多くのVR関連機器が発売され、マーケットが盛り上がっている今年は“VR元年”とも呼ばれている。連日VR関連のニュースが飛び込む中、「興味はあるけれど何から手を出せばいいか分からない」という人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、現在発売されているVR用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)の中から「今、自宅でVR体験を楽しめる」商品を紹介していく。
視野角とリフレッシュレートとは
by makeuseof HMDの紹介に入る前に、VR機器のスペックキーワードに登場する「視野角」と「リフレッシュレート」の意味を確認しておこう。
「視野角」とはHMDを装着して見える範囲を表す言葉で、この角度が広ければ広いほどより強い没入感を得ることができる。ちなみに、人間の視野角は水平方向に150°ほどだ。
「リフレッシュレート」はディスプレイで1秒あたりに画面が何回書き換えられるかを表しており、Hzで表記される。数値が低いと画面がちらつくだけでなく、“VR酔い”を引き起こす可能性があるため、リフレッシュレートの数値は重要となる。
おすすめVR機器とそれぞれの特徴
PlayStation VR
出典: Amazon.co.jp ソニー・インタラクティブエンタテインメントが今年10月、満を持して発売した「PlayStation VR(PS VR)」。「PlayStation 4(PS4)」に接続して使用するHMDで、PS4の拡張ハードウェアといった立ち位置だ。
視野角は100°で、リフレッシュレートは独自のリプロジェクションシステムにより90Hzまたは120Hzに自動変換している。定価は税込みで44,980円だが別途PlayStation Cameraの購入が必要となり、同梱版は49,980円。操作にはPS4のコントローラーも使用できるが、既存のモーションコントローラー(別売)を使えば手の動きによる操作が可能となる。
PS VRの魅力は何と言ってもコンテンツの豊富さだ。230以上のソフトウェアメーカーがPlayStation VR向けコンテンツの開発に参入しており、現在開発が進んでいるタイトルは130以上。
さらに、「バイオハザード」や「コール オブ デューティ」といった人気作のVRコンテンツも発売を控えている。キラーコンテンツのVRを楽しむことができるのはPS VRならではの醍醐味だろう。VRコンテンツは通常のPlayStationソフト同様に、パッケージ購入かPlayStation Storeで手に入れることができる。
PlayStation VR
- 定価は44,980円、PlayStation 4の拡張ハードウェア
- 別途PlayStation Cameraの購入が必須。同梱版は49,980円
- 視野角は100°、リフレッシュレートは90Hzまたは120Hzに自動変換
- 130以上のタイトルが現在開発中、キラータイトルのVRもプレイできる
Oculus Rift
出典: Amazon.co.jp 2012年のプロトタイプ公開から度重なる仕様変更を経て、2016年3月に発売されたのが「Oculus Rift」。ハイエンド(130,000円程度)のWindows PC上で動作し、操作は同梱されているXbox oneコントローラーで行う。視野角は110°でリフレッシュレートは90Hz、価格は約94,600円だ。
VRコンテンツの購入は専用プラットフォームであるOculus Storeで行う。据え置きゲーム機のようなキラーコンテンツはないものの、クオリティの高いものから安価なミニゲームまで、幅広いコンテンツが揃っている。
Oculus Store以外のプラットフォームで入手したコンテンツも動作させることができるものの、操作がXbox oneコントローラーに限定されていることがネックとなり、Oculus Riftに対応しているVRコンテンツの数はまだ少ない。しかし、12月3日に専用のモーションコントローラー・Oculus Touchが発売されることにより、対応コンテンツの数は一気に増える見込だ。
Oculus Rift
- 価格は約94,600円、ハイエンドのWindows PC上で動作
- 視野角110°、リフレッシュレート90Hz
- コンテンツ購入はOculus Storeから、他プラットフォームのコンテンツでも利用できる
- 12月発売のOculus Touchによって手で操作できるようになり、対応コンテンツ数も増える
HTC Vive
出典: Amazon.co.jp 「HTC Vive」は今年3月に発売された、2台のトラッキングカメラが付くHMDだ。Oculus Riftと同じくハイエンドのWindowsPC上で動作し、付属のモーションコントローラーで操作する。視覚野は110°でリフレッシュレートは90Hz、価格は約107,784円となっている。
HTC Viveの機能の目玉であるトラッキングカメラは、部屋に取り付けることによって、室内でのHDMの位置を読み取っている。Oculus Riftが立つ・座るの2つの動作しか対応していないのに対し、HTC Viveでは「VRのなかで歩き回る」体験ができるのだ。さらに付属のモーションコントローラーには操作ボタンと別にグリップボタンが付いており、VR内の物を掴む・投げるといった動作ができる。没入感の高い操作性がHTC Viveの魅力と言えるだろう。
コンテンツは世界最大のゲームプラットフォームSteamからダウンロードする。SteamのVRコンテンツ数は今年5月に200を突破しており、タイムセールなども定期的に開催されている。またOculus Riftと同様に、他のプラットフォームのコンテンツでも動作させることが可能だ。
HTC Vive
- 価格は約107,784円、ハイエンドのWindowsPC上で動作
- 視覚野は110°でリフレッシュレートは90Hz
- トラッキングカメラによって「VRの中を歩き回る」ことができ、コントローラーの操作性も没入感が高い
- コンテンツ購入はSteamから、他プラットフォームのコンテンツでも利用できる
Gear VR
出典: Amazon.co.jp サムスン電子が2015年12月に発売した「Gear VR」は、スマートフォン「Galaxy S6、S6 edge」を挿し込むだけでVRを体験できる。
複雑なセットアップを必要とせず、本体とスマートフォンのみで手軽にVRを楽しめるのが魅力のHMD。操作方法は本体側面のタッチパッドのみで視覚野は96°、リフレッシュレート60Hzと、他のHMDよりシンプルなスペックとなっている。価格も税込みで14,904円と手頃だ。
Gear VRはOculusとサムスン電子の共同開発で、コンテンツ購入もOculus Store上で行う。NetflixやniconicoVRもダウンロードすることができ、ドラマや映画、360°対応コンテンツを楽しむことができる。また専用ブラウザのSamsung InternetではVR上でブラウジングできるほか、YoutubeのVR動画を視聴することも可能だ。
Gear VR
- 定価は14,904円、本体と対応スマートフォンだけで動作
- 視覚野は96°でリフレッシュレートは60Hz
- スマートフォン「Galaxy S6、S6 edge」を差し込むだけでVRを体験できる
- コンテンツ購入はOculus Storeから、Netflix・niconicoVR・専用ブラウザのSamsung Internetも利用可能
現在続々と発売されているVRのHMDも、それぞれ異なる魅力を持っている。自分がプレイしたいコンテンツや予算を考慮しながら、「VR体験の扉を開いてくれる1台」を選ぼう。
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