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原価率50%以上の国産ブランド“UNITED TOKYO”:時代はファッションも「地産地消」へ

Takuro Aizawa

2018/09/18(最終更新日:2018/09/18)


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出典:united-tokyo.com
 突然だが、貴方が今着ている服は何を基準に選んだものだろうか? ブランド名、デザイン、はたまた機能性だろうか? いずれにしろ、服を選ぶ基準は人それぞれ悩ましい。

 そんな悩みに、一つの正解を出そうとしているブランドがある。大手セレクトショップ「STUDIOUS」のプライベートブランド、「UNITED TOKYO」だ。脅威の「原価率50%以上」、そして徹底的にこだわった「ジャパンメイド」でアパレル業界に風穴を空けんとするUNITED TOKYOを、本記事では紹介していく。

加工から製造まで、“国産”で勝負するUNITED TOKYO

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出典:www.studious.co.jp
 UNITED TOKYOのアイテムは素材選びの多くを、そして工場における製造を全て国産にこだわっている。全ての商品のタグには製造された県のイラストがプリントされている。ファストファッションブランドの台頭によって、日本の衣服から“MADE in JAPAN”という言葉から離れて久しい今、ここまで徹底して国産にこだわるブランドは珍しい。レザーライダースなどの一部アイテムに至っては、全て職人の手仕事で作るというこだわりぶりである。
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 国産であるだけでない。UNITED TOKYOの服は、DiorやSaint Laurentに代表されるハイブランドに素材を提供する日本の工場で生産されている。国産というだけでない上質な製品をUNITED TOKYOは作っている。食品や工業製品にとどまらない、アパレルでの“MADE in JAPAN”の価値を打ち出しているのだ。

 海外からも評価が高い日本の素材や縫製工場で作られる服には、全ての工程にこだわりを感じることができる。こうした精度の高さは海外のハイブランドの作る服に対しても強みと言えるだろう。

驚異的な原価率で利益を出す仕組みとは?

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 UNITED TOKYOの注目すべき点は国産というだけではない。こだわり抜いた国産のアイテムを「原価率50%以上」で提供しているという点である。採算がとれるギリギリのラインまでコストを上げ、高い品質のアイテムを作っているのだ。

ファストファッションブランドでも原価率は35%程度

 一般的な大手セレクトショップのオリジナルアイテムの原価率は12〜18%にとどまる。圧倒的な安価でアパレル業界を席巻するファストファッションブランドでも原価率は35%程度と言われている。それらを鑑みると、いかにUNITED TOKYOの原価率が抜きん出ているかがわかるだろう。

どうやって利益は産み出されているのか?

 こうなってくると気になるのは「UNITED TOKYOはどうやって利益を産み出しているのか?」という点だろう。そのからくりは独自の生産ラインの確保と、原価率が多少高くとも在庫回転率が一定以上保たれていれば利益を確保できる、という考えにある。

 さらに素材や行程を国内に限定することによって、2〜3ヶ月前の発注で納入可能となり、ギリギリまでトレンドに対するリスクヘッジが可能となる。安定した、普遍的でベーシックなアイテムとトレンドをしっかりと捉えたアイテムのセレクトがUNITED TOKYOの強みなのだ。

販売はECサイトが主力

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 また、UNITED TOKYOは販売の90%をZOZOTOWNが担っており多数の店舗を持たない。こうしたコストカットと、試着をせずとも買えるベーシックな商品作りが利益に大きく貢献していると言えるだろう。

 もちろん東京をはじめとした店舗も各地に存在しているものの、「TOKYO」の名を冠していながら全てのアイテムラインアップを日本のどこにいても手に入れることができるのもUNITED TOKYOの大きな魅力だ。

UNITED TOKYOが作る、普遍的かつスタイリッシュなアイテム

ブランドを代表するレザーライダース

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 まず紹介したいのは、UNITED TOKYOの顔とも言えるアイテム、レザーライダースジャケットだ。まず目を引くのは3万円を切るという驚愕の価格設定だろう。

 大きい個体の羊を厳選して選ぶことによって作られた、ベーシックな一枚綴りのフロントパネルは上質かつ、あわせるアイテムを選ばない。

 レザーライダースのクオリティを大きく左右する裏地にも吸放湿性に優れ、静電気が起きにくい袖通り滑らかな、高級素材キュプラを使用。凄まじいコストパフォーマンスを誇るアイテムと言えるだろう。

広島で作られるハイクオリティデニム

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 あまり知られていないが、岡山と並ぶデニムの聖地である広島で作られたデニム。その中でもUNITED TOKYOが製造を行っているのが、パリコレクションに参加するブランドの縫製を担う工場である。

 コストパフォーマンスもさることながら、リジッドデニムでありながらストレッチが効いた動きやすさと、日本人の体型に合うように緻密に計算されたシルエットもこのアイテムの大きな魅力だろう。

 高めの位置に設定されたバックポケットとヨークが産み出す脚長効果は一見の価値アリだ。

美しいデザインと取り回しのよさが魅力のチェスターコート

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 UNITED TOKYOの技術力が光るのがこちらのチェスターコート。オーストラリアのアデレード地方で採れたメリノ原料を、日本最大級の毛織物産地の尾州地区で織り上げたメルトン素材による、非常に軽量なウールが特長だ。

 一目見てわかる流麗なAラインシルエットと計算されたミドル丈が合わせる服を選ばず、コーディネートの大きな助けとなること間違いなし。

 ここまでハイクオリティなチェスターコートが二万円弱で購入できるのは、やはりUNITED TOKYOの強みと言える。
 

ハイブランドでしか実現し得なかった超ハイクオリティライダース

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 最後に紹介するのはこちらのダブルライダース。値段は12万円と高くなっているものの、Diorなどのハイブランドのレザーに使われる、世界的にも希少なインペルサ社のレザーを、やはり国内、千葉で仕上げた逸品となっている。

 原価率は50%を大きく超える75%に設定されており、採算度外視のアイテムとなっている。

 コストパフォーマンスにおいてはUNITED TOKYOでも抜きん出たアイテム、一度手に取って圧倒的な上質を感じてみてはいかがだろう。

 “国産”でありながらここまでの原価率を維持しているブランドは、UNITED TOKYOをおいて他に無い。もちろん、アパレルブランドの価値はコストパフォーマンスや原産国だけではないが、UNITED TOKYOの服作りは「真摯な理念」の一つの答えと言えるだろう。

 店舗に足を運べる方は手に取り、気になった方はECサイトで商品に目を通し、品質を確かめてみてほしい。日本のアパレル業界を変えるかもしれないブランドの風を感じることができるはずだ。

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