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バーがもっと楽しくなる:知っておきたい“カクテル”の基本

Saki Shinoda

2016/08/09(最終更新日:2016/08/09)


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by Thomas Hawk
 上司などと少人数で飲む際、バーへ足を運ぶ機会はないだろうか。バーにはメニューが置かれていない場合が多いため、慣れないうちはカクテルの注文で戸惑いがちだ。とりあえず聞いたことのあるカクテルを頼んで、その場しのぎをする人も多いのではないだろうか。

 カクテルの基礎知識があれば、急にバーへのお誘いを受けても、好みの一杯を楽しむことができるだろう。そこで今回はカクテルの常識や、バーでの注文におすすめのカクテルを紹介する。

スピリッツとは

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by itsrick208
  スピリッツは蒸留酒全般を指す言葉だが、そのなかでも「ジン」「ウオッカ」「テキーラ」「ラム」は四大スピリッツと呼ばれている。これらのスピリッツはストレートやロックでも楽しめるが、カクテルのベースとしても広く使用されているため、まずは四大スピリッツの種類を覚えよう。

ジン

 ジンは15世紀のオランダで熱病対策の薬酒として作られ、18世紀のイギリスで親しまれたのち、19世紀のアメリカでカクテルベースとしての地位を確立した。

 一般的な製法では、大麦麦芽や穀物を蒸留した後に、ねずの実やボタニカルと呼ばれる種子や果皮、樹皮などを加え、ゆっくりと最蒸留する。使用するボタニカルによって全く異なる香味を楽しめるのが特徴的だ。

ウオッカ

 ウオッカは12世紀頃からロシアの地酒として親しまれており、現在はロシアにとどまらず、アメリカや東欧、北欧などでも生産されているスピリッツだ。

 トウモロコシや大麦・小麦・ライ麦などの穀物類と、ジャガイモなどの芋類が原料となっている。原料を糖化、発酵、蒸溜した後、白樺などでろ過されることによって、癖のない軽やかな味となっている。

テキーラ

 テキーラは18世紀、スペイン統治時代のメキシコにて、山火事で燃えた竜舌蘭「アガベ・アスール・テキラーナ」が出した甘い汁を元に作られたものが起源とされている。
 
 製造過程では、まず原料の竜舌蘭を斧で割り、釜で蒸して発酵させることで糖分を発生させる。それらローラーにかけて糖分を十分に絞り、発酵・蒸留させたものがテキーラとなる。

ラム

 ラムは17世紀ごろ、サトウキビを原料として西インド諸島で生まれたスピリットだ。イギリス海軍では18世紀から20世紀後半にかけて、海兵の士気向上のためにラムの支給が行われていた。

 サトウキビの茎を搾ったものを煮つめて、糖蜜や搾り汁をそのまま水で薄めたものを原料として使用する。風味や色などによって、多くの種類のラムが存在する。

グラスの違い

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by Shehan Obeysekera
 バーで出されるグラスは主に「ショートグラス」と「ロンググラス」の二種類だ。この項目では、出されるグラスの違いについて紹介する。

ショートグラス

 小さめの容量で、長い足のついたショートグラスで提供されるのが“ショートカクテル”だ。主にアルコール度数が高いカクテルで使用される。

 ショートカクテルは氷が使用されていないため、カクテルがぬるくなる前の適温状態が短い。「ショート」カクテルと呼ばれているのはこのためだ。15分〜20分程度で全て飲むくらいのペースで楽しむ。

ロンググラス

 短時間で飲み切るショートカクテルに対し、円柱のロンググラスで長い時間をかけて楽しむことができるのが“ロングカクテル”だ。この形のカクテルは、バー以外でも見かけることが多い。

