人生で最も大きな買い物と言われる住宅購入。マンションにするか? 一戸建てにするか? 最初に悩むことかもしれない。当然、どちらが正解ということではなく、それぞれにメリット・デメリットが存在する。
マンションと一戸建てどちらを購入するか? これを決めるのは、まさにライフプランから考えると良いだろう。一般的に「ライフプランから考える」と言うと、教育費や老後の資金を含めた購入資金計画をイメージするが、もうひとつ別の視点も考えたい。まず意識することは、購入する家に一生住むのか?という視点だ。
転勤が多い方や、将来的には地元に戻る方と、一生その住宅に住むことが前提の方とでは選ぶ基準が異なるのは当然である。
自分自身が住宅に何を求めるかによって、マンションと一戸建てを選ぶと良いだろう。なお、筆者はマンションから一戸建てに住み替えを経験している。今回は、個人的な感想も含めたコラムとしたい。
ファミリー向けのマンションと一戸建ての比較
by sherwoodrealestate たとえば、ファミリー向けで住宅購入をする場合、マンションでは70㎡~80㎡程度の広さになることが多い。一方、一戸建てでは2階建てや3階建てとはなるが、延べ床面積で100㎡近くなることが多いだろう。単純に広さだけで言うと、一戸建ての方が勝ることになる。
一方、部屋の設備はマンションに分がある。ディスポーザーやミストサウナ付きのマンションは珍しくないが、一戸建てではあまり見かけない設備であることからも明らかだ。では、コスト面ではどうだろうか? 管理費、修繕費の面から一戸建ての方が有利という声も聞くが、個人的にはどちらとも言えない。
なぜなら、修繕費は一戸建てであっても必要だ。マンションのように強制的に管理会社から徴収される訳ではないので、一見、一戸建には修繕費が掛からないように見えているだけだ。しっかり自分で準備する必要がある。管理費に関しては、個人的には外注費と考えている。
一戸建ては管理費が掛からない分、ごみの管理から庭の剪定まで自分自身でやることになる。マンションから一戸建てに住みかえた際に、筆者が一番面倒に感じたのはこの部分だ。筆者のようにこういったことを面倒に感じる方は、外部に委託する費用というのは、必要なコストと言えるだろう。その他の項目を比較しても、マンションが安くなる項目もあれば、一戸建ての方が安くなる項目もある。
たとえば、車を日常的に利用されている方には、駐車場代が掛からない一戸建てに優位性がある。一方、光熱費はマンションの方が安く済む。基本木造の一戸建てとコンクリート造りのマンションとの断熱性を考えれば明らかだ。
マンション購入の場合のポイントと向いている人
by pasa47 一般論で言うと、一戸建てよりもマンションの方が賃貸に回しやすい。そのため、転勤族の方のように、今の家を離れる可能性がある方にはお勧めだ。その上で意識すべきことは、ロケーション。詰まるところ、最寄り駅からの距離だ。賃貸に出すことを考えると「駅からの距離」というのが大事な要素だ。
購入する立場では、広さや間取り、共有部の充実度が気になるが、賃貸ニーズから考えると「駅からの近さ」は外せないポイントだ。なるべく最寄り駅からバス便になるような物件は避けた方が無難だろう。
マンション購入に向いている人
- 転勤などが多く、賃貸に回すことを考慮すべき人
- 最初から部屋の設備が充実していて欲しい人
- 電車通勤の人
- 光熱費を抑えたい人
一戸建ての場合のポイントと向いている人
by james.thompson 前述の通り、一戸建ての方が広さの面で有利である。そのため、家族の人数が多いご家庭には一戸建てはお勧めだ。そういった面から言うと、周囲の環境も重要だ。駅からの距離と(一戸建てむけの)住環境はしばしば反比例するため、駅からのアクセスは犠牲になってしまうかもしれない。
もちろん、車通勤の方にはあまり問題とならない部分だ。駐車場代も不要なので、車通勤の方などにも一戸建ては良い選択肢だ。また、マンションのように管理人さんに頼ることはできない。DIYが好きな方の方が向いているだろう。
一戸建ての購入に向いている人
- 家族が多い人
- 車通勤の人
- DIYが好きな人
購入予定の住宅にずっと住むのか? 否か? この点も考えて、物件選びをすることをお勧めする。
執筆者:平原直樹
ブロードマインド株式会社のファイナンシャルプランナー。
第一種証券外務員を保有するお金のプロ! 難しいお金の話を分かりやすく解説します。
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