UQコミュニケーションズが10月24日に秋冬の新製品・新サービスの発表会を行った。同社は、高速通信「WiMAX」を利用したモバイルデータ通信サービスで知られるが、近年はKDDIのMVNO(大手キャリアの通信網を借りてサービスを提供する事業者)となり、スマートフォン向けの通信事業「UQ mobile」にも力を入れている。
今回の発表会では、同社のこれまでの取り組みを振り返るとともに、「UQ
mobile」ブランドを強化していくための施策として、「端末ラインナップの強化」「サービスの充実」「タッチポイントの拡大」の3つを掲げた。
また、「“本気”のプロモーション」の展開も予告。テレビの新CMにこれまで登場してきた「ピンクガチャ」と「ブルームク」に加えて、女優の深田恭子さん、多部未華子さん、永野芽郁さんが3姉妹役で出演することも発表された。
端末ラインアップを大幅拡充! 選択肢が豊富に
この秋冬の強化策として最初に掲げたのが「端末ラインナップの強化」だ。これまで同社では、選択できる機種数が限られていたが、今季はVoLTEに対応する8機種を追加。合計8メーカー、12機種から選べるようになる。
すでに発表済みのモデルに加えて、シャープの「AQUOS L」や、ファーウェイの「HUAWEI P9 Lite PREIMUM」のほか、TCLコミュニケーションの「ALCATEL IDOL 4」、「SHINE LITE」などが、11月下旬から12月上旬にかけて発売される。
国内最速! 受信最大440Mbpsのモバイルルーターも投入
また、12月上旬には国内最速の受信速度440Mbpsに対応するモバイルルーター「WX03」も発売。4本のアンテナを搭載し、複数のデータを同時に送受信することで高速通信を実現する「4×4 MIMO」と、複数の電波を同時に使用して、データ通信を可能にする「キャリアアグリゲーション」により、国内最速と受信時最大440Mbpsを実現した。
5分かけ放題の「おしゃべりプラン」を新設
次に掲げたのが「サービスの充実」だ。新サービスとして、1回5分以内の国内通話が回数無制限で利用できる「おしゃべりプラン」を2017年2月22日より開始する。
同プランでは、1GBで月額1,980円の「おしゃべりプランS」と3GBで月額2,980円の「おしゃべりプランM」の2種類が提供される(データ増量キャンペーンを利用すると、「S」は2GB、「M」は6GBに増量される)。
なお、このプランの登場を記念したキャンペーンも実施。2016年10月25日から2017年2月21日までに新規またはMNPで現行の「ぴったりプラン」または「たっぷりプラン」に加入したユーザーは、加入月から来年2月までの利用分について、両プランに付属する無料通話が3倍に増量される。
「ぴったりプラン」の場合は、最大30分が90分に、「たっぷりプラン」は最大60分が180分に増量されることになる。
“声でSNS”が楽しめるワイヤレス・イヤフォンを提供
日本のベンチャー企業・ネインが提供するワイヤレス・イヤフォン「APlay」のUQ独自モデルも販売する。
APlayは、専用の音声アシスタントアプリと合わせて利用することで、LINEやTwitter、Facebookなどに届いた通知をリアルタイムに聞いたり、ユーザーの音声をテキスト化して送信したりできるウェアラブル製品。UQのスマホとAPlayを組み合わせることで、音声でSNSを楽しめる。
文字入力が苦手な人の利用のほか、料理中やランニング中など手が離せないシーンでの利用を想定している。UQオンラインショップでは、専用アプリをプリインストールした「DIGNO L」とのセット販売を実施し、その場合は端末代に3,240円(税込)を追加して購入できる。イヤフォン単体での購入にも対応する。
店舗を倍増させサポート体制を強化
ブランド強化の施策として3つ目に掲げたのは、ユーザーとの「タッチポイントの拡大」。現在はユーザーとの接点となる家電量販店は、約1,000店舗(約4,000名)だが、倍の約2,000店舗まで増やすという。現在420店舗というUQ mobileを取り扱う併売店などのケータイショップを1,000店舗まで拡大するほか、UQが運営するショップ「UQスポット」は全国47都道府県に展開する予定だ。
“第四のキャリア”らしい全方位的な強化施策
今回の発表会は、“モバイルネットのプロ”を自認するUQコミュニケーションズの面目躍如といえる内容だと感じた。これまでの弱点であった端末ラインアップを充実させ、料金プランや新サービスも強化。
そして、顧客との接点も増えたことで、「スマホデビューはこれから」という人や、「格安スマホを使いたいけどどうしていいかわからない」というライトユーザー層へのアプローチも可能になる。NTTドコモ、au、ソフトバンクに次ぐ、“第四のキャリア”らしい全方位的な強化施策といえるだろう。
また、今回の発表はライバルと目されるソフトバンク傘下のワイモバイルや、同じau系の回線を使用した格安モバイルサービス「mineo」を提供するケイ・オプティコムを強く意識したものでもある。UQの猛追を受けて両社がどう動くのか。大手キャリアとMVNOの境界線をまたいだ競争も激しくなりそうだ。
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