Android OSを開発するGoogle(グーグル)が、初の「Made by Google」となる2機種のスマートフォンを発表した。
名称は「Pixel(ピクセル)」で、5インチと5.5インチの2サイズ展開となる。最新のAndroid 7.1を搭載し、人工知能(AI)でユーザーが会話で操作できる「Google Assistant」を搭載しているのが特徴。カメラにもこだわり、画素ピッチを広げ、暗い場所でもシャープな写真が撮れるように仕立て上げた。
AIとの対話を操作に生かす「Google Assitant」を搭載
同社は、これまでも「Nexus」ブランドでスマホを手掛けてきた。Nexusシリーズは日本でも発売されており、昨年は韓国LG製の「Nexus 5X」をドコモとワイモバイルとGoogleが、中国ファーウェイ製の「Nexus 6P」がソフトバンクとGoogleが取り扱っている。
Nexusシリーズは、「リードデバイス」とも呼ばれ、Androidの“お手本”のような存在だった。Androidは様々なメーカーが取り組んでおり、自由に実装できる。その際の基準を示す意味で、Nexusシリーズが生まれてきたのだ。
一方で、Nexusシリーズはその定義を徐々に拡大してきたのも事実で、最近では「最高のGoogle体験ができる端末」とも位置づけられてきた。いち早く最新のAndroidにアップデートされ、OSの進化に伴うサービスも利用できるという意味だ。冒頭に挙げたPixelは、これを一歩推し進めた取り組みと言える。
「Made by Google」というフレーズが示すとおり、この機種は、Google主導で開発されている。製造は台湾のHTCが行うが、あくまでGoogleに開発の主体があるということ。共同開発の体裁だったNexusシリーズとの大きな違いは、ここにある。Androidのお手本としての役割は残っているものの、よりGoogle色を強く押し出しているのも特徴。先に挙げた、Google Assitantはその一例で、この機能はAndroid OSとは「独立した存在」(Google広報部)。「AIファースト」を打ち出すGoogleが、Pixelに先行して搭載した機能となる。
Googleフォトを使えば、無制限に写真を保存できる
Googleの得意分野であるクラウドサービスを生かし、Pixel利用者には、「Googleフォト」に無制限で写真をアップロードできる権利も付与される。元々Googleフォトは、容量制限が設けられていないが、これはサイズなどを圧縮した場合のみ。
Pixelの特典は、本来だと15GBまでだったものを、無制限に拡張するものだ。こうしたサービスがあるからこそ、Pixelではカメラの性能に注力したのだろう。ハードウェアとソフトウェア、そしてクラウドサービスを有機的に連携させる取り組みとも言える。
Nexusシリーズは、日本でもいち早く発売されてきたが、残念ながらPixelの投入予定は「未定」(Google広報部)となる。一方で、発売しないことは決定事項になったわけではなく、あくまで日本が一次販売国に含まれていないだけのようだ。
Google Assitantは日本語化も行われておらず、その準備に時間がかかっているのかと思われがちだが、Googleによると「ハードウェアは、Google Assitantの国際展開に依存しているわけではない」という。初の「Made by Google」ということもあり、端末の製造や通信キャリア、流通などとの調整に、時間がかかっているのかもしれない。
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