どの商品・サービスが利益を出しているか理解しているだろうか? 自社の商品やサービス、事業の見直しをする際に、売上高が伸びているからという理由だけで判断してしまうのは、早計である。
こういった判断をする際に有効なのが、「貢献利益」という考え方だ。まずは現時点でのそれぞれの商品やサービス、事業の貢献利益を求めてみて、赤字商品やサービスの見直しをしてみよう。
貢献利益で、どの商品・部門が固定費回収に貢献しているのかを把握
Q:貢献利益という言葉を聞いたことがあるが、どのような利益なのか?
A:貢献利益とは、会社の固定費を回収することに貢献する利益という意味の管理会計用語。
まずは、貢献利益の求め方から説明しよう。利益は、売上-費用=利益という式で求める。
貢献利益は、売上から変動費を引いた利益となるので、売上-変動費=貢献利益という式で表すことができる。
なお、この貢献利益の式はさらに、貢献利益-固定費=営業利益と展開することができる。
さて、会社の経営においては様々な商品を取り扱ったり、事業を部門別に展開したりしていると思う。この貢献利益を求めることで、会社で取り扱っているどの商品やどの部門が固定費回収に貢献しているのか、利益の計上に貢献しているのか把握できるのだ。逆に貢献利益を計上できなければ、それはビジネスを見直す必要があるだろう。
貢献利益を意識して商品やサービスを見極める
Q:どの商品が利益に貢献しているか、どのように判断するのか?
A:例えば、ケーキ屋などでは1時間の運営において同じ人件費、同じ地代家賃を払うだろう。そうすると貢献利益の高い商品をどんどん売ることが全体の利益向上に貢献するのだ。ケーキ屋さんでいえば「季節のフルーツ」や「クリスマス」など季節性を謳ったケーキであれば高い単価を設定でき、貢献利益が高いといえる。
また24時間365日オープンが売りのコンビニエンスストアも、都心のオフィスビル内にある場合は、土日に休業したり、時間を制限して運営している。これは貢献利益を稼げない時間においてはmいかにコンビニエンスストアとはいえ運営しても赤字となるため、休業しているのだ。逆に、この場合の貢献利益を稼げる時間は早朝やランチタイムであり、また商品は利益率の高い飲料類となる。
会社の経営においてはm売上の有無に関わらず家賃や人件費といった固定費が発生する。その発生した固定費を回収するためには、貢献利益を意識することで赤字商品や赤字サービスの見極めが可能となる。
ぜひ部門別や商品別の貢献利益を意識して経営に活かしてみてほしい。
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