 グラスの中に氷が入れられているため、カクテルがぬるくなるまでの時間が長いことから「ロング」カクテルと呼ばれている。

割り方のスタイル

〜トニック

 ベースをトニックウォーターで割ったものをトニックと呼ぶ。トニックウォーターは炭酸水に香草類や柑橘類の果皮のエキス、糖分などを加えた味を整えた飲料だ。

〜ソーダ

 ベースにソーダを加えたもの。ソーダはトニックウォーターと違い、甘味が加えられていないため、辛口のものが多い。

〜バック

 ベースをジンジャーエールで割り、レモンの酸味を加えたものがバックだ。“Buck”には雄鹿の意味があり、「キックのある飲み物」という意味が込められている。

〜フィズ

 ベースをソーダで割り砂糖を加え、レモンやライムの酸味を加えたものがフィズだ。ソーダの炭酸ガスが弾ける音が名前の由来になっている。

リッキー

 ベースをソーダで割り、レモンやライムの酸味を加え、更にレモンやライムの実を加えたもの。マドラーで実を潰しながら飲むスタイルが一般的だ。

ビジネスマンにオススメ:押さえておきたいスピリッツ別カクテル

マティーニ(ジン)

 “マティーニ”は、ジンベースにベルモットを加えたカクテルだ。「カクテルの王様」とも呼ばれ、シンプルながらもバーテンダーの力量が試されるカクテルとされている。ジンはボタニカルごとに香味が異なるので、バーごとで注文しても面白いだろう。

 一般的にはジンと、白ワインを主体としたフレーバードワインであるベルモットを3:1の割合で使用する。ふたつを混ぜあわせカクテルグラスに注ぎ、オリーブの実を入れて供される。

カミカゼ(ウオッカ)

 “カミカゼ”はウオッカベースのカクテルだ。ウオッカながらアメリカが発祥で、その切れ味の鋭さから、日本海軍の神風特攻隊にちなんで名付けられたとされている。ネーミングに関しては賛否分かれるところだが、スッキリした味わいは若手ビジネスマンにぴったりだ。

 ウオッカ、柑橘系リキュールであるコアントロー、フレッシュライムジュースをそれぞれ1/3ずつ入れてシェイクしたカクテル。氷を入れたグラスで混ぜあわせ、スライスしたライムを添える。

マルガリータ(テキーラ)

 “マルガリータ”はテキーラをベースとするカクテルだ。元々はスペインの女性の名前が由来など、諸説ある。ショートグラスで嗜む姿は頼もしさを感じるものの、アルコール濃度が高めなため、注意が必要だ。

 テキーラを1/2、オレンジ風味のリキュールであるオレンジキュラソーを1/4、レモンまたはライムのジュースを1/4入れるレシピが一般的だ。材料をシェイクし、縁に食塩を付けたグラスに注ぐ。

キューバリブレ(ラム)

 “キューバリブレ”はラムベースで、世界中で親しまれているロングカクテルだ。米西戦争でアメリカがスペインに勝利し、キューバがスペインから独立したことを祝うため、リブレ(自由)という名称がついたという。アメリカの象徴であるコーラと、キューバのラム酒を合わせて作られる。甘みのあるラムとコーラを合わせるため、非常に飲みやすい。アルコールが苦手なビジネスマンにおすすめだ。
  
 一般的なレシピではラムを45ml、ライムジュースを10ml、コーラを適量入れて混ぜあわせる。

ロングアイランドアイスティー(ジン、ウオッカ、テキーラ、ラム)

 “ロングアイランドアイスティー”はウオッカベースだが、上述したスピリッツを全て使用するロングカクテルだ。紅茶を使っていないにも関わらず、名前の通り紅茶の風味が再現される。飲みやすいがアルコール度数はかなり高い。お酒に強い人であれば、ぜひ上司と楽しんでほしい。

 まずジン、ウオッカ、テキーラ、ラムをそれぞれ15ml入れる。オレンジリキュールのグランマルニエと角砂糖をティースプーン2杯、レモンジュース30ml加えた後、更にコーラを適量入れて混ぜ合わせるレシピが一般的だ。
 このカクテルも、バーテンダーの力量が試される。


 基本的なカクテルの知識を身につけていれば、バーでの注文で焦らなくなるだけでなく、注文するカクテルの幅を広げることができる。この記事の内容を参考にしながら、バーでお気に入りの一杯を見つけてみよう。

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