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話題性だけじゃない!! LINEモバイルを1週間レビューしてわかった“本当の実力”とは?

村元正剛

2016/09/16(最終更新日:2016/09/16)


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 スマホを使っている人のほとんどは「LINE」も使っているのでは? そのLINEが、満を持してMVNO市場に参入。9月5日から“ソフトローンチ”として、2万契約限定で格安SIMの先行販売を開始した。

 この「LINEモバイル」は月額500円(税抜)からで利用でき、LINE利用時のデータ通信料が非課金になることでも注目を集めている。いち早く購入した筆者が、1週間ほど使った率直な感想をお伝えしたい。

期待以上にイイ感じだったLINEモバイル

 筆者がLINEモバイルに申し込んだのは9月7日。受付開始から2日過ぎていたので、「もしかしたら売れ切れているかも……」と思ったが、申し込みはすんなり完了。翌日には、商品発送を知らせるメールが届き、翌9日に宅急便でSIMカードが届いた。

 ちなみに、筆者が契約したのは、「コミュニケーションプラン」の5GB/音声通話(月額利用料は2,220円・税抜)。申し込み時にオプションサービスを追加できるのだが、月額基本料が無料の「転送電話」「国際電話」「国際ローミング」のみを追加した。

マニュアルに従うだけで初期設定は完了

 さっそく、筆者が所有するSIMフリースマホ「HUAWEI P9」に、LINEモバイルのSIMを挿してみた。その手順は、SIMと一緒に届く「LINE MOBILE MANUAL」に記載されているので、初めての人でも迷わず設定できるはずだ。
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 格安SIMでAndroidスマホを使うには、APN(アクセスポイントネーム)の設定が必要だ。日本で発売されるSIMフリースマホの多くは、これを設定する画面を開くと、「OCNモバイルONE」「IIJmio」「楽天モバイル」など、主要なMVNOが表示され、それを選択するだけで設定できる。

 されど、サービスインしたばかりの「LINEモバイル」の表示はない。マニュアルに従って手動での設定が必要だ。と言っても難しいものではなく、ほんの1~2分で設定は完了した。
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 ちなみに、iPhoneを使う場合は「APN構成プロファイル」というものをインストールする必要がある。マニュアルにQRコードが載っているので、それを読み取って接続したページからダウンロードできる仕組み。Wi-Fiに接続していないとダウンロードできないので注意が必要だ。

 SIMを認識すると、すぐにNTTドコモ回線につながって「NTT DOCOMO」という表示が出るが、LTE回線に接続して「4G」という表示が出るまでには数分かかった。これは、ほかの格安SIMでもある現象だ。

LINEモバイルならではの設定が不可欠

 あっという間に電話もネットも使える状態になったが、LINEモバイルでは、やっておくべき設定がもう一つあった。自分のLINEアカウントに、LINEモバイルの契約者情報を紐づけることだ。

 その手順は、(1)LINEアプリを起動してログイン(あるいは新規登録)→(2)「LINEモバイル公式アカウント」を友だちに追加→(3)公式アカウントのメニューから「契約者情報連携」と「利用者連携」を行う。これで、LINEモバイルのフルサービスを利用できるようになる。
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主要SNSのカウントフリーでデータ通信料を大幅に節約

 実際に使ってみて「いいな」と思っているのは、やはりLINEとFacebook、Twitterのデータ通信の課金対象外になること。いくらLINEのトークを使っても、動画を送っても、TwitterやFacebookの長~いタイムラインを読み続けても無料。この節約メリットは非常に大きい。

 従来筆者が使っていたBIGLOBE SIMでは、1週間に1GB前後使っていたが、LINEモバイルでは、使い始めてから7日目で合計456MB。正直「3GBプランでも足りたかも……」と思うほどだ。

 友だちに追加した公式アカウントのトーク画面で、データ残量を確認できるのも便利。ほかのMVNOでは、専用アプリで確認できる場合が多いが、日常的に使うLINEアプリでこまめにチェックできるのは便利この上ない。

 近日中に、トークでの問い合わせにも対応するとのこと。10時~19時には電話での問い合わせもできるが、時間帯によってはつながりにくいことも予想される。トークでの問い合わせ対応は、LINEモバイルにとって大きなセールスポイントになるのではないかと思う。
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LINEユーザーのID検索にも対応

 さらに、LINEアカウントに契約者情報を紐づけることで、年齢確認が可能になった。これにより、IDでユーザーを検索したり、検索されたりできるようになる。

 実は、ほかのMVNOではユーザーの年齢確認ができないため、この機能は利用できない。今のところ「LINEモバイルだけがLINEのフルサービスを利用できる格安SIM」ということになる。
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結論:最も気になる通信速度も及第点

 つながりやすさや通信速度などの使用感は、「ほかの格安SIMと同等」というのが率直な感想。筆者は、LINEモバイルと同じNTTドコモ回線の格安SIMをいくつか持っている。同じ回線を使っているとはいえ、通信速度に差はあり、お昼時や夕方など、多くの人がスマホを使う時間帯には速度が落ちることもある。

 LINEモバイルは、まだユーザーが少ないからか、混雑による速度低下は気にならない印象だ。いろんな場所で測定したわけではないが、だいたい8~10Mbps程度の下り速度が得られ、それ以上の速度が出ることはあれど、著しく落ちることはない。

 10月1日の正式サービス以降も、この通信品質を維持し、サービスを拡張できたら、格安SIMのさらなる普及への起爆剤となるかもしれない。

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