ビジネス領域は、世界のどの領域よりも多くの人が存在する。その世界最大領域で、トップレベルと呼ばれるビジネスマンはどんな素質を持っているのだろうか。トップレベルのビジネスマンといえば、高学歴で留学経験があり、何らかの資格を有しているというイメージがある。
だが、あくまでも学歴などはビジネスマンになる以前のものであり、一流のビジネスマンとなる条件ではない。そもそも、何が一流のビジネスマンの条件なのだろうか。多くのビジネスマンは数値を出すことこそが、一流のビジネスマンだと無意識に認識している。しかし、結果を出す方法が分からず、漠然とした目標に向かって邁進しているのではないだろうか。
そこで今回は、ムーギー・キム氏の『最強の働き方』から、著者の語る「真の一流」とは何なのか、そしてその条件とは何なのか見ていこう。
超人気コラムニスト、ムーギー・キムの「真の一流」とは
「ビジネスは頭の良い人が制する」というイメージを持ってはいないだろうか。それでは、IQが高い者は仕事ができるのだろうか。著者は、IQと「仕事IQ」は全く別物だと考えている。「仕事IQ」とは、一流の仕事をすることができるか示すものである。
著者の意図する「真の一流」とは、「最高水準の仕事をする一流のプロフェッショナル」のことである。自分の選んだ領域で最高水準の仕事をすることに、業界・分野は全く関係ない。だからこそ、一流のビジネスマンとなる条件に専門的なものは存在しない。基本的な5つの行動指針に磨きをかけることが、一流の道を歩むことに繋がるのだ。
本書では、「基本」「自己管理」「心構え」「リーダーシップ」「自己水準」の5つの行動指針を紹介している。その中の「心構え」と「リーダーシップ」の2つを紹介していきたいと思う。
真の一流のビジネスマンになるために磨くべき5つの行動指針
- 基本
- 自己管理
- 心構え
- リーダーシップ
- 自己水準
自分の道は自分で拓け! 一流と二流の分岐点
まずは、行動指針の1つ「心構え」から見ていこう。著者の考える「一流と二流の分岐点」は、「主体性の有無」だ。真の一流は、最高水準の仕事をすることを目指さなければならない。主体性がなければ、目標に向かって進むスピードは遅く、いずれ向上心すら失ってしまうだろう。いわば、主体性を持つことは、ビジネスにおいては絶対原則なのだ。
仕事に対して愚痴を吐く人は、「つまらない・自分に興味のない仕事ばかりやらされている」という感覚に陥っているのだ。いくらそんな受動的な仕事を上手くやろうとしたところで、一流とは程遠い成果しか挙げることはできない。自分で見つけた仕事には、責任が大きく伴う。責任と聞くと、ネガティブな印象を受けることが多いが、この責任こそが主体的に動く原動力となり、良い仕事を生むのである。
しかし、会社という組織の中にいる以上、任される仕事の数の方が多いだろう。任された仕事をした上で、自分で仕事を見つけることを著者は求めている。自分が一流を目指す心構えができているか確かめたければ、以下、2つの問いを自分に投げかけてみることを勧める。その問いを熟考することで、今の自分の心構えを確認できるだろう。
リーダーシップの本質は「導く力」ではなく「信頼」である
行動指針の1つ「リーダーシップ」については、様々な考え方がある。例えば、字のままだが、「メンバーを導く力」が必要と言われることが多くある。
著者の考えは、様々な考え方の基礎とも言えるもので、「信頼」こそが最も重要な要素だと考えている。信頼を築くことで、リーダー以前に、同じチームの仲間という関係上で助け合うことができるようになるのだ。著者は、本書で信頼を得るために重要な7つの要素を紹介している。
信頼を得るために重要な7つの要素
- 嘘をつかない
- 相手の話を聞く
- 自分の意見を押し付けない
- 時間を守る
- ミスをしない
- 約束を守る
- 反社会勢力とは付き合わない
ビジネスのトップに君臨する人は、信頼を2通りに区別する。それは、「長期的な信頼」と「短期的な信頼」である。この区別から、「信頼を貯金する」という考えが形成された。つまり、長年培った信頼は、一度の過ちで失われてしまうことはないということだ。だからこそ、日頃から周囲の人たちに対して、信頼を得ることができる振る舞いを忘れてはならないのだ。
本書から紹介したのは、2つの行動指針であったが、他にも著者ならではの行動指針の考え方が記されている。
何より誰でも実践することができる考え方であるため、明日からすぐに実践できるのだ。あなたが、着実に一流への道を歩み、仕事IQの向上につながることを期待する。
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