世間を大きく揺るがした、天皇陛下の「生前退位」へのご意向。今回は、現在の皇室典範や、生前退位により懸念される問題、天皇陛下の真意について、「5分」で解説していこう。
皇位の継承について
現在の皇室典範での皇位継承
- 崩御をした時に継承
- 摂政(代理)を置くことができる
皇室典範内では、生前の退位については触れられていないため、認められていない。
また、天皇が未成年の場合や重大な病気などで、国事行為ができない場合に天皇の業務を代行する「摂政」という役職があることもおさえておこう。
なぜ“生前退位”で世間が騒ぐ?
生前退位の懸念事項
- 上皇や法皇による「院政」の恐れがあるから
- 皇室典範を変えないといけないから
- 政治的発言と捉えられかねないから
もし生前退位が実現すれば、引退した元天皇が権力を持ち続ける「院政」が、政治を混乱させる恐れがある。
また、皇室典範改正のために国会での議論が必要になるため、ご意向を示すこと自体が政治的な発言と捉えられかねないのだ。
天皇陛下の真意とは?
天皇陛下が述べられた内容は…
- 減らすことができない公務とお体の現状
- 象徴天皇としての務めと摂政
- 国民や親族へのご配慮
2016年8月9日15時ごろ、天皇陛下直々に「お気持ち」を表明するビデオメッセージが公開された。
減らすことができない公務とお体の現状
この中で天皇陛下は、公務を縮小できないことに触れ、「身体の衰えを考慮する時、これまでのように務めを果たしていくことが難しくなるのではないか」と案じられた。
象徴天皇としての務めと摂政
一方で、国民の象徴としての公務を天皇自身が果たすことが大切だとお考えで、代理である摂政を置くことには否定的なお気持ちを示した。
国民や親族へのご配慮
また、天皇が健康を損ない深刻な状態に陥った場合、社会が停滞し国民にも様々な影響が及ぶことを懸念された。
天皇陛下の生前退位は、象徴天皇制を定めた憲法にも深く関わる問題だ。天皇陛下のお気持ちと、生前退位で懸念される事項を踏まえながら、この問題を見守りたい。
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