昔映画館で観た映画をもう一度観たい、用事が立て込み上映期間中に観られなかった映画を自宅で観たい、またはスポーツや音楽ライブを臨場感満点で観たいなど、ホームシアターを設置する理由は様々だ。しかし、ホームシアターを設置するならば効果が最大限に発揮されるように工夫したいというのは、共通の望みだろう。
そして、その工夫として最大のカギとなるのが、スピーカーの配置なのだ。映画館と比べても遜色ないようなホームシアターの設置術を、ここに紹介していく。
ホームシアターの設置費用は?
まずは、気になる費用についてだ。設置にかかる費用としては、基本工事代とオプション工事代の二つがある。前者はホームシアターの設置に必須なもので、後者は、配線を隠してルームデザインをより良く見せたい場合などに支払う、追加の工事費用のことだ。
部屋の広さや構造によって工事の仕方は様々なので一概には言えないが、平均的な代金は、基本工事が約90,000~95,000円、オプション工事が約50,000円となっている。
基本工事代の具体的な内訳は、ホームシアター本体のセッティングが8,000円〜12,000円、スピーカー天吊り工事が15,000円、プロジェクター設置が30,000円、スクリーン設置が30,000円で、オプション工事の内訳は、配線隠ぺいが12,000円、床下配線が18,000円、天井裏配線が22,000円、である。
スピーカーの配置にこだわって完璧なホームシアターに!
いよいよ本題である、スピーカーの配置についてだ。スピーカーの位置で変わるのは、音の大きさと反響具合だ。
音は空気が波のように振動して人に伝わってくるので、波が打ち消し合ったり強め合ったりするのと同様に、音も大きくし合ったり小さくし合ったりする。また、より多くの方向から空気の振動が一点に向かって伝わるとき、音は反響して(立体的に)聞こえる。そのため、視聴する場所が、音が互いに大きくし合い、かつ多方面から振動の伝わってくる場所ならば、最も臨場感を味わえる、というわけだ。
視聴する位置を画面の真正面だとすると、その位置で最も良い音を体感するためには、左右のスピーカーの配置に工夫が必要なのだ。そして、そのスピーカーの工夫とは、視聴位置と画面を結ぶ直線を30°回した直線上の中で、視聴位置からの距離が、視聴位置から画面までの距離と同じであるようなところに、スピーカーを配置させるということだ(何故その位置が最適なのかについては、きちんとした物理的背景があるが、ここでは省略させていただく)。
にわかには信じがたいことかもしれないが、このようにスピーカーを配置するだけで、本当に驚くほど音が立体感、迫力を伴って聞こえるようになるのだ。したがって、業者の方にホームシアター設置を頼む際は、事前に分度器や定規を使って、部屋に最適な配置を割り出してから工事してもらうことをお勧めしたい。
DIYでホームシアター作り!
最後は、DIYでのホームシアター作りについてだ。DIYとは「Do It Yourself」の略で、平たく言えば「自力」だ。今回の場合は、自力でホームシアターを作る、ということになる。
ここでもカギとなるのは、スピーカーの配置だ。皆さんが映画館へ行ったとき、どの映画であろうと例外なく、音は足元ではなく上の方から聞こえてこないだろうか。その理由は、上から音が出る方が、音が反響して聞こえやすいからだ。よって、工事でホームシアターを設置する際も、スピーカーは上の方に取り付けられる。
それにならい、自力でホームシアターを作るときも、棚の上など、スピーカーを上の方(最低でも座ったとき目線の高さにくる程度)に置くことを心がけると良い。また、プロジェクターをホームセンターで売っている用具を用いて設置するなど、DIYでのプロジェクター作りには様々な工夫の可能性がある。自分の好みに設計して自分だけの映画館を独占しよう。
週末ホームシアターでゆっくり映画を楽しみながらオフを過ごすのも良いだろう。工事費用はそこそこかかってしまうが自力で作ることも可能なので、試してみてはどうだろうか。
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