ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「なぜ人工知能が騒がれる!?」〜vol.734〜』では、ホリエモンが最近AIの人気が過熱している理由を分かりやすく解説。
今回取り上げたのは、「なぜ人工知能が騒がれるんでしょうか? 1950年代から60年代にかけて研究者は、『あらゆる現象は数字や記号に置き換えられる』『人工知能は月にでも行ける』と息巻いていましたが、 そんなことは起きていません。同じ話をSF好きのギークが騒いでるだけにしか思えないです。
そもそも、人間が人工知能の遺伝子パラメーターやアルゴリズムを考えている時点でダメな気がしますし、GAのような仕組みも結局、人がサポートしなければ成長しません。似たような話はVRにも言えますが、なぜみんなこんなに騒ぎ始めてるんでしょうか?」という質問。
ホリエモン「最近のAIの火付け役はディープラーニング!」
ホリエモンは、「ディープラーニングが、GPUの性能飛躍的アップやビッグデータを収集を大規模で行えるようになったことによって、実用に耐えうるようになったのが大きいんじゃないかな。ディープラーニング自体はかなり前から提唱されていたけど、実用的じゃなかったから……」と回答。
最近のAIブームを疑問に思う今回の質問者。同じような現象は半世紀ほど前に存在していたが、それも夢物語に終わっており、今回もそれと同じなのだと予想しているようだ。これに対するホリエモンの答えは、最近発達してきたテクノロジーによって、以前から提唱されていたAIの構想がかなり現実的になったのだというもの。
最近のAIブームの火付け役は、「ディープラーニング(深層学習)」だとホリエモン。これはどんなものかというと、要は人間の神経回路と同じやり方でAIが学習していく方法だ。
ディープラニングの仕組みを説明する例として、ホリエモンは「人間の赤ちゃんは、どうやって父親のことを『パパ』って呼べるようになるか分かる?」と質問。ホリエモンチャンネルアシスタントの寺田有希氏は、「みんなが『パパ』と言っているから」と回答するが、これは間違い。答えはもっと単純で、赤ちゃんは言葉を発音したときの相手の反応を見ているのだ。
ホリエモン「機械が『人間と同じやり方』で物事を学習するようになっている!」
生まれた直後から、赤ちゃんは「アー」「ウー」など言葉にならない発声を無数に繰り返している。しかし、もしもその中に「パー」という発音があれば、父親が「パパって言ったぞ!」と他とは違う反応をするはず。言葉の意味は分からなくても、赤ちゃんはこうした反応から言葉と対象を結び付けていくのだ。
この手順はパブロフの犬と全く同じ。こうした実験を膨大に繰り返して、赤ちゃんは少しずつ言葉や行動を学んでいく。ディープラーニングは、まさにこの手法をシュミレーションしている。
例えば、猫の写真と犬の写真から片方を選ぶ作業を無数に繰り返し、猫の写真を選んだときだけ点数を獲得できるようにしておく。そうすると、AIは点数が入った経験をもとに「猫」という生き物がどんな姿かたちなのかを覚えていくのだ。しかし、それでも結局いったい何が「猫」なのかは理解していないといえるだろう。
これがディープラーニングの基礎だが、「いまのAIはもっと進んでいる」とホリエモン。例えば、コンビニ店員は会計の際に客の年齢や性別をレジに入力しているが、この作業は人間よりAIの方が正確に行えるのだという。
それを可能にしているのは、高度なGPU(画像を処理するプロセッサ)と、Googleなどが保持している膨大な人相のデータだ。教師データと呼ばれる参考情報を予めAIに与えてGPUで計算をさせておくと、この経験をもとに買い物客の年齢や性別を識別することができる。女性や男性の特徴をインプットするのではなく、あくまで莫大な経験によってこれらの識別を可能にしている。つまりは、人間が男女や年齢を何となく判断できるようになるのと同じプロセスだ。
SFなどを通じて、AIの発展はかねてから人類の夢だった。最近再びこのブームが過熱しているのは、それが夢とはいえない段階まで現実化してきているでもある。AIは意外なほど近い未来に、それも昔予想していものとは全く違ったやり方で実現されるのかもしれない。
ホリエモンがディープラーニングについて語った『堀江貴文のQ&A「なぜ人工知能が騒がれる!?」〜vol.734〜』。動画が見たい方はコチラからどうぞ!
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