筆記具の頂とも言えるブランド、「MONTBLANC（モンブラン）」。“文字を書く道具”だけに留まらないその魅力はまさしく筆舌に尽くしがたい。
そんなモンブランが、2016年に新しいコレクションを打ち出した。バウハウスに影響を受けたモンブランの「PIXコレクション」。その魅力を本記事では紹介していく。
バウハウスの血が流れる「PIXコレクション」
歴史あるモンブランの、主に「ノック式ペン」に冠される“PIX”。その歴史とデザインに改めてフューチャーしたコレクションが「PIXコレクション」だ。
さらに今回のコレクションには注目するべき点がもう一つある。「工業デザインの祖」とも言われるバウハウスの思想、デザインにインスピレーションを得たコレクションなのである。他のコレクションとは一線を画しながらも、モンブラン伝統のこだわりが詰まったデザインは一見の価値アリだ。
非常に貴重なコレクションであり、直営店ですら国内ではほとんど取り扱っておらず、販売はオンラインが主となる。“伝説”となること必至のコレクションなのだ。
全てのデザインの始まりと言われる「バウハウス」とは
今回のPIXコレクションに大きな影響を与えたと言われる「バウハウスデザイン」。そのルーツは1919年、ドイツ・ヴァイマルにまで遡る。工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校で、優秀な講師陣と卒業生たちによって後世のデザインに多大な影響を及ぼした。
当時の不安定な国家情勢や、学長が共産主義者だったこともあり14年しか存続できなかったものの、卒業生や散り散りになった講師陣によって、その哲学は世界中のデザインに今なお影響を与えている。
バウハウスデザインの理念
バウハウスデザインの特筆すべき点は“形より機能”という信念にある。一見デザインとはかけ離れているように思えるこの思想が、構成、カラーセオリー、職人の技など幅広い多様な分野についてへの理解をより深いものとしたのだ。
特に工業デザインにおいてその影響は顕著で、今誰もが手に取っているようなプロダクトもバウハウスの影響を間違いなく受けていると言っていいだろう。技術とデザインの両立を成し遂げたバウハウスの理念は今も強い生命力を持っている。
「PIX」から見る、モンブランのボールペンという選択
デザインの祖とも言えるバウハウスからインスピレーションを受けたPIXコレクション。そのラインナップはボールペンとローラーボールのみとなっている。バウハウスの息吹を確かに感じる、装飾を極力削ぎ落としたミニマルなデザインは、ボールペンでこそ映える。
万年筆に比べて値段が非常に手頃なのも大きな魅力。高級筆記具の入り口としてまず、「PIXコレクション」を購入するというのも非常におすすめだ。外見の美しさや芸術性、そしてモンブランならではの確かな技術力を気軽に楽しむには、ボールペンのエントランスとして最適な選択肢と言えるだろう。
ボールペンとローラーボールの違い
ローラーボール、と聞いても耳馴染みのない方もいるだろう。一般に高級ブランドのボールペンにおいて「ボールペン」は油性とされ、ノック式であったり回転させる事でペン先の出る機構が搭載されており、クリップがボールペンのペントップにくるようなデザインとなっている。
対してローラーボールは水性のためインクの揮発性が高い特徴があり、一般的にはキャップを搭載しペン先側にクリップが来る形となる。スペック的な面での違いは無いので、用途にあったタイプを選んでほしい。
PIX
バウハウスの建築ムーブメントの影響を受けて、歴史あるPIXのトレードマークにちなみ、純粋主義のデザインを採用した、非常に使いやすい筆記具です。
ビジネスマンであれば一度は名を耳にしたことがあるであろう筆記具ブランド、モンブラン。モンブランが一介の筆記具メーカーたりえない所以は、今回の「PIXコレクション」にも代表される、モンブランのエスプリが製品に色濃く反映されているからだろう。
販売はオンラインが主となる非常に貴重かつ重要なコレクションなので、気になった方は是非調べてみて、そして手に入れてほしい。
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