10年前、トンデモ科学に聞こえていたAI。しかし、今となってはAIが実用化され始めているのをご存知だろうか。アメリカ、シリコンバレーから始まったAI開発の流れは世界中に広がり、現在は技術の変革期といってもいい時期にある。AIは世界に、ビジネスにどんな影響を与えてくれるのだろうか。
そもそも「AI」「ディープラーニンング」とは?
by A Health Blog AIとはArtificial Intelligenceの略、日本語だと人工知能である。SF小説や映画のようなフィクションにおけるAIといえば、ドラえもんやマトリックスなどがメジャーである。どれも知性や感情を持った人間のように振る舞うロボットが出てくることが多い。だが、現実の研究としてメジャーなのは人間のような機械ではなく、知性を与えて人間の行為を行わせる機械である。具体的には、将棋を自動的に指すことができるコンピュータシステムなどだ。
現在は、第三次AIブームと呼ばれるほど、AI開発が大変な盛り上がりを見せている。その発端はディープラーニングという機械学習システムだ。ディープラーニングは、ニューラルネットワークという人間の脳を模倣した技術を活用している。人間がりんごをりんごと認識するように、AIに対象を認識させる研究が進められてきた。今までのAIでは、人間が対象の概念を覚えさせていたのに対し、ディープラーニングでは学習することによって、自発的に対象を認識できるようになったのが最大の違いだ。
これだけ知っておこう、AIとディープラーニングの基礎知識
- AIは「人間の行為を知性を持って行う」
- ディープラーニングは「自ら学ぶ」
既にこんなところで実用化されている「ディープラーニング」
コールセンター
出典:telemosa.mx ディープラーニングはすでに多く実用化されている。その例としてコールセンターがある。みずほ銀行では、2014年にIBMが開発した「Watson」を業務に取り入れることを発表した。Watsonは顧客とオペレーターの会話を分析し、過去の会話例から何を尋ね、答えるべきか表示する。Watsonを取り入れることによって対応時間を短縮させるのが狙いだ。
バナー広告
出典:www.totalmarketexposure.com バナー広告でもディープラーニングは活躍している。読者の皆さんも一度はクリックしたことがあるかもしれないバナー広告。行く先々のサイトで同じような広告が掲載されているのは不思議だったのではないだろうか。そして、その広告はクリックしたくなる広告であることが多い。ディープラーニングによってクリックされやすいパターンを見つけ、広告を掲載しているのだ。
ついには、AIが社長になる?
出典:tomellard.com ディープラーニングの出現により、AIの驚くべき活用法が話題となっている。何とAIが社長として経営に携わるというのだ。
また日立製作所は、AIを経営に関わらせることを真剣に検討している。統計分析によって、人事の適材適所を見分けることができるようになるという。大量のデータを正確に分析し、冷静に判断できるAIは、本当に社長に適しているのかもしれない。
EY総合研究所株式会社は、2030年にはAI市場が2015年の“23倍”にまでなると推計している。そして実用化の範囲が広がるにつれ、人の職を奪うのではないか、という懸念も生じている。懸念されている通り、確かに消えてしまう職業もあるだろう。だが、AIを管理する人材は必要になり、結局判断を下すのは人間である。今までの技術革新によって、多くの職業がなくなり、また生まれてきている。新たな技術を活かすも殺すも私たち次第。すでに想像の産物ではなくなったAIへの、さらなる理解が求められている。
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