなど、スポーツ性能に優れたバイクをリリースしているイメージの強いイタリアンメーカー・ドゥカティだが、近年はツーリングもこなすクルーザータイプのモデルにも力を入れている。

 特に今年リリースされた「XDiavel S」は、ドゥカティらしいスポーツ性能とクルーザーとしての完成度を高めた注目モデル。そのマシンに試乗し、ドゥカティの考えるクルーザーとはどんなものなのか? を体感してみた。

クルーザー的車体で扱いやすい

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 「XDiavel S」は2011年にデビューした「Diavel」を、さらにロー&ロングなクルーザーの方向に振ったモデル。とはいえ、単なる派生モデルではなく車体やエンジンなど多くの部分は専用の新設計で、ドゥカティの考える最新のクルーザーを体現している。
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 ドゥカティの歴代モデルでは最長となる1,615mmというホイールベースと低いライディングポジション、そして「ロースピードエキサイトメント」というコンセプトから、ゆっくりとした速度で流すのが気持ち良いバイクかと思うと、それは大きな勘違いだ。

 もちろん、ドゥカティのマシンとしては低速での安定感やトルクも優れているのだが、それは「あくまでもドゥカティのモデルの中では」というレベル。

既存モデルより“ユーザーを選ばない”バイク

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 やはり本領を発揮するのは、アクセルを開けていった時。ただ、興味深いのは安定感に優れた車体のおかげで、ホイールベースの短いスポーツモデルよりもアクセルが開けやすいということ。

 つまり、ドゥカティならではのL型ツインエンジンの魅力を、より幅広いユーザーが堪能できる可能性を秘めているということだ。
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 「XDiavel S」に搭載されるのは、「テスタストレッタ DVT」と呼ばれるエンジン。同社の「ハイパーモタード」などにも搭載される、やや低速でのトルク感を重視した特性のあるエンジンで、150PSの最高出力を9,500rpmを発揮する。最大トルクは126Nm(12.8kgm)で5,000rpmという低い回転域で発揮される。
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 ライディングポジションは、前方に足を投げ出すようなクルーザー的なもので、ハンドルの位置もかなり前方。ドゥカティの既存モデルに乗ったことのあるライダーは違和感を抱くかもしれないが、このポジションでも40度という深いバンク角に対応し、そこまで寝かす操作も軽快である点はさすがドゥカティと感じる部分だ。

電子制御を使って熱い走りを制御

 もう1つ特筆すべき特徴は、最新の電子制御技術がふんだんに盛り込まれているところ。リアタイヤのスリップを感知して駆動力を調整するトラクション・コントロールはもちろん、コーナリング中にも制動力を最適化するABS、手元のボタンで「スポーツ」「ツーリング」「アーバン」という3つの特性を切り替えられるライディング・モード機能も搭載。Bluetoothモジュールも装備し、スマホとペアリングして着信や聴いている曲名などを表示できるのもクルーザーらしい。
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 実際に乗ってみると「アーバン」モードでは、確かにおとなしく低速でも扱いやすい特性だった。しかし、「ツーリング」にモードを切り替えるとアクセルのレスポンスが俊敏になり、ドゥカティらしい走行性能が顔をのぞかせる。

 そして「スポーツ」モードになると、完全に羊の皮を引き剥がした狼といった特性に。高速道路でアクセルを開けると、前方に投げ出した足が風圧でステップから引き剥がされるような加速が味わえる。車線変更など、ちょっとマシンを傾けるだけで向きが変わってくれる。コーナーリングでは、太いタイヤを活かしてどこまでも寝かしていけるような安定感だ。
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 乗ってみて感じるのは、やはりドゥカティはクルーザーを作ってもドゥカティだということ。ゆったりとしたライディングポジションで、低回転重視のエンジンを採用したといっても、やはりアクセルを開けた時のレスポンスはエキサイティングだし、コーナーリング性能にも妥協がない。北米の市場を意識したとはいっても、現地メーカーのハーレーとは全く異なったキャラクターで勝負しようとしていることがわかる。

 そして、そのドゥカティらしい走りはとても楽しく、クルーザーというポジションもあって、より多くの人がこの走りを堪能できるのであれば、それは喜ぶべきことだろう。

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