ファーストクラスやビジネスクラスに乗ってみたいが、実際に旅行や出張で飛行機を利用するときは“エコノミークラス”が殆ど……。しかし、航空会社はエコノミークラスだからといってサービスに手を抜いているわけではない。今回は、満足度の高い機内食を提供している航空会社のエコノミークラスの機内食を、ランキング順で5社紹介したい。(データ元:エアラインランキング2016、機内食部門)
第5位:KLMオランダ航空
出典:www.kinaishoku.com 第5位は、世界最長の歴史をもつ“KLMオランダ航空”。ヨーロッパだけでなく、南米・アフリカを含む世界243都市へのネットワークも持っている。
長距離国際線エコノミークラスでは、2種類のメニューから無料で選ぶことが可能。また、食事以外にもカップラーメンやアイスクリーム、サンドイッチなどの軽食サービスがある。
KLMオランダ航空のエコノミークラスの機内食の特徴は、バターとチーズを添えた“焼きたてロールパン”だ。焼きたてのふわふわしたパンは、おかわり自由なのが嬉しい。
もう1つの特筆すべき点は、機内食の“オシャレさ”だ。機内食に使用されているランチョンマットやメインパレットの蓋には、オランダを代表するアート作品が利用されている。オランダ発のキャラクターとして有名な“ミッフィー”でデザインされた機内食も提供されている。
第4位:ターキッシュ・エアラインズ
by Luke Lai 第4位は、成田・関空からトルコのイスタンブールへの直行便を運航している“ターキッシュ・エアラインズ”。
エコノミークラスの機内食では、欧米で高級レストランやホテルを経営するDO&CO社が監修するメニューを提供。トルコ料理と世界各国の料理が取り入れられている。
メインは肉か魚、パスタから選べる。その他にもオードブル・サラダ・デザートが付いていてボリューミーだが、しっかりと野菜を摂れるヘルシーな仕上がりになっている。ドリンクでは、トルコ産のワインやトルコの地酒“ラキ”も無料でいただくことが可能。
英国調査機関「SKYTRAX」でベストケータリング賞を受賞している、折り紙つきの機内食だ。
第3位:ニュージーランド航空
出典:www.kinaishoku.com 第3位は、ニュージーランドのオークランドへ日本から唯一の直行便を運航している“ニュージーランド航空”。
エコノミークラスの機内食の監修をしているピーター・ゴードン氏は、創作料理でその名を馳せたニュージーランドの有名シェフだ。
地元産の新鮮な食材を使った食事や、ジャムやクリームをあつあつスコーンでいただくアフタヌーンティで人気となっている。現在、提供されている長距離路線のメニューのメインは、“マサラチキンカレー、クミンとバルサミコ酢風味のライス”と“トマトパプリカビーフ、ハーブマッシュとピーズ添え”。ビジネスクラスに劣らないメニューになっている。
食事だけではなく、ドリンクにもこだわっている。ワインの選定は、専門のワイン・コンサルタントが担当しているのだ。ニュージーランド産などの約6種類のワインや、ニュージーランド産のビールなど、ニュージーランドを味わい尽くせるラインナップである。
第2位:エミレーツ航空
by Andy_Mitchell_UK 第2位は、成田・関空からドバイへの直行便を運航している“エミレーツ航空”。路線ネットワークは拡大を続け、サービスについては400以上の受賞歴を誇っている。
エミレーツ航空の機内食の特徴は、ドバイ政府がオーナーの航空会社が提供しているため、食事が“ハラル”になっている点だ。ハラルフードを食べる機会が殆どない日本人にとっては、貴重な体験になること間違いなしだ。
また、ドリンクが充実している点も満足度の高さに寄与している。ドリンクの種類は、食前酒・ビール・ワイン・スピリッツ・ソフトドリンク各種で、好きな時間に無料でいただくことが可能となっている。但し、サウジアラビア路線では、アルコール類は提供されていない。
第1位:シンガポール航空
by Luke Lai 第1位は、国内外のサービス調査で高評価を得ている“シンガポール航空”。シンガポールの民族衣装をアレンジした制服を着用した客室乗務員が印象的だ。
シンガポール航空の機内食は、世界の有名シェフ9人で構成された「インターナショナル・カリナリー・パネル」が考案している。なんと、有名シェフ9人が考案した機内食をエコノミークラスでも頂けるのだ。
シンガポール料理や中華料理だけでなく、アジアをはじめとするインターナショナルなメニューが揃っているが、なかでも美味しいと評判なのが“ベジタリアンミール(※要予約)”。ベジタリアンミールとは、肉が食べられない人のための機内食。他の航空会社では、ベジタリアンミールは1種類のみ提供されているが、シンガポール航空では3種類も用意されているのだ。
番外編:機内食の豆知識
by Ed Yourdon 5つの航空会社の機内食について紹介したが、番外編として知っているようで知らない機内食に関する知識を紹介したい。
日本の機内食の「はじまり」は?
日本国内での機内食のスタートは、第二次世界大戦前に就航していた国内線の大日本航空によるもの。乗客に軽食を提供していたのが、はじまりとされている。
戦後、1951年に運航を再開した日本航空(JAL)国内線では、卵とハムのサンドイッチと魔法瓶に入れた紅茶が提供された。提供元は、東京ステーションホテルや、ロイヤル株式会社(現在のロイヤルホールディングス株式会社)。
“機内”と“地上”で「味覚」は異なる?
飛行機内では、湿度・気圧の低さ、周囲の騒音によって甘みと塩味を感じる舌の器官が鈍くなってしまう。さらに、匂いを知覚する鼻の粘膜がうまく働かないため、食べ物の味が普段よりも薄く感じるようになるのだ。
地上と味覚が変わっても“うま味”は変わらないので、風味のあるソース・マッシュルーム・トマト・醤油などが使用された機内食を選ぶことをオススメしたい。
機内食が提供されるおおよその時間は?
フライトの時間帯・長さで変わってくるが、ドリンクと機内食のサービスは1時間後。長時間のフライトであれば、2回目が着陸の約2時間前から提供されることが多い。
機内食のトレンド「健康志向」?
近年、機内食で「健康志向」の機運が高まっている。以前までのベジタリアンメニューは、菜食主義者や宗教に配慮して提供しているものであった。しかし、現在は「健康志向」からカロリーオフの機内食をチョイスする人が増加したため、そのニーズに対応するべく航空会社が動き始めているのだ。
現在は「要予約」のヘルシーな特別食が一般化する日は、そう遠くなさそうである。
以上、航空会社のエコノミークラスの機内食について機内食の満足度順で紹介した。補足すると、日本の航空会社のANA(全日本空輸)は第6位にランクインしている。機内食だけを見ても各航空会社の個性が垣間見えたのではないだろうか。ぜひ、今後の旅行や出張で飛行機を利用する際は、今回紹介した航空会社の機内食との比較を楽しんでいただきたい。
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